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第一章
第30話:戦闘
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聖歴1216年4月6日:エドゥアル視点
「エリア・ウルトラ・ホーリー・ウォーター・フロウ!」
などと恥ずかしい呪文を叫んだりはしない。
心の中でイメージして魔力を現象に具現化させるだけだ。
クロエや魔術師たちが放った禍々しい黒い炎を浄化させる水流を創りだす。
東洋医学とアーユルヴェーダと西洋医学の知識をこの世界の理に取り込むことで、俺だけが創りだせるようになった膨大な魔力。
「「「「「「ギャアアアアア」」」」」
その膨大な魔力を、亜空間だとイメージする事で余すことなくチャクラに蓄えた。
第1のチャクラ、会陰にあるムーラーダーラ・チャクラに蓄えてあった魔力の半分を使って、聖なる水流を創り出して放ったのだ。
クロエや魔術師たちに防げるような魔術ではない。
即死せずに悲鳴をあげられただけで、クロエたちが強くなっていたのが分かる。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、前座の無能を斃したくらいでいい気になるのではありませんよ、偽者の勇者エドゥアル。
召喚聖者の生まれ変わりで、本当に勇者でもあるわたくし、ルイーズの使い魔に殺される事を光栄に思いなさい」
今度もまた不意にルイーズが大闘技場の上空に現れた。
しかも鼻が曲がりそうなほどの悪臭を放つ、腐ったドラゴンと一緒にだ。
しかもそのドラゴンからは、ポタポタと腐水がしたたり落ちている。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、我が聖なる従竜アレイクよ。
偽者の勇者エドゥアルと、わたくしの国を盗んでいた王を退治しなさい」
あんな悪臭プンプンの腐ったドラゴンを本気で聖なる竜だと思っているのか?
頭が悪いのか、それとも自分に都合よくしか考えられない身勝手なのか?
うん、両方だな、両方なければここまで愚かで身勝手な言動はできない。
「エリア・ウルトラ・ホーリー・ウォーター・フロウ!」などとは今回も口にはしないで、創造力だけで聖なる水流を創りだす。
創りだした聖なる水流で、腐った竜の汚水が大闘技場に落ちてこないようにする。
どう考えても、並の人間があれに触れたらただでは済まない。
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
またも俺に気配を察知されることなく敵対するモノが現れていた。
大闘技場のあらゆる場所に、腐った人間とモンスターがいるのだ。
新たに創った腐ったドラゴンに対する聖なる水流の壁だけでなく、クロエたちの放った禍々しい炎を防ぐために創ってあった、聖なる水流の壁も超えてだ。
国王や貴族、人の不幸を娯楽にしていた人々が腐ったモノたちに襲われている。
(子供たちは妾にまかせるのじゃ。
エドゥアルは敵にだけ集中すればいいのじゃ)
ゴッドドラゴンのラファエルがいい仕事をしてくれた。
上位神や管理神に備えるのではなく、子供たちを助けてくれた。
これで子供たちの心配をしないで、前だけを向いて戦う事ができる。
ああ、あとで良心が痛まないように、襲われている王都の人々にも、最低限の手助けだけはしておこう。
「ギヨーム、聖なる水流で壁を作って護ってやる。
選手控室に行って娘たちと合流しろ。
娘たちは俺の家族と一緒に相棒が護っている」
残念な事だが、すべての人々を助けられたわけではない。
だが国王や貴族、性根の腐った連中を助けられなかった事に罪悪感はない。
騎士や戦士が自分を護れずに死んだ事は自業自得だ。
協力関係にあるアキテーヌ公爵と、その家臣や家人を見殺しにするのは多少は良心が痛むし、何の罪も犯していないかもしれない人々を見殺しにするのも良心が痛む。
「ありがとう、ここにいても足手まといにしかならないから、言い訳しないで逃げさせてもらうよ、本当にありがとう、エドゥアル」
アキテーヌ公爵ギヨームはそう言って大闘技場の貴族席から逃げて行った。
家臣や家人はギヨームを護るように前後左右を固めている。
俺はギヨームだけでなく、家臣や家人を護るための聖なる水流の壁を創っている。
彼らはギヨームと一緒にいる俺にも食事やお茶の世話をしてくれた。
王都のアキテーヌ公爵屋敷では、子供たちの世話もしてくれていた。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、その程度の水壁で、わたくしの聖なる従竜アレイクの攻撃を防げると思っているのなら、愚かすぎましてよ、偽者の勇者エドゥアル」
ルイーズは本気で言っているのだろうか。
先ほどから何度も腐ったドラゴンに禍々しい瘴気のブレスを放たせているが、その全てを俺の創りだした聖なる水流の壁に防がれているだぞ。
確かに、ブレスが放たれるたびに俺の魔力は消費させられている。
だが、消費させられている魔力は俺の生産魔力量よりも少ないのだぞ。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、わたくしの聖なる従竜アレイクの力を思い知ったかしら、偽者の勇者エドゥアル。
召喚聖者の生まれ変わりであり本当の勇者でもあるわたくしが、今から直々に止めをしてあげます、光栄に思いなさい」
ルイーズはそう言い放つと腐ったドラゴンを操って突っ込んで来た。
俺との実力差が全く分かっていないのだろうか?
