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ルイとダイの問答

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 ダインジョンと話を終えたダイは、ルイにダンジョンを見張ってもらい、自分一人で古竜退治に向かうつもりだったのだが、それをルイに止められてしまった。
「ダンジョンを家臣にするのは私ですよ。私が古竜と戦って実力を示さないと、何の意味もないではありませんか」
「それは違います。私は若様の家臣ですから、私がダンジョンや古竜を降せば、それは若様が降したのと同じでございます」
「いえ、それは違いますよ、ダイ。ダイはミカサ公爵家の家臣であって私の家臣ではありません」
「若様は公女殿下の婚約者、我が主君も同じでございます」
「そうです。まだ婚約者なのです。正式に婚儀を結ぶまでは、家臣ではないのです」
「しかし若様を危険な目にあわせるわけにはいきません」
「ダイは私が古竜に負けると言うのですか?」
「いえ! 決してそのような事は思っておりません。若様が古竜ごときに負けるはずがありません!」
「だったら行かせてください。せっかく気ままな旅に出たのに、いつもダイに護られていては、旅に出た愉しみが半減してしまいます」
「それは高貴な身分に生まれた方の宿命でございます」
「その宿命を、今回は外して欲しいのですよ」
「しかし若様」
「大丈夫ですよ。私は古竜に負けたりしませんよ」
「それは、分かっているのですが、公女殿下からくれぐれも危険に近づけさせないでくれと、命じられているのです」
「ではもう一度聞きますが、私が古竜と戦う事が危険だと思っているのですか? 私が古竜に劣るとダイは考えているのですか?」
「違います! さきほども申しましたが、若様が古竜に負けるなどとは、かけらも思っておりません!」
「だったら危険な事をするわけではありませんから、ダイがガビの命に背いた事にはなりませんね」
「若様~! 公女殿下の若様への想いは、そのような正論が通じるようなモノではないのですよ。私を助けると思って、ここは私に行かせてくださいよ」
「ダイともあろう者が、そのような情けない事を言うモノではありませんよ」
「若様はそう申されますが、悋気を出された公女殿下は、それは怖いのですよ!」
「いいことを聞きました。ダイがそのように言っていたと、使い魔に伝えさせましょう」
「わかさま!」
「冗談ですよ。だったらこうしましょう。ダンジョン本体も一緒に、古竜の所までついてきてもらいましょう。そうすればダイがいつでも助力できるではありませんか」
「しかたありませんね。せめて私の前で戦ってくださるのなら、いつでも助力できますから、王女殿下にも申し開きできるかもしれません。ダンジョン! 否やは言わせません! 一緒に来てもらいます!」
 こうしてルイとダイは、ダンジョン本体を拉致するようにして、一緒に古竜が潜むダンジョン最奥まで行くことになった。
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