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第一章
第1話:勇者パーティー追放
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「カエサル、今日でお前はお払い箱、追放だ。
今日までは勇者パーティーに相応しい人材がいなかったから、荷物持ちを兼ねてメンバーに入れてやっていたが、やっといい魔法使いが見つかった。
お前のような、中途半端な補助魔法しか使えない役立たずは不用だ。
とっとと出て行け」
ついにこの時が来たか。
いつかは追放されると思っていたが、思っていたよりは長くいられた。
前世の知識を使って膨大な魔力を手に入れてしまって、その力を上手く制御できなかったのと、目立つのが嫌で補助魔法に徹いていたからね。
勇者らしい派手な活躍が好きな、目立ちたがりのフィロイから見れば、俺は影の薄い役立たずなのだろう。
「お世話になりました」
「ふん、本当に、無能な人間の尻拭いは大変だったわ」
偽聖女のネスエナらしい嫌味な言い方だ。
神殿で高い地位にあるという父親の後押しで、大した才能もないのに聖女の肩書をもらった高慢な女らしい、人を傷つける言い方だ。
俺の補助魔法なしで、効果的な治癒魔法が使えるかな。
今までと同じような心算でダンジョンに潜ったら、痛い目に合うぞ。
まあ、もう知った事ではない。
「ああ、そうだ、お前のミスでパーティーが危機に陥った、それが追放の理由だから、今までのようにA級冒険者は名乗れないぞ。
二階級降格のC級冒険者になるから、他所に移るのも苦労するだろうぜ。
ワッハハハハ、アッハッハッハ」
どうやらフィロイは自分の判断ミスを俺のせいにしたいようだ。
俺は目立ちたいとは思っていないから、C級冒険者で十分だ。
レベルの合わない冒険者と組んでも気を使うだけだし、もともと前世では人嫌いで限られた人間としか付き合いはなかった。
異世界に転生しても、前世の記憶があるせいか、性格もあまり変わっていない。
ようやく膨大な魔力の制御もできるようになってきたから、ソロでいいだろう。
「そうか、俺はミスしたつもりはないが、多数決で勝てるとは思っていない。
ギルドでは抗弁する心算だが、お前達の意見が通るだろうな」
「あぁあ、お前達だと、役立たずの屑の分際で、俺様をお前呼ばわりだと。
なんならこの場で斬り殺して、ダンジョンに捨ててやってもいいんだぞ」
脅し、ではないな、本気で俺を殺して密かに処分する心算だ。
そうなると、俺も本気を出さないといけなくなるな。
争いごとは嫌いだし、まだ魔力全力攻撃は制御できないから、パーティー全員を巻き込んで皆殺しにしてしまいそうだが、仲間のだから連帯責任で諦めてもらおう。
「まあ、まあ、まあ、待てってくださいな。
私との入れ替わりでも揉めるのは気がひけてしまいますわ。
普通に話し合って脱退した事にすればいいではありませんか。
だって、分不相応の実力でA級冒険者を名乗って他所のパーティーの移っても、実力不足で足を引っ張るだけで、その方が大恥をかきますわ」
俺に代わりに勇者パーティーに入るネヴィナという名の女魔術使い、こいつも性悪な性格をしているな。
他の三人も極端に性格が悪いから、これで勇者パーティーにまともな人間はいなくなったな。
今日までは勇者パーティーに相応しい人材がいなかったから、荷物持ちを兼ねてメンバーに入れてやっていたが、やっといい魔法使いが見つかった。
お前のような、中途半端な補助魔法しか使えない役立たずは不用だ。
とっとと出て行け」
ついにこの時が来たか。
いつかは追放されると思っていたが、思っていたよりは長くいられた。
前世の知識を使って膨大な魔力を手に入れてしまって、その力を上手く制御できなかったのと、目立つのが嫌で補助魔法に徹いていたからね。
勇者らしい派手な活躍が好きな、目立ちたがりのフィロイから見れば、俺は影の薄い役立たずなのだろう。
「お世話になりました」
「ふん、本当に、無能な人間の尻拭いは大変だったわ」
偽聖女のネスエナらしい嫌味な言い方だ。
神殿で高い地位にあるという父親の後押しで、大した才能もないのに聖女の肩書をもらった高慢な女らしい、人を傷つける言い方だ。
俺の補助魔法なしで、効果的な治癒魔法が使えるかな。
今までと同じような心算でダンジョンに潜ったら、痛い目に合うぞ。
まあ、もう知った事ではない。
「ああ、そうだ、お前のミスでパーティーが危機に陥った、それが追放の理由だから、今までのようにA級冒険者は名乗れないぞ。
二階級降格のC級冒険者になるから、他所に移るのも苦労するだろうぜ。
ワッハハハハ、アッハッハッハ」
どうやらフィロイは自分の判断ミスを俺のせいにしたいようだ。
俺は目立ちたいとは思っていないから、C級冒険者で十分だ。
レベルの合わない冒険者と組んでも気を使うだけだし、もともと前世では人嫌いで限られた人間としか付き合いはなかった。
異世界に転生しても、前世の記憶があるせいか、性格もあまり変わっていない。
ようやく膨大な魔力の制御もできるようになってきたから、ソロでいいだろう。
「そうか、俺はミスしたつもりはないが、多数決で勝てるとは思っていない。
ギルドでは抗弁する心算だが、お前達の意見が通るだろうな」
「あぁあ、お前達だと、役立たずの屑の分際で、俺様をお前呼ばわりだと。
なんならこの場で斬り殺して、ダンジョンに捨ててやってもいいんだぞ」
脅し、ではないな、本気で俺を殺して密かに処分する心算だ。
そうなると、俺も本気を出さないといけなくなるな。
争いごとは嫌いだし、まだ魔力全力攻撃は制御できないから、パーティー全員を巻き込んで皆殺しにしてしまいそうだが、仲間のだから連帯責任で諦めてもらおう。
「まあ、まあ、まあ、待てってくださいな。
私との入れ替わりでも揉めるのは気がひけてしまいますわ。
普通に話し合って脱退した事にすればいいではありませんか。
だって、分不相応の実力でA級冒険者を名乗って他所のパーティーの移っても、実力不足で足を引っ張るだけで、その方が大恥をかきますわ」
俺に代わりに勇者パーティーに入るネヴィナという名の女魔術使い、こいつも性悪な性格をしているな。
他の三人も極端に性格が悪いから、これで勇者パーティーにまともな人間はいなくなったな。
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