自分が操っていた腐ったモノたちが浄化消滅させられているのに、本気で聖なる水流の壁を腐ったドラゴンが突き破れると思っているのだろうか?
もしかしたら、不意に現れたように、聖なる水流の壁を飛び越えられるのか?
グッワッシャアアアアア。
「ギャアアアアア」
とても耳障り悲鳴をあげながらルイーズが消えて行く。
姿形は人間に見えていたが、すでに腐っていたようだ。
巨大な腐ったドラゴンは浄化消滅させるのには時間がかかるが、聖なる水流の壁を突破するほどの力はないようで、流れをえがく聖なる水流の中で徐々に小さくなっているから、それほど時間をかけずに消えてなくなるだろう。
(ラファエル、ガブリエルたちは斃した。
そちらはどうなっている)
(特に何事もない、いたって平穏なのじゃ。
聖なるブレスを使う必要もなく、エドゥアルが教えてくれた聖なる炎を創りだす魔術を少し展開させるだけで、腐ったモノたちは消滅したのじゃ)
(そうか、だったら子供たちを連れてこちらに合流してくれ。
王も貴族も馬上槍試合の出場者もみんな死んでしまった。
もうこれ以上ここにいる必要はない。
子供たちを孤児院に連れて帰って休ませる)
(わかった、妾もその方がいいと思うのじゃ。
だったら、アキテーヌ公爵たちともここで分かれるのか?)
(そうだな、分かれてもいいのだが、慈母竜をどうするかを話し合った方がいいな。
俺としては、人間には分不相応な力を持った慈母竜は退化させて元の愛玩竜に戻したいのだが、人間はともかく慈母竜たちの気持ちを無視するのは嫌だからな)
(妾も、できる事なら元の弱くて愚かな愛玩竜のは戻したくないのじゃ。
他国を支配するような戦争に慈母竜を使わない事を約束させて、強く賢い慈母竜のままにしておいてやって欲しいのじゃ)
(分かった、基本はその方針でいい。
俺とラファエルが少し本気でおどせば、アキテーヌ公爵たちも素直に言う事を聞くだろうし、慈母竜たちはラファエルの言う通りにするだろう)
ギャバババババ!
虹色に光り輝く圧倒的な魔力が俺に向かってきた。
用心して展開したままにしていた、聖なる水流の壁を吹き飛ばす勢いだ。
一瞬で第3のチャクラ、臍のあたりにあるマニプーラ・チャクラの蓄えあった魔力の半分が消費されてしまった。
それでも虹色に光り輝く魔力の攻撃を防ぎきれない。
エリア・ウルトラ・ホーリー・アース・ウォール!
