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盗賊団
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「おい! 命が惜しかった金も装備も全て置いていけ」
「女もだ! 女も置いていくんだぞ!」
「そこの姉ちゃんも無駄な抵抗などせず、俺たち愉しませるんだ。そうすれば楽しんだ後で、殺さずに娼館に売ってやる」
「「「「「ぐふぇふぇふぇふぇふぇ」」」」」
下品な笑い声を上げながら、いやらしい顔をした盗賊たちがオリビアをねめまわす。
ルイとダイは、ずいぶん前から盗賊たちが待ち伏せしているのに気が付いていたのだが、盗賊の五百や千が相手でも、負けることが無いと確信しているので気にも留めていなかった。
むしろ罪のない旅人がこれから困ることの無いように、積極的に退治しようと思っているくらいだった。
だが、おかしいというか、やはりというか、フィン王国からオーランド王国に行くには必ず通らなければいけない街道に、このように大規模な盗賊団が活動しているのは裏がある。
フィン王国が真っ当な交易で税を手に入れようと思えば、街道の安全を確保して商人が移動しやすくしなければいけない。
このように盗賊団を野放しにしていたら、商人が国に来なくなり、税金を手に入れられなくなるのだ。
だがこれが以前と同じように、盗賊に偽装した軍隊であるのなら、国の事など考えずに略奪をしようとするだろう。
まあルイもダイも、相手が盗賊であろうと軍隊であろうと関係がなく、たんに善良な人々に害をなすなら殺してしまうという考えだった。
「男爵閣下! あれは魔獣ではありませんか?! 隊商の中に魔獣使いがいるんじゃありませんか?」
「恐れるんじゃない! 魔獣を捕獲して使役できれば、これからもっともっと稼げるぞ! 魔獣を捕まえた者には、分け前以外に特別に褒美を与えるから恐れずにかかれ。どうしても生け捕りできないなら殺してしまえ!」
「ウォー」
オリビアが雄叫びをあげて盗賊団の中に突っ込んでいった!
オリビアは修練で何度も何度もクリューサーオールの背に乗せてもらっており、普段から率先してクリューサーオールの世話を買って出るくらい可愛がっていたので、クリューサーオールとペーガソスを殺すという言葉に激怒したのだ。
ルイとダイは男爵閣下という言葉を聞いて、相手が国軍の将軍か領主だと確信した。
家名など気にしなかったが、フィン王国のオーランド王国国境線は、男爵領だと聞いていたので、その男爵が盗賊に偽装して襲ってきているのだと判断したのだ。
ただ街道が通る国境線を預かっているので、国軍を預かる将軍を兼任している可能性もあり、その場合はそれなりの武人である可能性もあった。
だが一流の武人が預かる部隊にしては、オリビアに一方的に叩き殺される姿は弱すぎる。
いや、白金級冒険者の実力を持つオリビアに対抗できる者は、訓練の行き届いた軍隊にも滅多にいないだろう。
隊商を守る他の護衛は馬車の側を離れないので、オリビア一人だけが盗賊団の真ん中に突撃し、男爵と呼ばれた指揮官に向かって一直線に駆けている。
男爵を守ろうと、大柄な兵がバルバードを振りかざしてオリビアに向かっていくが、その斬撃の速さはオリビアと比べると遅すぎるので、討ち合う事もできずに一方的に叩き殺されていた。
ところが男爵の後ろを護っていた巨体の兵が、先の兵とは比べ物にならないくらいの速さで槍を突き出しオリビアの斬撃を食い止めた!
狂戦士:ギース
「女もだ! 女も置いていくんだぞ!」
「そこの姉ちゃんも無駄な抵抗などせず、俺たち愉しませるんだ。そうすれば楽しんだ後で、殺さずに娼館に売ってやる」
「「「「「ぐふぇふぇふぇふぇふぇ」」」」」
下品な笑い声を上げながら、いやらしい顔をした盗賊たちがオリビアをねめまわす。
ルイとダイは、ずいぶん前から盗賊たちが待ち伏せしているのに気が付いていたのだが、盗賊の五百や千が相手でも、負けることが無いと確信しているので気にも留めていなかった。
むしろ罪のない旅人がこれから困ることの無いように、積極的に退治しようと思っているくらいだった。
だが、おかしいというか、やはりというか、フィン王国からオーランド王国に行くには必ず通らなければいけない街道に、このように大規模な盗賊団が活動しているのは裏がある。
フィン王国が真っ当な交易で税を手に入れようと思えば、街道の安全を確保して商人が移動しやすくしなければいけない。
このように盗賊団を野放しにしていたら、商人が国に来なくなり、税金を手に入れられなくなるのだ。
だがこれが以前と同じように、盗賊に偽装した軍隊であるのなら、国の事など考えずに略奪をしようとするだろう。
まあルイもダイも、相手が盗賊であろうと軍隊であろうと関係がなく、たんに善良な人々に害をなすなら殺してしまうという考えだった。
「男爵閣下! あれは魔獣ではありませんか?! 隊商の中に魔獣使いがいるんじゃありませんか?」
「恐れるんじゃない! 魔獣を捕獲して使役できれば、これからもっともっと稼げるぞ! 魔獣を捕まえた者には、分け前以外に特別に褒美を与えるから恐れずにかかれ。どうしても生け捕りできないなら殺してしまえ!」
「ウォー」
オリビアが雄叫びをあげて盗賊団の中に突っ込んでいった!
オリビアは修練で何度も何度もクリューサーオールの背に乗せてもらっており、普段から率先してクリューサーオールの世話を買って出るくらい可愛がっていたので、クリューサーオールとペーガソスを殺すという言葉に激怒したのだ。
ルイとダイは男爵閣下という言葉を聞いて、相手が国軍の将軍か領主だと確信した。
家名など気にしなかったが、フィン王国のオーランド王国国境線は、男爵領だと聞いていたので、その男爵が盗賊に偽装して襲ってきているのだと判断したのだ。
ただ街道が通る国境線を預かっているので、国軍を預かる将軍を兼任している可能性もあり、その場合はそれなりの武人である可能性もあった。
だが一流の武人が預かる部隊にしては、オリビアに一方的に叩き殺される姿は弱すぎる。
いや、白金級冒険者の実力を持つオリビアに対抗できる者は、訓練の行き届いた軍隊にも滅多にいないだろう。
隊商を守る他の護衛は馬車の側を離れないので、オリビア一人だけが盗賊団の真ん中に突撃し、男爵と呼ばれた指揮官に向かって一直線に駆けている。
男爵を守ろうと、大柄な兵がバルバードを振りかざしてオリビアに向かっていくが、その斬撃の速さはオリビアと比べると遅すぎるので、討ち合う事もできずに一方的に叩き殺されていた。
ところが男爵の後ろを護っていた巨体の兵が、先の兵とは比べ物にならないくらいの速さで槍を突き出しオリビアの斬撃を食い止めた!
狂戦士:ギース
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