26 / 47
第一章
第21話:執事、元老、大老、厳罰
しおりを挟む
「余は大老を以前のように執事と元老に戻す。
そして民部卿を執事とする。
余に何事があろうと民部卿がおる、安心せい」
「大命謹んでお受けさせていただきます」
徳川幕府の大老職は、五代将軍の徳川綱吉が堀田正俊を任命した時に、井伊、酒井(雅楽頭流宗家)、土井、堀田の四家に限定された最高職としての体裁が整った。
だがそれ以前にも、将軍を後見して国政に関与し、老中と謀議をする者が任命されていたのだ。
最初の例は大御所徳川秀忠が、松平忠明と井伊直孝の二人に、三代将軍徳川家光の後見をして国政に加われと命じた事だ。
二人は執事(大政参与)とし、幕政全般に関与するだけでなく、将軍の後見人として殿中の諸儀式や将軍家の法事や参詣の差配までも行った。
一方堀田正盛と稲葉正則の任じられた元老は、政務型の大老と言える役職で、あくまでも将軍の家臣として幕政に参加する立場だった。
この二職は、江戸に在府しなければいけないが、非常勤職で、老中の月番制・老中奉書連判・評定所の構成員としての出座は免除されていた。
柳営補任では、大政参与は『執事職』と名付けられ、大老は『元老』と名付けられていた。
武鑑では、大政参与は『御太老』、大老は『御家老』と区別されていた。
だからこそ、後の世で徳川斉昭や松平容保は大老ではなく参与に任じられたのだ。
「過去の執事と元老」
執事職(大政参与):松平忠明、井伊直孝、保科正之、榊原忠次、井伊直澄
元老(大老):堀田正盛、稲葉正則
「では民部卿、例の件、処分の続きを報告してくれ。
皆も気になっている事だろう」
本多中務大輔が老中として許し難い不忠を働いた件は、時間が経つに連れて、その全容が解明されていった。
下総古河藩五万石が改易されただけでなく、同じように札差から賂を受け取って、大岡越前守を町奉行から追い払おうとした若年寄以下の幕臣が改易された。
但し、当主や重臣は、まだ処刑されてはいなかった。
他にも一味に加わっていた者がいないか、厳しい詮議を受けていた。
もちろん元凶である江戸の両替商や札差は闕所となり、家屋敷財産は収公された。
だが当主や使用人はまだ処刑されておらず、厳しい詮議を受けていた。
「先ずは三人となってしまった老中の欠員を決めた。
西之丸老中を務めている松平能登守を本丸老中とする。
先年京都所司代を辞した牧野河内守を本丸老中とする」
執事、清水徳川宗哀の決定は、弟の大納言徳川家重を粗略には扱わないという意思表示であった。
これで本丸老中のうち二人が家重の老中だった者が務める事になった。
同席している家重も嬉しそうにしている。
「現時点の老中」
遠江浜松藩七万石の松平伊豆守信祝
上野高崎藩七万二千石の松平右京大夫輝貞
下総佐倉藩六万石の松平左近衛将監乗邑
美濃岩村藩三万石の松平能登守乗賢
丹後田辺藩三万五千石牧野河内守英成
「次に宗家がなくなってしまった本多家の件だ。
どの家が本多家の宗家か分からないのは問題である。
だからと言って、これほどの不忠を働いた家を復活されるわけにはいかない。
また、連座処分を許しただけでも特別な御温情なのに、加増するなど問題外だ。
よって、今一番石高が多く、宗家筋に近い遠江相良藩一万五千石を宗家とする」
「平八郎系本多家」
遠江相良藩一万五千石の本多越中守忠如
遠江挙母藩一万石の本多長門守忠央
播磨山崎藩一万石の本多肥後守忠辰
播磨山崎藩一万石の本多肥前守忠辰
「次に商人共への処分である。
今回の件は江戸の両替商と札差が企んだ事だが、御公儀の意に従わない商人は何処の商人であろうと許さん。
大阪の十人両替は勿論、京大阪、近江の商人も徹底的に調べ厳罰に処す。
京大阪の東西町奉行所は勿論、大阪城と二条城の大番にも加わってもらう。
必要ならば江戸から御先手組と徒士組を増援に出す事もある。
各々方、何時出陣の命があって動けるように備えよ」
「「「「「はっ」」」」」
「最後に、今回の件にも右衛門督が加わっていることが分かった。
上様の御威光を否定する等、子供として不孝、臣下として不忠の極みである。
よって、美濃郡山藩三万八千九百石金森家に流罪とする」
集まっていた多くの大名幕臣が息を飲んでいた。
次期将軍候補の中でも、最有力だった事もある田安徳川宗武が流罪となったのだ。
それも、場所こそ違え、東照神君の逆鱗に触れた松平忠輝と同じ金森家へ預けられるのだから、許される事は絶対にないと宣言しているようなものだ。