俺は、他の聖なる水流の壁も一瞬で突き破られると判断した。
第4のチャクラ、胸にあるアナーハタ・チャクラに蓄えてある魔力を使っても、虹色に光り輝く魔力の攻撃を防ぎきれないと判断したのだ。
敵の攻撃を防ぐには、同じ魔力量でも土の属性が効果的だと判断した。
だから、新たな魔術を展開しようとしたのだが、残念ながら間に合わなかった。
「エリア・ウルトラ・ホーリー・ウォーター・フロウ!」
などと恥ずかしい呪文を叫んだりはしない。
心の中でイメージして魔力を現象に具現化させるだけだ。
クロエや魔術師たちが放った禍々しい黒い炎を浄化させる水流を創りだす。
東洋医学とアーユルヴェーダと西洋医学の知識をこの世界の理に取り込むことで、俺だけが創りだせるようになった膨大な魔力。
「「「「「「ギャアアアアア」」」」」
その膨大な魔力を、亜空間だとイメージする事で余すことなくチャクラに蓄えた。
第1のチャクラ、会陰にあるムーラーダーラ・チャクラに蓄えてあった魔力の半分を使って、聖なる水流を創り出して放ったのだ。
クロエや魔術師たちに防げるような魔術ではない。
即死せずに悲鳴をあげられただけで、クロエたちが強くなっていたのが分かる。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、前座の無能を斃したくらいでいい気になるのではありませんよ、偽者の勇者エドゥアル。
召喚聖者の生まれ変わりで、本当に勇者でもあるわたくし、ルイーズの使い魔に殺される事を光栄に思いなさい」
今度もまた不意にルイーズが大闘技場の上空に現れた。
しかも鼻が曲がりそうなほどの悪臭を放つ、腐ったドラゴンと一緒にだ。
しかもそのドラゴンからは、ポタポタと腐水がしたたり落ちている。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、我が聖なる従竜アレイクよ。
偽者の勇者エドゥアルと、わたくしの国を盗んでいた王を退治しなさい」
あんな悪臭プンプンの腐ったドラゴンを本気で聖なる竜だと思っているのか?
頭が悪いのか、それとも自分に都合よくしか考えられない身勝手なのか?
うん、両方だな、両方なければここまで愚かで身勝手な言動はできない。
「エリア・ウルトラ・ホーリー・ウォーター・フロウ!」などとは今回も口にはしないで、創造力だけで聖なる水流を創りだす。
創りだした聖なる水流で、腐った竜の汚水が大闘技場に落ちてこないようにする。
どう考えても、並の人間があれに触れたらただでは済まない。
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
またも俺に気配を察知されることなく敵対するモノが現れていた。
大闘技場のあらゆる場所に、腐った人間とモンスターがいるのだ。
新たに創った腐ったドラゴンに対する聖なる水流の壁だけでなく、クロエたちの放った禍々しい炎を防ぐために創ってあった、聖なる水流の壁も超えてだ。
国王や貴族、人の不幸を娯楽にしていた人々が腐ったモノたちに襲われている。
(子供たちは妾にまかせるのじゃ。
エドゥアルは敵にだけ集中すればいいのじゃ)
ゴッドドラゴンのラファエルがいい仕事をしてくれた。
上位神や管理神に備えるのではなく、子供たちを助けてくれた。
これで子供たちの心配をしないで、前だけを向いて戦う事ができる。
ああ、あとで良心が痛まないように、襲われている王都の人々にも、最低限の手助けだけはしておこう。
「ギヨーム、聖なる水流で壁を作って護ってやる。
選手控室に行って娘たちと合流しろ。
娘たちは俺の家族と一緒に相棒が護っている」
残念な事だが、すべての人々を助けられたわけではない。
だが国王や貴族、性根の腐った連中を助けられなかった事に罪悪感はない。
騎士や戦士が自分を護れずに死んだ事は自業自得だ。
協力関係にあるアキテーヌ公爵と、その家臣や家人を見殺しにするのは多少は良心が痛むし、何の罪も犯していないかもしれない人々を見殺しにするのも良心が痛む。
「ありがとう、ここにいても足手まといにしかならないから、言い訳しないで逃げさせてもらうよ、本当にありがとう、エドゥアル」
アキテーヌ公爵ギヨームはそう言って大闘技場の貴族席から逃げて行った。
家臣や家人はギヨームを護るように前後左右を固めている。
俺はギヨームだけでなく、家臣や家人を護るための聖なる水流の壁を創っている。
彼らはギヨームと一緒にいる俺にも食事やお茶の世話をしてくれた。
王都のアキテーヌ公爵屋敷では、子供たちの世話もしてくれていた。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、その程度の水壁で、わたくしの聖なる従竜アレイクの攻撃を防げると思っているのなら、愚かすぎましてよ、偽者の勇者エドゥアル」
ルイーズは本気で言っているのだろうか。
先ほどから何度も腐ったドラゴンに禍々しい瘴気のブレスを放たせているが、その全てを俺の創りだした聖なる水流の壁に防がれているだぞ。
確かに、ブレスが放たれるたびに俺の魔力は消費させられている。
だが、消費させられている魔力は俺の生産魔力量よりも少ないのだぞ。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、わたくしの聖なる従竜アレイクの力を思い知ったかしら、偽者の勇者エドゥアル。
召喚聖者の生まれ変わりであり本当の勇者でもあるわたくしが、今から直々に止めをしてあげます、光栄に思いなさい」
ルイーズはそう言い放つと腐ったドラゴンを操って突っ込んで来た。
俺との実力差が全く分かっていないのだろうか?
