大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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麻痺と眠りの魔法

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「よいか者共、敵であろうと傷つける事は許さん!」
「「「「「は!」」」」」
「川の向こう側は、ミカサ公爵軍がすでに確保して、市民が安心して暮らせる状態にしている。万が一そこに入り込んで乱暴狼藉を働いたら、あのミカサ公爵軍が敵に回ると思え」
「「「「「は!」」」」」
「そんなことになったら、我も国王陛下もかばうどころか、先頭に立って成敗するからな!」
「「「「「は!」」」」」
「万が一上官や主君が川向うに渡れと言っても、決して言う事を聞くのじゃない」
「「「「「は!」」」」」
「そのような者は王家と王国に対する反逆者である。その場で捕縛する事が忠義と心得よ」
「「「「「は!」」」」」
「では我が麻痺魔法と眠りの魔法で敵軍を動けなくする。号令がかかりしだい捕縛せよ!」
「「「「「は!」」」」」
 ベルト王国のフィン王国侵攻軍総大将となったオットー王太子は、自身の膨大な魔力の半分を使い、国境線でにらみ合っていたフィン王国軍将兵を動けなくしてしまった。
 オットー王太子に侵攻を決断させたのは、やはりルイとダイの行った独立国設立の動きだった。
 妖精族の女王:ソフィー陛下の助力を得たルイとダイは、フィン王国中央部から獣人山岳地帯にかけて、その地を治めている貴族や代官に麻痺魔法と眠りの魔法をかけて無力化した。
 そして驚きとまどう良民たちには、伝説の妖精族に話しかけてもらって安心させ、貴族や代官や彼らに服属する者たちを、縄で縛るように説得してもらったのだ。
 だが中には、この機会を利用して悪事を働こうとした者もいたのだが、そのような者は妖精族の強烈ないたずらを受けることになり、幻覚魔法をかけられて肥溜めに落とされ、クソまみれになるのだった。
 そして良民たちが確保した地域は、ミカサ公爵家が占領した地域と言う事にされ、オーランド王国軍はもちろんベル王家もうかつに手が出せない地域となった。
 さらにルイとダイは、妖精族の協力で積極的に動くようになった良民で自警団を組織して、オーランド王国が侵攻してきた地域に向かった。
 多くの貴族や代官がオーランド王国に寝返り、国境線を大きく後退させたフィン王国軍だが、何とか川を挟んでオーランド王国軍とにらみ合っていた。
 だがそこにルイとダイが現れ、圧倒的な魔力で両軍に麻痺魔法と眠りの魔法をかけ、両軍ともに無力化するのであった。
 動けなくなった両軍が倒れている場所に、妖精族に導かれた自警団が現れ、両軍の将兵を縄で縛って無力化していくのであった。
そして寝返り組や悪意のある者たちが分けられ、無理矢理徴兵された者たちを妖精族が導くのだった。


妖精
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