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女装

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 何と言っても、ガビには負担をかけている。
 国を預かると言う事が、どれほど大変かは、一応王族に生れているので、十分理解出来る。
 余の頼みだから、仕方なく引き受けてくれたのだろう。
 余がガビ以外の女性に心惹かれる事などないが、心配だと言うのなら、気を配る必要がある。
 だからと言って、女装などしたくない。
「そうではありません。ルイ様の女装が見たくない訳ではありませんが、それではルイ様の威厳に係わります」
「ならばどうしろというのだい」
「魔法で変化して頂くか、幻惑していただきたいのです」
「見た目だけ女になるのではなく、完全に女に変身するか、女になった幻を見せろと言うのか」
「はい。そうして頂ければ、私も安心出来ます」
 やれやれ。
 見たくない訳ではないと言うのは、少々気になる発言だが、絶対に女装しろと言うわけではないのだな。
「だったら、明日から幻覚魔法を使って女変装するから、それならいいだろう」
「はい。ですが、女に見せているからと言って、若い女と近づき過ぎないでください」
「分かっているよ」
「本当でございますね」
「本当だよ」
 誰が見ても女性に見えるように、少々強力な幻覚魔法を自分自身にかけて、川を創り出し開墾も進めた。
 開墾した耕作地に移民を送り込み、一度だけは魔法の力で収穫させた。
 移民させた人々の家は、土魔法を使って創り出した。
 家畜小屋も併設して、農耕用と販売用の家畜も飼えるようにした。
 もちろん多少の果樹も植えてやった。
 水田の場合は、米を一度収穫させって、更にライグラスを収穫させて、家畜用の牧草とした。
 稲を収穫した時の藁と、精米した時に出る糠を、餌として与えることが出来るが、ライグラスの方が家畜は喜ぶだろう。
 畑の場合は、小麦を一度収穫してから、ライグラスなどの地力を回復させる性質を持った栽培牧草と、家畜飼料となるカブやジャガイモをローテーションを組んで収穫した。
 家畜は、魔境から最弱の銅級魔獣や魔蟲を捕獲してきて、牙や爪などの武器になる身体を切除して、今迄民が飼育していなかった、新しい家畜を創り出す事にした。
 多少の危険はあるが、販売価格と繁殖力を考えれば、利益の上がる家畜になるだろう。
 魔境から連れ出したので、数代で普通の獣や虫に変化するだろうが、そうなったらなったで、安心して飼う事が出来る。
 販売価格は安くなるだろうが、従順になって飼いやすくなるから、一長一短だ。
 問題なのは、女に見せかけているのに、多くの若い女性が集まってきた事だ。
 これでは、またガビに叱られてしまう。
 もちろん若い男の方がたくさん集まっていたが、若い女も少なからず集まってしまった。
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