46 / 99
第一章冒険者偏
身体強化
しおりを挟む
「これは重宝するね。
それにこれを公表すれば値崩れの心配もなくなる」
「ふむ。
だが情報は貴重だ。
いや、貴重以前に命にかかわる事もある。
切り札としてとっておかないのか?」
「ふん!
それは騎士や戦士の考え方だよ。
私は冒険者だからね。
獲物を高く売るのが最優先だよ。
アンタは騎士としてここにいるのかい?
それとも冒険者としてここにいるのかい?」
「分かった、降参だよ。
城代にも大臣達にも、俺が責任を持って報告する。
ドウラは冒険者クランに報告してくれ。
ドウラの報告なら誰も疑わんだろう」
今日はとても驚愕の発見がありました!
皇国の、いえ、世界を変えかねない大発見です。
もともと魔獣や魔竜が魔法薬に素材になる事は知られていました。
実際そのお陰で、私達が狩った魔獣や魔竜は驚くほどの高値で買い取られます。
ですが、今日、それ以外の大発見があったのです。
魔竜の肉を食べるだけで魔力体力が回復し、身体強化までするのです。
特に身体強化について調べようとしていたわけではありません。
たまたま大量にある鉤竜の肉を食べたのです。
自分達だけでなく、クランメンバー全員に、それこそ入ったばかりの新人にも。
常識外れな事だとは、重々承知しています。
ですが、ドウラさんが、若い子達のやる気を維持するためにも、狩り過ぎた魔竜の肉を消費するためにも、月に一度くらいは振舞ってやろうと言われたのです。
酔っておられたのかもしれません。
最近お酒を飲まれる姿を見かけることが増えました。
狩りの時も、二日酔いで辛そうにされている時があります。
ですが、その非常識な大盤振る舞いが、とんでもない衝撃の事実を、発見する事に繋がったのです。
入ったばかりで、まだ一度も狩りに参加したことがなく、身体強化の経験もない新人が、鉤竜の肉を食べただけで身体強化したのです!
食事会の場は騒然としました。
食事会は突然緊急幹部会となり、身体強化の原因を研究することになりました。
でも誰もが分かっていました。
原因が鉤竜の肉を食べた事だと。
その場で新人達にドンドン鉤竜の肉を食べさせました。
もう、美味いとか貴重だとか高価だとかは二の次三の次です。
その日のうちに、鉤竜の肉を食べるだけで、亜竜を斃さなくても、身体が強化されることがはっきりしました。
その日から、検証を重ね、正式な研究として発表するための、追実験が繰り返されました。
早い話が、新人に狩りをさせずに、毎日三食鉤竜の肉を食べさせたのです。
どの部位をどれくらい食べさせたら身体強化するのかを、繰り返し検証しました。
これで亜竜種の肉の相場は高止まりすることになるでしょう。
どれほど狩っても値崩れの心配がなくなりました。
それにこれを公表すれば値崩れの心配もなくなる」
「ふむ。
だが情報は貴重だ。
いや、貴重以前に命にかかわる事もある。
切り札としてとっておかないのか?」
「ふん!
それは騎士や戦士の考え方だよ。
私は冒険者だからね。
獲物を高く売るのが最優先だよ。
アンタは騎士としてここにいるのかい?
それとも冒険者としてここにいるのかい?」
「分かった、降参だよ。
城代にも大臣達にも、俺が責任を持って報告する。
ドウラは冒険者クランに報告してくれ。
ドウラの報告なら誰も疑わんだろう」
今日はとても驚愕の発見がありました!
皇国の、いえ、世界を変えかねない大発見です。
もともと魔獣や魔竜が魔法薬に素材になる事は知られていました。
実際そのお陰で、私達が狩った魔獣や魔竜は驚くほどの高値で買い取られます。
ですが、今日、それ以外の大発見があったのです。
魔竜の肉を食べるだけで魔力体力が回復し、身体強化までするのです。
特に身体強化について調べようとしていたわけではありません。
たまたま大量にある鉤竜の肉を食べたのです。
自分達だけでなく、クランメンバー全員に、それこそ入ったばかりの新人にも。
常識外れな事だとは、重々承知しています。
ですが、ドウラさんが、若い子達のやる気を維持するためにも、狩り過ぎた魔竜の肉を消費するためにも、月に一度くらいは振舞ってやろうと言われたのです。
酔っておられたのかもしれません。
最近お酒を飲まれる姿を見かけることが増えました。
狩りの時も、二日酔いで辛そうにされている時があります。
ですが、その非常識な大盤振る舞いが、とんでもない衝撃の事実を、発見する事に繋がったのです。
入ったばかりで、まだ一度も狩りに参加したことがなく、身体強化の経験もない新人が、鉤竜の肉を食べただけで身体強化したのです!
食事会の場は騒然としました。
食事会は突然緊急幹部会となり、身体強化の原因を研究することになりました。
でも誰もが分かっていました。
原因が鉤竜の肉を食べた事だと。
その場で新人達にドンドン鉤竜の肉を食べさせました。
もう、美味いとか貴重だとか高価だとかは二の次三の次です。
その日のうちに、鉤竜の肉を食べるだけで、亜竜を斃さなくても、身体が強化されることがはっきりしました。
その日から、検証を重ね、正式な研究として発表するための、追実験が繰り返されました。
早い話が、新人に狩りをさせずに、毎日三食鉤竜の肉を食べさせたのです。
どの部位をどれくらい食べさせたら身体強化するのかを、繰り返し検証しました。
これで亜竜種の肉の相場は高止まりすることになるでしょう。
どれほど狩っても値崩れの心配がなくなりました。
0
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
【短編完結】記憶なしで婚約破棄、常識的にざまあです。だってそれまずいって
鏑木 うりこ
恋愛
お慕いしておりましたのにーーー
残った記憶は強烈な悲しみだけだったけれど、私が目を開けると婚約破棄の真っ最中?!
待って待って何にも分からない!目の前の人の顔も名前も、私の腕をつかみ上げている人のことも!
うわーーうわーーどうしたらいいんだ!
メンタルつよつよ女子がふわ~り、さっくりかる~い感じの婚約破棄でざまぁしてしまった。でもメンタルつよつよなので、ザクザク切り捨てて行きます!
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
婚約破棄を要求されましたが、俺に婚約者はいませんよ?
紅葉ももな(くれはももな)
恋愛
長い外国留学から帰ってきたラオウは、突然婚約破棄を要求されました。
はい?俺に婚約者はいませんけど?
そんな彼が幸せになるまでのお話。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
まったく心当たりのない理由で婚約破棄されるのはいいのですが、私は『精霊のいとし子』ですよ……?【カイン王子視点】
空月
恋愛
精霊信仰の盛んなクレセント王国。
身に覚えのない罪状をつらつらと挙げ連ねられて、第一王子に婚約破棄された『精霊のいとし子』アリシア・デ・メルシスは、第二王子であるカイン王子に求婚された。
そこに至るまでのカイン王子の話。
『まったく心当たりのない理由で婚約破棄されるのはいいのですが、私は『精霊のいとし子』ですよ……?』(https://www.alphapolis.co.jp/novel/368147631/886540222)のカイン王子視点です。
+ + + + + +
この話の本編と続編(書き下ろし)を収録予定(この別視点は入れるか迷い中)の同人誌(短編集)発行予定です。
購入希望アンケートをとっているので、ご興味ある方は回答してやってください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScCXESJ67aAygKASKjiLIz3aEvXb0eN9FzwHQuxXavT6uiuwg/viewform?usp=sf_link
夫婦で異世界に召喚されました。夫とすぐに離婚して、私は人生をやり直します
もぐすけ
ファンタジー
私はサトウエリカ。中学生の息子を持つアラフォーママだ。
子育てがひと段落ついて、結婚生活に嫌気がさしていたところ、夫婦揃って異世界に召喚されてしまった。
私はすぐに夫と離婚し、異世界で第二の人生を楽しむことにした。
【完結】私の結婚支度金で借金を支払うそうですけど…?
まりぃべる
ファンタジー
私の両親は典型的貴族。見栄っ張り。
うちは伯爵領を賜っているけれど、借金がたまりにたまって…。その日暮らしていけるのが不思議な位。
私、マーガレットは、今年16歳。
この度、結婚の申し込みが舞い込みました。
私の結婚支度金でたまった借金を返すってウキウキしながら言うけれど…。
支度、はしなくてよろしいのでしょうか。
☆世界観は、小説の中での世界観となっています。現実とは違う所もありますので、よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる