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第二章貴族偏

城伯5

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「報告書にはなんて書いてあるんだい?」

 義父からの報告書を読んでいると、ほぼ健康を取り戻されたドウラさんが話しかけてくれました。
 私の築城を心配してくれています。
 ありがたい話です。

「築城は順調に進んでいるようです。
 とは言っても、家臣達は全員テント暮らしで、疲れがたまっているそうです。
 早く主要な濠と城壁を完成させて、安全な部屋を確保したいとあります」

「義親父さんやお母さんはそっちにいるんだよな?」

「はい、二人は城代として領地に行ってくれています。
 妹と弟は、こっちで文武の勉強をしています」

 義父は皇室に仕える徒士でしたし、冒険者時代の実績もそれなりにありますから、冒険者を束ねることも、領地を管理することもできます。
 母上も、実父義父と二つの徒士家の妻としての経験もあれば、冒険者時代の実績もありますから、十分義父の補佐くらいはできます。
 築城家の指示通りに家臣を働かせて、ホセイ城伯家家臣団を束ねてくれます。

 ですが、三人の妹と一人の弟を、あんなまだ何もない領地には行かせられません。
 四人は皇都で文武に励んでもらいたかったのです。
 ですが、それでは不用心過ぎると、皆に止められてしまいました。
 特にレオン第四皇子には、人質にしようと悪巧みする者が現れると、厳しく注意されてしまいました。

 ですが、私にも譲れない考えがあります。
 私のせいで、店一つない築城中の辺境に、青春真っ盛り弟妹を、行かせるわけにはいきません。
 私がそう言うと、レオン第四皇子が折れてくださいました。
 魔都で生活させればいいという事でした。

 確かに魔都なら大いに繁栄していて店も多いです。
 文武の勉強をするにも最適です。
 私が直接指導してあげる事もできます。
 ジョージ様もマルティン様もおおいに賛成してくれて、レオン第四皇子付きの学者達から直接学べるように、色々と手配してくださいました。
 レオン第四皇子が直々に許可してくださいましたから、間違いありません。

 ホセイ家で新たに結成した、魔都駐屯の徒士団騎士団に預けて、魔獣を狩る実戦訓練の参加させることも可能です。
 ゲイツクランで実績のある者を中心に、将来性のある若者達を魔都駐屯部隊に残しましたから、安心して弟妹を預けることができます。

「それじゃあ、そろそろ本気で属性竜を探すとするかね。
 レオン殿下もかなり実力をつけている。
 お付きの近衛騎士達も、逃げる時の囮くらいには使えるようになった。
 私も八割は元通りに動ける」

 いよいよです。
 いよいよ三頭目の属性竜狩りです!
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