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第1章
第2話:転生直後から8年
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今度こそ死んだと思ったのに、直ぐに目が覚めた。
あれほど痛く苦しかったのが嘘のように無くなっていた。
でも、思うように身体が動かせないのは同じだった。
心臓が悪いから、強い痛み止めは打てないはずなのだけれど、僕がとても痛がったから、お父さんかお母さんが先生にお願いしてくれたのかと思った。
目が開かないのも耳が聞こえないのも、その所為だと思っていた。
ようやく目が見え始めたけれど、よく見えなくなっていた。
明るいか暗いかは分かるけれど、色が全く分からないし、何かが動いているとしか分からない。
新しい薬のお陰で痛くも苦しくもなくなったけれど、その代わり目が悪くなったのだと思っていた。
新しい薬の影響で目が悪くなり、直ぐ眠くなり、身体を上手く動かせないのだと思っていた。
聞き覚えのない声ばかり聞こえるのも、新しい薬の影響で耳も悪くなったのだと思っていた。
だけど、目が徐々に見えるようになって、これまで見たこともない場所にいて、全く知らない人に抱かれているのに気がついた。
何がどうなっているのか聞こうとしたけれど、出てくるのは泣き声ばかり。
知らない金髪の奇麗なお姉さんが抱きあげてくれて、一生懸命話しかけてくれる。
僕はこの時初めて自分の身体が赤ちゃんに戻っているのに気がついた。
最初は凄く驚いたけれど、直ぐにスマホで見た事のある転生だと分かった。
死んでしまって、お父さんやお母さん、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんに会えなくなるのは哀しい。
だけど、それ以上に生まれ変われたのがうれしかった。
スマホで見た転生が自分にも起きたら良いのにと、心から思っていたから。
また心臓が悪いのか不安になったけれど、痛くも苦しくもない!
ずっとベッドの上で生きてきたから、スマホしか楽しみがなかったから、動画やアニメを観て、マンガやラノベを読んでいた。
不幸な人が転生して幸せになる話が好きだった。
特に病弱な人が、神様に健康な身体に転生させてもらって、異世界を自由に旅する話が大好きだった。
スマホでそのアニメを見てからマンガも小説も探して読んだ。
まだ小さかったから、お父さんとお母さん、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんにも、神様にお願いして、と言ってしまった。
あれから皆が、日本中のお札やお守りを持って来てくれるようになった。
お遍路というので、四国や九州、東京や東北にまで行ってくれた。
皆が一生懸命お願いしてくれたのに、心臓も良くならないし、ドナーも見つからないし、転生もできなくて、あの時は神様も仏様もいないと思っていた。
でも、こうして記憶が残った状態で転生できたのだから、神様か仏様が僕を特別に扱ってくれたのだと分かる。
僕も12歳になっていたから、生まれ変わったら前の記憶が無くなる事くらい分かっている。
神様仏様ごめんなさい、転生は死なないとできないのが分かっていませんでした。
そうお詫びしたのが、生まれ変わって目が見えるようになった頃でした。
転生したのが分かってからは、一生懸命身体を鍛えました。
0歳児でも、アニメで観て、マンガやラノベで読んだ方法で鍛えられます。
魔法が使いたいとは思いませんが、身体は丈夫にしたいと思いました。
身体強化と書いてあった魔法は、絶対に覚えたいと思いました。
病気やケガを治す魔法も悪くはないと思います。
でも、病気になったりケガをしたりしてから治すよりは、病気にならない身体、ケガをしない身体の方が欲しいと思ったのです。
魔力と言うモノがあるのなら、魔法に使うのではなく、身体を強く丈夫にする方に使いたいと思ったのです。
だから、ラノベに書いてあった魔力器官を探しました。
0歳児から魔力器官を探して魔力で身体を強く丈夫にしようとしました。
身体の真ん中にあるチャクラと言う所に魔力を流すようにしました。
経絡と呼ばれる12の経脈 、365の絡脈、8つの奇経に魔力が流せないか、1日中色々と試しました。
僕はずっと痛くて苦しくと辛い思いをしていたから、少しでも楽になれないかと、スマホを使って色々調べていたのです。
お父さんとお母さん、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんも、色々と調べて試してくれました。
だから心臓の病気や治療法に関しては、大人が知らないような事でも知っていますが、その中には嘘も多かったです。
お灸や鍼は、熱かったり痛かったりしただけでした。
火傷したところから悪い菌が入ると、長瀬のお爺ちゃんが病院の先生に物凄く怒られていました。
先生の言う通り、前世では火傷したところから菌が入ってしまって、膿んで熱が出て死にかけてしまいましたが、転生してからは凄く役に立ちました。
身体を強く丈夫にするための魔力が物凄く増えました。
魔力は神様から与えられた物で、自分で増やせないのがこの世界の常識だと後で聞きましたが、僕は凄く増やすことができました。
経絡に魔力を流す事で、生まれてから8年間全く病気になりませんでした。
身体に魔力を流していれば、大人以上の力を出せるのも分かりました。
明日はいよいよこの世界の神様からスキルを頂ける日です。
