15 / 15
第一章
第15話:暗殺
しおりを挟む
俺はダインジョンで集めた素材で作った防具に身を包んだ。
鎧下着、革鎧、鎖帷子、鱗鎧、その全てが今手に入る最高の素材で作られているばかりか、数多くの魔晶石で補強され、魔法陣の力の元になっている。
これで自分の魔力を使わなくても、数多の魔術を発現できる。
いや、敵の不意討ちに自動的の反応してくれ、防御魔法を展開してくれる。
更に優れているところは、俺の使いきれない余分な魔力を、自動的の魔晶石に蓄えてくれる機能までつけてある。
自画自賛はそれくらいにして、同じく最強の武器を手に取る。
刃が鋭利なのは当然として、刀身はもちろん柄や鍔にも魔法陣を刻み魔晶石を埋め込んでいるから、防具ほどではないが、魔術を発動できる。
まあ、今回は派手な魔術を使う心算などないので、消音、消気、消臭、消身、魔法無効、対魔力、対物理などの補助魔術を事前に発動させておくだけだ。
俺は勝手知ったるゲセルト王太子の寝室に忍び込んだ。
レントン王国の王都、王城、王宮の防御魔法など、今の俺には全く意味がない。
今までの突出した魔力でも侵入は可能だったが、ダンジョンで手に入れた膨大な魔晶石の魔力を活用すれば、十分な余力を残して侵入できた。
「あああ、殿下、殿下、殿下、愛しております、殿下」
ゲセルトと女が激しくむつみ合っている。
女は恐らくチャント王国の第一王女ミケルネだろう。
よほどお気に入りで、寝食を忘れて愛欲に耽ったのか、眼の下に隈ができている。
だが、油断は禁物だ、俺は小石二つを自分とは違う場所に浮かせて、十分な殺傷能力の速度と重さを与えて放った。
グッシャ
「ワッハッハ、馬鹿め、そう簡単に俺様を殺せると思うなよ……
なんだ、ちっ、憶病な奴め、どこだ、どこにいる?!」
恐らく反射魔法を展開していて、攻撃する者に跳ね返して、返り討ちにする心算だったのだろうが、そうはいかない、俺はそんな迂闊な人間ではないのだよ。
問題は敵にどれくらいの魔力量があるかだ、それによって攻撃方法が変わる。
王太子の立てられるくらいだから、それなりの魔力があるだろうが、今の俺が負けるとは思えない。
危険なのは城を護る魔晶石群と連動している場合だが……
俺は千の小石を魔法袋から取り出し、居場所を見つけられないように細かく移動しつつ、一斉に小石を放ち、魔術の穴を探る。
魔術の穴、綻びを見極めて、魔法陣魔術を破壊無効にする方法を探る。
(ここだ!)
声には出さず、心の中だけで叫んで、二人の防御反射魔法を全て破壊無効にして、一気に近づいて心臓を貫き、返す刀で首を刎ねる。
「さて、後はチャント王家の動き次第だな。
向こうが諦めるのなら、無駄な争いは止めないと、大切なロイドとの誓いを破ることになる」
鎧下着、革鎧、鎖帷子、鱗鎧、その全てが今手に入る最高の素材で作られているばかりか、数多くの魔晶石で補強され、魔法陣の力の元になっている。
これで自分の魔力を使わなくても、数多の魔術を発現できる。
いや、敵の不意討ちに自動的の反応してくれ、防御魔法を展開してくれる。
更に優れているところは、俺の使いきれない余分な魔力を、自動的の魔晶石に蓄えてくれる機能までつけてある。
自画自賛はそれくらいにして、同じく最強の武器を手に取る。
刃が鋭利なのは当然として、刀身はもちろん柄や鍔にも魔法陣を刻み魔晶石を埋め込んでいるから、防具ほどではないが、魔術を発動できる。
まあ、今回は派手な魔術を使う心算などないので、消音、消気、消臭、消身、魔法無効、対魔力、対物理などの補助魔術を事前に発動させておくだけだ。
俺は勝手知ったるゲセルト王太子の寝室に忍び込んだ。
レントン王国の王都、王城、王宮の防御魔法など、今の俺には全く意味がない。
今までの突出した魔力でも侵入は可能だったが、ダンジョンで手に入れた膨大な魔晶石の魔力を活用すれば、十分な余力を残して侵入できた。
「あああ、殿下、殿下、殿下、愛しております、殿下」
ゲセルトと女が激しくむつみ合っている。
女は恐らくチャント王国の第一王女ミケルネだろう。
よほどお気に入りで、寝食を忘れて愛欲に耽ったのか、眼の下に隈ができている。
だが、油断は禁物だ、俺は小石二つを自分とは違う場所に浮かせて、十分な殺傷能力の速度と重さを与えて放った。
グッシャ
「ワッハッハ、馬鹿め、そう簡単に俺様を殺せると思うなよ……
なんだ、ちっ、憶病な奴め、どこだ、どこにいる?!」
恐らく反射魔法を展開していて、攻撃する者に跳ね返して、返り討ちにする心算だったのだろうが、そうはいかない、俺はそんな迂闊な人間ではないのだよ。
問題は敵にどれくらいの魔力量があるかだ、それによって攻撃方法が変わる。
王太子の立てられるくらいだから、それなりの魔力があるだろうが、今の俺が負けるとは思えない。
危険なのは城を護る魔晶石群と連動している場合だが……
俺は千の小石を魔法袋から取り出し、居場所を見つけられないように細かく移動しつつ、一斉に小石を放ち、魔術の穴を探る。
魔術の穴、綻びを見極めて、魔法陣魔術を破壊無効にする方法を探る。
(ここだ!)
声には出さず、心の中だけで叫んで、二人の防御反射魔法を全て破壊無効にして、一気に近づいて心臓を貫き、返す刀で首を刎ねる。
「さて、後はチャント王家の動き次第だな。
向こうが諦めるのなら、無駄な争いは止めないと、大切なロイドとの誓いを破ることになる」
498
お気に入りに追加
580
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説

僕はただの平民なのに、やたら敵視されています
カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。
平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。
真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。


新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
主人公は思いきりましたね。ロイドと幸せになれると良いですね。
面白かったです!
感想ありがとうございます、励みになります。
面白い小説だったのでこれで完結なのは驚きました。最後、せめて俺たちの戦いはこれからだーぐらいな感じまで持っていってくれるといいのかなと思います
灰さん、感想ありがとうございます。
次作の参考にさせていただきます。
完結って……これで終わりですか?続きが読みたいです
感想ありがとうございます。
ホットランキング入りできない話は、完結スキルを伸ばすために、早期完結させています。