自分が操っていた腐ったモノたちが浄化消滅させられているのに、本気で聖なる水流の壁を腐ったドラゴンが突き破れると思っているのだろうか?
もしかしたら、不意に現れたように、聖なる水流の壁を飛び越えられるのか?
グッワッシャアアアアア。
「ギャアアアアア」
とても耳障り悲鳴をあげながらルイーズが消えて行く。
姿形は人間に見えていたが、すでに腐っていたようだ。
巨大な腐ったドラゴンは浄化消滅させるのには時間がかかるが、聖なる水流の壁を突破するほどの力はないようで、流れをえがく聖なる水流の中で徐々に小さくなっているから、それほど時間をかけずに消えてなくなるだろう。
(ラファエル、ガブリエルたちは斃した。
そちらはどうなっている)
(特に何事もない、いたって平穏なのじゃ。
聖なるブレスを使う必要もなく、エドゥアルが教えてくれた聖なる炎を創りだす魔術を少し展開させるだけで、腐ったモノたちは消滅したのじゃ)
(そうか、だったら子供たちを連れてこちらに合流してくれ。
王も貴族も馬上槍試合の出場者もみんな死んでしまった。
もうこれ以上ここにいる必要はない。
子供たちを孤児院に連れて帰って休ませる)
(わかった、妾もその方がいいと思うのじゃ。
だったら、アキテーヌ公爵たちともここで分かれるのか?)
(そうだな、分かれてもいいのだが、慈母竜をどうするかを話し合った方がいいな。
俺としては、人間には分不相応な力を持った慈母竜は退化させて元の愛玩竜に戻したいのだが、人間はともかく慈母竜たちの気持ちを無視するのは嫌だからな)
(妾も、できる事なら元の弱くて愚かな愛玩竜のは戻したくないのじゃ。
他国を支配するような戦争に慈母竜を使わない事を約束させて、強く賢い慈母竜のままにしておいてやって欲しいのじゃ)
(分かった、基本はその方針でいい。
俺とラファエルが少し本気でおどせば、アキテーヌ公爵たちも素直に言う事を聞くだろうし、慈母竜たちはラファエルの言う通りにするだろう)
ギャバババババ!
虹色に光り輝く圧倒的な魔力が俺に向かってきた。
用心して展開したままにしていた、聖なる水流の壁を吹き飛ばす勢いだ。
一瞬で第3のチャクラ、臍のあたりにあるマニプーラ・チャクラの蓄えあった魔力の半分が消費されてしまった。
それでも虹色に光り輝く魔力の攻撃を防ぎきれない。
エリア・ウルトラ・ホーリー・アース・ウォール!
俺は、他の聖なる水流の壁も一瞬で突き破られると判断した。
第4のチャクラ、胸にあるアナーハタ・チャクラに蓄えてある魔力を使っても、虹色に光り輝く魔力の攻撃を防ぎきれないと判断したのだ。
敵の攻撃を防ぐには、同じ魔力量でも土の属性が効果的だと判断した。
だから、新たな魔術を展開しようとしたのだが、残念ながら間に合わなかった。
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