「兵部少輔、如何に上様の三男とは言え、右衛門督は上様の御威光よりも商人からの賂を優先した者だ。
決して特別扱いせず、通常の罪人として扱うように」
「はっ、厳しく監視させていただきます」
金森兵部少輔頼錦が恐懼して執事徳川宗哀の命を受けていた。
祖父の金森出雲守頼旹は、徳川綱吉の寵愛を受けて側用人にまでなったが、急に寵愛を失い、豊かな飛騨高山から貧しい出羽上山に移封させられていた。
更に出羽上山から美濃郡山に二度目の移封をさせられていたのだ。
今年七月に前当主で祖父の金森出雲守頼旹が亡くなったばかりで、まだ喪も明けていない状態で城に呼びだされた金森兵部少輔頼錦だった。
徳川宗哀が、いや、裏で宗哀に命じた吉宗がどれだけ前例に拘ったのかが分かる。
それは、宗哀、新之丞、家重の背後で嬉しそうな表情を浮かべている吉宗を見れば、誰の目にも明らかな事だった。
「主を失った田安家は、我が三男大三郎が跡を継ぐ」
これにより千代田城の勢力図が確定した。
本丸に住む徳川吉宗は将軍だから別として、三卿の内、清水家を宗哀本人が当主を務め、田安家を三男の大三郎が当主を務める。
これまで嫡男だった家重は、以前と同じように西之丸にいるが、同じ西之丸の敷地内にある吹上御殿に、皇女を正室に迎えた新之丞が住むのだ。
その新之丞は吉宗の長男である宗哀の嫡男なのだ。
誰が次期将軍となるのか、その場に集まっている誰の目にも明らかった。
次期将軍と目される徳川宗哀の指揮には誰も逆らわない。
それでなくても大量の大名と幕臣が処分された直後だ。
京大阪、近江での商人取り調べは厳格に進められた。
苛烈とも思われる取り調べが行われる事もあった。
商家の当主も使用人も厳しい取り調べに耐えていたのだが、新之丞が徳川吉宗と徳川宗哀に言った言葉が状況を一変させた。
「上様、執事様、全ての両替商や商人を闕所にしてしまうと、色々な問題が起きてしまいます。
御公儀の意向に逆らう当主一族や使用人を処分するのは当然ですが、御公儀の意向に従う使用人は許して、商いを続けさせた方がいいのではありませんか?」
「財産や家屋敷はどうするのだ?」
新之丞の献策に興味を持った吉宗が聞き返す。
「財産や家屋敷は御公儀が収公して罪を明らかにしなければいけません。
しかしながら、京大阪で全ての商いが滞ってしまうと、大阪で年貢米を処分している大名や旗本が困ってしまいます。
御公儀に協力した使用人に元手と家屋敷を貸し与え、商いを続けさせるのです。
それで、御公儀が貸し付けた元手の利息と家屋敷の賃料が毎年の収入となります」
「ふむ、一度試しにやってみるがよい。
民部卿に全て任せると言ったが、息子の献策なら取り上げてもかまうまい?」
吉宗の決定により、新之丞の献策が取り入れられる事になった。
主人に成り代わって大商家の当主に成れると分かった多くの使用人達が、主人を裏切って悪辣非道な取引の内幕を証言した。
これによって数多くの大商家が闕所となり、御公儀の決定に従順な元使用人を当主とする、新しい商家が現れる事になった。
特に両替商は、本両替百七十九名、南両替五百四十四名、銭屋仲間三百五十七名、合計千八十名の内、三分の二以上の七百四十九家が闕所処分となった。
特に十人両替は鴻池以下全員が闕所処分となった。
そして民部卿を執事とする。
余に何事があろうと民部卿がおる、安心せい」
「大命謹んでお受けさせていただきます」
徳川幕府の大老職は、五代将軍の徳川綱吉が堀田正俊を任命した時に、井伊、酒井(雅楽頭流宗家)、土井、堀田の四家に限定された最高職としての体裁が整った。
だがそれ以前にも、将軍を後見して国政に関与し、老中と謀議をする者が任命されていたのだ。
最初の例は大御所徳川秀忠が、松平忠明と井伊直孝の二人に、三代将軍徳川家光の後見をして国政に加われと命じた事だ。
二人は執事(大政参与)とし、幕政全般に関与するだけでなく、将軍の後見人として殿中の諸儀式や将軍家の法事や参詣の差配までも行った。
一方堀田正盛と稲葉正則の任じられた元老は、政務型の大老と言える役職で、あくまでも将軍の家臣として幕政に参加する立場だった。
この二職は、江戸に在府しなければいけないが、非常勤職で、老中の月番制・老中奉書連判・評定所の構成員としての出座は免除されていた。
柳営補任では、大政参与は『執事職』と名付けられ、大老は『元老』と名付けられていた。