もう十分良くして頂いていますが、更にスキルを頂けるなら遠慮しません。
もっと健康になれるスキルが頂けたらうれしいですね。
あれほど痛く苦しかったのが嘘のように無くなっていた。
でも、思うように身体が動かせないのは同じだった。
心臓が悪いから、強い痛み止めは打てないはずなのだけれど、僕がとても痛がったから、お父さんかお母さんが先生にお願いしてくれたのかと思った。
目が開かないのも耳が聞こえないのも、その所為だと思っていた。
ようやく目が見え始めたけれど、よく見えなくなっていた。
明るいか暗いかは分かるけれど、色が全く分からないし、何かが動いているとしか分からない。
新しい薬のお陰で痛くも苦しくもなくなったけれど、その代わり目が悪くなったのだと思っていた。
新しい薬の影響で目が悪くなり、直ぐ眠くなり、身体を上手く動かせないのだと思っていた。
聞き覚えのない声ばかり聞こえるのも、新しい薬の影響で耳も悪くなったのだと思っていた。
だけど、目が徐々に見えるようになって、これまで見たこともない場所にいて、全く知らない人に抱かれているのに気がついた。
何がどうなっているのか聞こうとしたけれど、出てくるのは泣き声ばかり。
知らない金髪の奇麗なお姉さんが抱きあげてくれて、一生懸命話しかけてくれる。
僕はこの時初めて自分の身体が赤ちゃんに戻っているのに気がついた。
最初は凄く驚いたけれど、直ぐにスマホで見た事のある転生だと分かった。
死んでしまって、お父さんやお母さん、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんに会えなくなるのは哀しい。
だけど、それ以上に生まれ変われたのがうれしかった。
スマホで見た転生が自分にも起きたら良いのにと、心から思っていたから。
また心臓が悪いのか不安になったけれど、痛くも苦しくもない!
ずっとベッドの上で生きてきたから、スマホしか楽しみがなかったから、動画やアニメを観て、マンガやラノベを読んでいた。
不幸な人が転生して幸せになる話が好きだった。
特に病弱な人が、神様に健康な身体に転生させてもらって、異世界を自由に旅する話が大好きだった。
スマホでそのアニメを見てからマンガも小説も探して読んだ。
まだ小さかったから、お父さんとお母さん、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんにも、神様にお願いして、と言ってしまった。
あれから皆が、日本中のお札やお守りを持って来てくれるようになった。
お遍路というので、四国や九州、東京や東北にまで行ってくれた。
皆が一生懸命お願いしてくれたのに、心臓も良くならないし、ドナーも見つからないし、転生もできなくて、あの時は神様も仏様もいないと思っていた。
でも、こうして記憶が残った状態で転生できたのだから、神様か仏様が僕を特別に扱ってくれたのだと分かる。
僕も12歳になっていたから、生まれ変わったら前の記憶が無くなる事くらい分かっている。
神様仏様ごめんなさい、転生は死なないとできないのが分かっていませんでした。
そうお詫びしたのが、生まれ変わって目が見えるようになった頃でした。
転生したのが分かってからは、一生懸命身体を鍛えました。
0歳児でも、アニメで観て、マンガやラノベで読んだ方法で鍛えられます。
魔法が使いたいとは思いませんが、身体は丈夫にしたいと思いました。
身体強化と書いてあった魔法は、絶対に覚えたいと思いました。
病気やケガを治す魔法も悪くはないと思います。
でも、病気になったりケガをしたりしてから治すよりは、病気にならない身体、ケガをしない身体の方が欲しいと思ったのです。
魔力と言うモノがあるのなら、魔法に使うのではなく、身体を強く丈夫にする方に使いたいと思ったのです。
だから、ラノベに書いてあった魔力器官を探しました。
0歳児から魔力器官を探して魔力で身体を強く丈夫にしようとしました。
身体の真ん中にあるチャクラと言う所に魔力を流すようにしました。
経絡と呼ばれる12の経脈 、365の絡脈、8つの奇経に魔力が流せないか、1日中色々と試しました。
僕はずっと痛くて苦しくと辛い思いをしていたから、少しでも楽になれないかと、スマホを使って色々調べていたのです。
お父さんとお母さん、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんも、色々と調べて試してくれました。
だから心臓の病気や治療法に関しては、大人が知らないような事でも知っていますが、その中には嘘も多かったです。
お灸や鍼は、熱かったり痛かったりしただけでした。
火傷したところから悪い菌が入ると、長瀬のお爺ちゃんが病院の先生に物凄く怒られていました。
先生の言う通り、前世では火傷したところから菌が入ってしまって、膿んで熱が出て死にかけてしまいましたが、転生してからは凄く役に立ちました。
身体を強く丈夫にするための魔力が物凄く増えました。
魔力は神様から与えられた物で、自分で増やせないのがこの世界の常識だと後で聞きましたが、僕は凄く増やすことができました。
経絡に魔力を流す事で、生まれてから8年間全く病気になりませんでした。
身体に魔力を流していれば、大人以上の力を出せるのも分かりました。
明日はいよいよこの世界の神様からスキルを頂ける日です。
もう十分良くして頂いていますが、更にスキルを頂けるなら遠慮しません。
もっと健康になれるスキルが頂けたらうれしいですね。
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