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第二章
33話ローガン王視点
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「どうしよう、ジェイデン」
「どうもこうもございません。
オリビア女王陛下とルーク殿下に御知らせするしかありません」
「しかし、こんなものを送ったら、余は殺されてしまうのではいないか?
絶対に殺される。
いや、殺されるのならまだましだ。
きっとでんでん虫に変化させられるぞ。
こんな知らせを送るのは、絶対に嫌じゃ!」
トーレス王家の国王ローガンは苦しんでした。
自分の惰弱さと愚かさのせいだったとは言え、自分の子供を殺し、臣下の大半を処罰しなければいかなくなった。
経済的な国力も軍事的な戦力も激減していた。
それでも隣国が侵攻してこないのは、何とか軍事同盟を結ぶ事に成功した、オリビア王国の王弟ルークの存在だった。
世界最凶最悪の魔導師と呼ばれるルークを恐れて、どの国も攻め込んでこない。
だが決して諦めている訳ではない。
どの国も我が国とガルシア一族の確執は知っている。
本家と言うか、幼いルークを虐めて憎まれているガルシア公爵家を、不肖の息子が蔑ろにした事が全ての始まりだった。
余とも上手く行かなくなったガルシア公爵家は、今では半ば独立国状態で、小公国と言っていい存在だ。
だが、ルークが、いや、オリビアが見捨てた時点で、我がトーレス王国もガルシア公爵家も、隣国に踏み躙られ世界から消滅するだろう。
全てはオリビア女王がルークに取り成してくれるかどうかにかかっている。
だからこそ、このような依頼は知らせたくない。
絶対に嫌だ。
ルークへの縁談はまだいい、まだ何とか言いようがある、だが、オリビア女王への縁談は駄目だ。
こんなもの持ち込んだら、絶対にルークにでんでん虫にされてしまう!
「そこは陛下、言いようでございます。
隣国は陛下とオリビア王国との親疎を測っているのでございます。
今まで通り、下手に出ればいいのでございます。
相手は伝説の龍に匹敵する大魔導師でございます。
『隣国からこのような無理難題を吹っ掛けられています。
どうか助けてください』
と言う形で伝えれば、ルーク殿下が勘違いされても、オリビア女王陛下が取り成してくださいます」
「そうか?
そうだな!
この苦境と余の苦渋を正直に話せば、女王陛下なら分かって下さるな。
だとしたら、それこそ下手な者を使者に送るわけにはいかんな。
頼めるとしたら、そなたくらいしかおらんが、情けない事に、そなたを使者に送ると、心から信頼できる者が誰もいなくなってしまう。
どうすればよいと思う?」
「以前のように陛下御自身でいかれれば宜しいのです。
そうすれば、隣国も我が国とオリビア王国の親しさを思い知るでしょう。
それに、オリビア王国を訪問する我々の留守を狙って叛乱を起こして、、ルーク殿下を刺激しようと考える馬鹿な貴族も民ももうおりません。
誰だってルーク殿下の怒りが自分に向くのは嫌なのです。
私も御供いたしますから、道中も向こうでも何も心配はございません。
安心なされてください」
ジェイデンの申す通りだ!
余とジェイデンが一緒にオリビア王国を訪れれば何の心配もない。
馬鹿な色気を出して、隣国との交渉を有利にしようとさえしなければ、女王に嫌われる事もないだろう。
女王に嫌われさえしなければ、少なくともルークに何かされる心配はない。
「どうもこうもございません。
オリビア女王陛下とルーク殿下に御知らせするしかありません」
「しかし、こんなものを送ったら、余は殺されてしまうのではいないか?
絶対に殺される。
いや、殺されるのならまだましだ。
きっとでんでん虫に変化させられるぞ。
こんな知らせを送るのは、絶対に嫌じゃ!」
トーレス王家の国王ローガンは苦しんでした。
自分の惰弱さと愚かさのせいだったとは言え、自分の子供を殺し、臣下の大半を処罰しなければいかなくなった。
経済的な国力も軍事的な戦力も激減していた。
それでも隣国が侵攻してこないのは、何とか軍事同盟を結ぶ事に成功した、オリビア王国の王弟ルークの存在だった。
世界最凶最悪の魔導師と呼ばれるルークを恐れて、どの国も攻め込んでこない。
だが決して諦めている訳ではない。
どの国も我が国とガルシア一族の確執は知っている。
本家と言うか、幼いルークを虐めて憎まれているガルシア公爵家を、不肖の息子が蔑ろにした事が全ての始まりだった。
余とも上手く行かなくなったガルシア公爵家は、今では半ば独立国状態で、小公国と言っていい存在だ。
だが、ルークが、いや、オリビアが見捨てた時点で、我がトーレス王国もガルシア公爵家も、隣国に踏み躙られ世界から消滅するだろう。
全てはオリビア女王がルークに取り成してくれるかどうかにかかっている。
だからこそ、このような依頼は知らせたくない。
絶対に嫌だ。
ルークへの縁談はまだいい、まだ何とか言いようがある、だが、オリビア女王への縁談は駄目だ。
こんなもの持ち込んだら、絶対にルークにでんでん虫にされてしまう!
「そこは陛下、言いようでございます。
隣国は陛下とオリビア王国との親疎を測っているのでございます。
今まで通り、下手に出ればいいのでございます。
相手は伝説の龍に匹敵する大魔導師でございます。
『隣国からこのような無理難題を吹っ掛けられています。
どうか助けてください』
と言う形で伝えれば、ルーク殿下が勘違いされても、オリビア女王陛下が取り成してくださいます」
「そうか?
そうだな!
この苦境と余の苦渋を正直に話せば、女王陛下なら分かって下さるな。
だとしたら、それこそ下手な者を使者に送るわけにはいかんな。
頼めるとしたら、そなたくらいしかおらんが、情けない事に、そなたを使者に送ると、心から信頼できる者が誰もいなくなってしまう。
どうすればよいと思う?」
「以前のように陛下御自身でいかれれば宜しいのです。
そうすれば、隣国も我が国とオリビア王国の親しさを思い知るでしょう。
それに、オリビア王国を訪問する我々の留守を狙って叛乱を起こして、、ルーク殿下を刺激しようと考える馬鹿な貴族も民ももうおりません。
誰だってルーク殿下の怒りが自分に向くのは嫌なのです。
私も御供いたしますから、道中も向こうでも何も心配はございません。
安心なされてください」
ジェイデンの申す通りだ!
余とジェイデンが一緒にオリビア王国を訪れれば何の心配もない。
馬鹿な色気を出して、隣国との交渉を有利にしようとさえしなければ、女王に嫌われる事もないだろう。
女王に嫌われさえしなければ、少なくともルークに何かされる心配はない。
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