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神隠し
領地の把握
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「ローゼンミュラー家は、アバーテ地区にドローンで輸送を行って、半月期でも交易が出来るようになっています」
「そうか、敵対貴族などの動きはどうなっている?」
「ローゼンミュラー家からの報告では、緊急で対応せねばならないような危険な兆候はないそうです。カール殿の体調がよくなったと言う噂が広まり、貴族たちも用心しているようでございます」
「問題はカール殿の噂がどこから広まったかだな、スパイが入り込んでいるのは間違いないだろう」
「はい、ローゼンミュラー家でも入り込んだスパイを早急に特定して排除する予定だそうです」
「そうか、問題を把握して対応しているのなら大丈夫だな、それで胡椒などの値段は維持出来ているのか?」
「残念ですが徐々に小売値段が下がっているようですが、商人たちは新たの国外に販路を開拓しているようです」
国外に持ち出したとしても、この世界が地球の過去に近いとしたら高値で売るのは無理だろう。これから胡椒でボロ儲け出来ないだろうから、出来るだけこの世界で利益率の高い商品を探さなければならない。
「そうか、まああれだけ大量の胡椒を売りに出したんだ、値崩れするのは仕方がないから当然の状況だ。一旦胡椒の供給を減らして、利益率は低いが砂糖・塩・酒の供給を増やして行こう」
「分かりました、ローゼンミュラー家には予定通りの商品に変更するように伝えて参ります」
「そうしてくれ、それであの後で人獣族たちはどうしたんだ?」
「ツェツィーリア様を中心に、騎士領と確定された領地に砦を築かれています」
「それではツェツィーリアたちは、誰を婿にするか決めたのか?」
「はい、ですがツェツィーリア様だけは閣下の側室になると仰られておられます」
「は? なにそれ?!」
「私たち人獣族たちは、サートウ家の騎士団長には閣下と人獣族の間に産まれた方に就いて頂きたいと熱望しております。ですからツェツィーリア様に閣下の側室になって頂き、庶子を設けて頂くことで話がまとまりました」
「俺は全く聞いていないが?」
「申し訳ございませんが、どうか我ら人獣族の為に御種を下さいませ!」
「いやいやいやいや! 俺はここにいるビアンカと婚約しているから!」
「ですが閣下はビアンカ様が成人されるまでは、側室を持つとローゼンミュラー家に宣言されておられるはありませんか。ローゼンミュラー家でもその事は認めてくれていますし、ここのおられるビアンカ様も納得して下さっています。それとも殿下は人獣族が御嫌いなのでしょうか? ツェツィーリア様が好みではないのでしょうか?」
「いやそうじゃない、そうっじゃないが、故国では一夫一婦制だから、故国に戻ることも考慮すると国法との兼ね合いが有るんだよ」
「ですが側室に関しては閣下自身がローゼンミュラー家に申し入れられたではありませんか、今更そのように逃げられるものではありません!」
参った!
絶体絶命のピンチだ!
幼女との婚約話から逃げる為に言った事がこのような大事を引き出すとは!
「そうか、敵対貴族などの動きはどうなっている?」
「ローゼンミュラー家からの報告では、緊急で対応せねばならないような危険な兆候はないそうです。カール殿の体調がよくなったと言う噂が広まり、貴族たちも用心しているようでございます」
「問題はカール殿の噂がどこから広まったかだな、スパイが入り込んでいるのは間違いないだろう」
「はい、ローゼンミュラー家でも入り込んだスパイを早急に特定して排除する予定だそうです」
「そうか、問題を把握して対応しているのなら大丈夫だな、それで胡椒などの値段は維持出来ているのか?」
「残念ですが徐々に小売値段が下がっているようですが、商人たちは新たの国外に販路を開拓しているようです」
国外に持ち出したとしても、この世界が地球の過去に近いとしたら高値で売るのは無理だろう。これから胡椒でボロ儲け出来ないだろうから、出来るだけこの世界で利益率の高い商品を探さなければならない。
「そうか、まああれだけ大量の胡椒を売りに出したんだ、値崩れするのは仕方がないから当然の状況だ。一旦胡椒の供給を減らして、利益率は低いが砂糖・塩・酒の供給を増やして行こう」
「分かりました、ローゼンミュラー家には予定通りの商品に変更するように伝えて参ります」
「そうしてくれ、それであの後で人獣族たちはどうしたんだ?」
「ツェツィーリア様を中心に、騎士領と確定された領地に砦を築かれています」
「それではツェツィーリアたちは、誰を婿にするか決めたのか?」
「はい、ですがツェツィーリア様だけは閣下の側室になると仰られておられます」
「は? なにそれ?!」
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「俺は全く聞いていないが?」
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「ですが閣下はビアンカ様が成人されるまでは、側室を持つとローゼンミュラー家に宣言されておられるはありませんか。ローゼンミュラー家でもその事は認めてくれていますし、ここのおられるビアンカ様も納得して下さっています。それとも殿下は人獣族が御嫌いなのでしょうか? ツェツィーリア様が好みではないのでしょうか?」
「いやそうじゃない、そうっじゃないが、故国では一夫一婦制だから、故国に戻ることも考慮すると国法との兼ね合いが有るんだよ」
「ですが側室に関しては閣下自身がローゼンミュラー家に申し入れられたではありませんか、今更そのように逃げられるものではありません!」
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