武鑑では、大政参与は『御太老』、大老は『御家老』と区別されていた。
だからこそ、後の世で徳川斉昭や松平容保は大老ではなく参与に任じられたのだ。
「過去の執事と元老」
執事職(大政参与):松平忠明、井伊直孝、保科正之、榊原忠次、井伊直澄
元老(大老):堀田正盛、稲葉正則
「では民部卿、例の件、処分の続きを報告してくれ。
皆も気になっている事だろう」
本多中務大輔が老中として許し難い不忠を働いた件は、時間が経つに連れて、その全容が解明されていった。
下総古河藩五万石が改易されただけでなく、同じように札差から賂を受け取って、大岡越前守を町奉行から追い払おうとした若年寄以下の幕臣が改易された。
但し、当主や重臣は、まだ処刑されてはいなかった。
他にも一味に加わっていた者がいないか、厳しい詮議を受けていた。
もちろん元凶である江戸の両替商や札差は闕所となり、家屋敷財産は収公された。
だが当主や使用人はまだ処刑されておらず、厳しい詮議を受けていた。
「先ずは三人となってしまった老中の欠員を決めた。
西之丸老中を務めている松平能登守を本丸老中とする。
先年京都所司代を辞した牧野河内守を本丸老中とする」
執事、清水徳川宗哀の決定は、弟の大納言徳川家重を粗略には扱わないという意思表示であった。
これで本丸老中のうち二人が家重の老中だった者が務める事になった。
同席している家重も嬉しそうにしている。
「現時点の老中」
遠江浜松藩七万石の松平伊豆守信祝
上野高崎藩七万二千石の松平右京大夫輝貞
下総佐倉藩六万石の松平左近衛将監乗邑
美濃岩村藩三万石の松平能登守乗賢
丹後田辺藩三万五千石牧野河内守英成
「次に宗家がなくなってしまった本多家の件だ。
どの家が本多家の宗家か分からないのは問題である。
だからと言って、これほどの不忠を働いた家を復活されるわけにはいかない。
また、連座処分を許しただけでも特別な御温情なのに、加増するなど問題外だ。
よって、今一番石高が多く、宗家筋に近い遠江相良藩一万五千石を宗家とする」
「平八郎系本多家」
遠江相良藩一万五千石の本多越中守忠如
遠江挙母藩一万石の本多長門守忠央
播磨山崎藩一万石の本多肥後守忠辰
播磨山崎藩一万石の本多肥前守忠辰
「次に商人共への処分である。
今回の件は江戸の両替商と札差が企んだ事だが、御公儀の意に従わない商人は何処の商人であろうと許さん。
大阪の十人両替は勿論、京大阪、近江の商人も徹底的に調べ厳罰に処す。
京大阪の東西町奉行所は勿論、大阪城と二条城の大番にも加わってもらう。
必要ならば江戸から御先手組と徒士組を増援に出す事もある。
各々方、何時出陣の命があって動けるように備えよ」
「「「「「はっ」」」」」
「最後に、今回の件にも右衛門督が加わっていることが分かった。
上様の御威光を否定する等、子供として不孝、臣下として不忠の極みである。
よって、美濃郡山藩三万八千九百石金森家に流罪とする」
集まっていた多くの大名幕臣が息を飲んでいた。
次期将軍候補の中でも、最有力だった事もある田安徳川宗武が流罪となったのだ。
それも、場所こそ違え、東照神君の逆鱗に触れた松平忠輝と同じ金森家へ預けられるのだから、許される事は絶対にないと宣言しているようなものだ。
「兵部少輔、如何に上様の三男とは言え、右衛門督は上様の御威光よりも商人からの賂を優先した者だ。
決して特別扱いせず、通常の罪人として扱うように」
「はっ、厳しく監視させていただきます」
金森兵部少輔頼錦が恐懼して執事徳川宗哀の命を受けていた。
祖父の金森出雲守頼旹は、徳川綱吉の寵愛を受けて側用人にまでなったが、急に寵愛を失い、豊かな飛騨高山から貧しい出羽上山に移封させられていた。
更に出羽上山から美濃郡山に二度目の移封をさせられていたのだ。
今年七月に前当主で祖父の金森出雲守頼旹が亡くなったばかりで、まだ喪も明けていない状態で城に呼びだされた金森兵部少輔頼錦だった。
徳川宗哀が、いや、裏で宗哀に命じた吉宗がどれだけ前例に拘ったのかが分かる。
それは、宗哀、新之丞、家重の背後で嬉しそうな表情を浮かべている吉宗を見れば、誰の目にも明らかな事だった。
「主を失った田安家は、我が三男大三郎が跡を継ぐ」
これにより千代田城の勢力図が確定した。
本丸に住む徳川吉宗は将軍だから別として、三卿の内、清水家を宗哀本人が当主を務め、田安家を三男の大三郎が当主を務める。
これまで嫡男だった家重は、以前と同じように西之丸にいるが、同じ西之丸の敷地内にある吹上御殿に、皇女を正室に迎えた新之丞が住むのだ。
その新之丞は吉宗の長男である宗哀の嫡男なのだ。
誰が次期将軍となるのか、その場に集まっている誰の目にも明らかった。
次期将軍と目される徳川宗哀の指揮には誰も逆らわない。
それでなくても大量の大名と幕臣が処分された直後だ。
京大阪、近江での商人取り調べは厳格に進められた。
苛烈とも思われる取り調べが行われる事もあった。
商家の当主も使用人も厳しい取り調べに耐えていたのだが、新之丞が徳川吉宗と徳川宗哀に言った言葉が状況を一変させた。
「上様、執事様、全ての両替商や商人を闕所にしてしまうと、色々な問題が起きてしまいます。
御公儀の意向に逆らう当主一族や使用人を処分するのは当然ですが、御公儀の意向に従う使用人は許して、商いを続けさせた方がいいのではありませんか?」
「財産や家屋敷はどうするのだ?」
新之丞の献策に興味を持った吉宗が聞き返す。
「財産や家屋敷は御公儀が収公して罪を明らかにしなければいけません。
しかしながら、京大阪で全ての商いが滞ってしまうと、大阪で年貢米を処分している大名や旗本が困ってしまいます。
御公儀に協力した使用人に元手と家屋敷を貸し与え、商いを続けさせるのです。
それで、御公儀が貸し付けた元手の利息と家屋敷の賃料が毎年の収入となります」
「ふむ、一度試しにやってみるがよい。
民部卿に全て任せると言ったが、息子の献策なら取り上げてもかまうまい?」
吉宗の決定により、新之丞の献策が取り入れられる事になった。
主人に成り代わって大商家の当主に成れると分かった多くの使用人達が、主人を裏切って悪辣非道な取引の内幕を証言した。
これによって数多くの大商家が闕所となり、御公儀の決定に従順な元使用人を当主とする、新しい商家が現れる事になった。
特に両替商は、本両替百七十九名、南両替五百四十四名、銭屋仲間三百五十七名、合計千八十名の内、三分の二以上の七百四十九家が闕所処分となった。
特に十人両替は鴻池以下全員が闕所処分となった。
0
お気に入りに追加
214
あなたにおすすめの小説
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。
克全
歴史・時代
西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。
幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。
北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。
清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。
色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。
一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。
印旛沼開拓は成功するのか?
蝦夷開拓は成功するのか?
オロシャとは戦争になるのか?
蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか?
それともオロシャになるのか?
西洋帆船は導入されるのか?
幕府は開国に踏み切れるのか?
アイヌとの関係はどうなるのか?
幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
日本が危機に?第二次日露戦争
杏
歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。
なろう、カクヨムでも連載しています。
【完結】絵師の嫁取り
かずえ
歴史・時代
長屋シリーズ二作目。
第八回歴史・時代小説大賞で奨励賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
小鉢料理の店の看板娘、おふくは、背は低めで少しふくふくとした体格の十六歳。元気で明るい人気者。
ある日、昼も夜もご飯を食べに来ていた常連の客が、三日も姿を見せないことを心配して住んでいると聞いた長屋に様子を見に行ってみれば……?
第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる