6 / 43
第1章
第6話:チャクラと経絡経穴
しおりを挟む
アバコーン王国暦287年2月13日ガーバー子爵領アームストン城・美咲視点
(試す?
何を試そうと言うのですか?)
「エマのこの身体で、魔法や魔術が使えるかです。
この世界では解剖学は発達していないのですか?
魔力がどこからきて、どのような存在だか研究されていないのですか?」
(身体には肉体と幽体があると言われています。
魔力は幽体を形成していると考えられています)
「エマ、肉体には魔力を蓄える器官はないの?
胃や腸、肝臓や腎臓みたいな器官はないの?
アニメやラノベでは、魔力器官があると言う話もあるわ」
(何を仰っているのか全く分かりませんわ)
「アニメやラノベは私のいた世界の娯楽よ。
魔法や魔術に関する空想的な話しよ。
空想だけど、肉体に魔力を作ったり蓄えたりする器官があるという考えよ。
この世界ではどうなの?
魔力器官はあるの?!
ないの?!」
(肉体に魔力を蓄える器官などありません。
幽体にある魔力を絞り出して魔法や魔術を発動させていたと聞いています)
「だったら私がエマの身体に魔力があるか確かめてみるわ。
エマは今、身体の感覚はあるの、ないの?」
(身勝手な事を言わないでくださいませ!
貴女が私の身体を乗っ取ってしまっているのですよ!
感覚などあるわけがないでしょう!)
「残念ね、肉体の感覚はなくても、幽体の感覚があるかと思ったわ。
まあ、いいわ、何か感じたら教えてよ」
(ちょっと貴女、いったい何をする心算ですの?!)
「集中するからしばらく黙っていて!」
私も東洋医学で生活の糧を得ていたのです。
ラノベやアニメでは、アーユルヴェーダのチャクラや東洋医学の経絡経穴が魔力の流れだという設定が多かった。
だったら、チャクラや経絡の流れに沿って魔力を流す意識をすればいい。
チャクラや経穴ごとに魔力が蓄えられるか確かめればいい。
もしこの考えが正しいのなら、この世界の魔法や魔術を復活させられる。
それどころか、今まで誰も試した事にない、魔力の貯蓄ができるかもしれない。
魔力が蓄えられるのなら、過去にこの世界で使われていた、全ての魔法や魔術を凌ぐような大魔術を発現できるかもしれない。
(え?
貴女何をしているの?!
体の感覚が戻ってきているのだけど?!
手足に何か流れているような気持ちの悪い感覚なのだけれど?!)
「エマが言っていた幽体に魔力を流してみたの。
私には何も感じられないのだけれど、魔力の流れが分かるのね?」
(これ魔力だと言われるのなら、確かに魔力を感じていますわ)
「ではその魔力の流れをどこかに蓄えてみるから、溜まった感覚があるか教えて」
(難しい事を言ってくれますわね!)
「まず最初に、肛門と性器の間に貯めるわよ」
(貴女?!
よくそんな卑猥な事を口にできますわね!
それでも教育を受けた淑女ですの?!)
「私はこれでも医療従事者なの!
医療従事者がいちいち恥ずかしがっていては、治療ができないでしょう。
これは魔法を使えなくなったこの世界の人に対する治療なの!」
(……仕方ありませんわね。
治療ならばしばらくは目をつむりましょう。
ですが、他の方が聞いている時には絶対にしないでくださいませ!)
「大丈夫よ、エマ。
アビゲイルは部屋の端で聞かないようにしてくれているのでしょう?」
(……そのようですわね)
「それでどうなの、何か溜まっている感覚はあるの?」
(……ええ、これが本当に魔力なら、溜まっている感覚がありますわ)
「では次の場所に魔力が溜まるかどうか確かめるわ。
お臍の下10センチくらいの所に溜まっている感覚はある?」
(ええ、お臍の下に何かが溜まる感覚がありますわ)
「次にお臍の所に溜めてみるわね」
(溜まっていますわ。
最初の所にも2番目の所にも溜まっていますわ)
「次は胸の中心、心臓の近くに溜めているわ」
(ええ、心臓よりも胸の中心近くに溜まっていますわ)
「5番目は咽喉よ。
咽喉のあたりに魔力が溜まる感覚はある?」
(不思議ね、貴女が言った場所に暖かい物が溜まっていくわ)
「まだ気を抜かないで!
まだまだ魔力を溜める場所があるのよ。
6番目は眉間よ。
おでこの真ん中に魔力は溜まっている?」
(ええ、確かに暖かいモノが溜まっていますわ。
これが魔力なのですね)
「7番目は頭の天辺よ。
ここが1番大切な場所だと言う人もいるわ。
魔力は溜まっている?」
(安心してくださいませ、貴女の言う通りなら、魔力が溜まっていますわ)
「では、今度はチャクラではなく全ての経穴に魔力を溜めていくわよ。
全ての経穴に魔力が溜められたら、莫大な魔力になるわよ!」
(試す?
何を試そうと言うのですか?)
「エマのこの身体で、魔法や魔術が使えるかです。
この世界では解剖学は発達していないのですか?
魔力がどこからきて、どのような存在だか研究されていないのですか?」
(身体には肉体と幽体があると言われています。
魔力は幽体を形成していると考えられています)
「エマ、肉体には魔力を蓄える器官はないの?
胃や腸、肝臓や腎臓みたいな器官はないの?
アニメやラノベでは、魔力器官があると言う話もあるわ」
(何を仰っているのか全く分かりませんわ)
「アニメやラノベは私のいた世界の娯楽よ。
魔法や魔術に関する空想的な話しよ。
空想だけど、肉体に魔力を作ったり蓄えたりする器官があるという考えよ。
この世界ではどうなの?
魔力器官はあるの?!
ないの?!」
(肉体に魔力を蓄える器官などありません。
幽体にある魔力を絞り出して魔法や魔術を発動させていたと聞いています)
「だったら私がエマの身体に魔力があるか確かめてみるわ。
エマは今、身体の感覚はあるの、ないの?」
(身勝手な事を言わないでくださいませ!
貴女が私の身体を乗っ取ってしまっているのですよ!
感覚などあるわけがないでしょう!)
「残念ね、肉体の感覚はなくても、幽体の感覚があるかと思ったわ。
まあ、いいわ、何か感じたら教えてよ」
(ちょっと貴女、いったい何をする心算ですの?!)
「集中するからしばらく黙っていて!」
私も東洋医学で生活の糧を得ていたのです。
ラノベやアニメでは、アーユルヴェーダのチャクラや東洋医学の経絡経穴が魔力の流れだという設定が多かった。
だったら、チャクラや経絡の流れに沿って魔力を流す意識をすればいい。
チャクラや経穴ごとに魔力が蓄えられるか確かめればいい。
もしこの考えが正しいのなら、この世界の魔法や魔術を復活させられる。
それどころか、今まで誰も試した事にない、魔力の貯蓄ができるかもしれない。
魔力が蓄えられるのなら、過去にこの世界で使われていた、全ての魔法や魔術を凌ぐような大魔術を発現できるかもしれない。
(え?
貴女何をしているの?!
体の感覚が戻ってきているのだけど?!
手足に何か流れているような気持ちの悪い感覚なのだけれど?!)
「エマが言っていた幽体に魔力を流してみたの。
私には何も感じられないのだけれど、魔力の流れが分かるのね?」
(これ魔力だと言われるのなら、確かに魔力を感じていますわ)
「ではその魔力の流れをどこかに蓄えてみるから、溜まった感覚があるか教えて」
(難しい事を言ってくれますわね!)
「まず最初に、肛門と性器の間に貯めるわよ」
(貴女?!
よくそんな卑猥な事を口にできますわね!
それでも教育を受けた淑女ですの?!)
「私はこれでも医療従事者なの!
医療従事者がいちいち恥ずかしがっていては、治療ができないでしょう。
これは魔法を使えなくなったこの世界の人に対する治療なの!」
(……仕方ありませんわね。
治療ならばしばらくは目をつむりましょう。
ですが、他の方が聞いている時には絶対にしないでくださいませ!)
「大丈夫よ、エマ。
アビゲイルは部屋の端で聞かないようにしてくれているのでしょう?」
(……そのようですわね)
「それでどうなの、何か溜まっている感覚はあるの?」
(……ええ、これが本当に魔力なら、溜まっている感覚がありますわ)
「では次の場所に魔力が溜まるかどうか確かめるわ。
お臍の下10センチくらいの所に溜まっている感覚はある?」
(ええ、お臍の下に何かが溜まる感覚がありますわ)
「次にお臍の所に溜めてみるわね」
(溜まっていますわ。
最初の所にも2番目の所にも溜まっていますわ)
「次は胸の中心、心臓の近くに溜めているわ」
(ええ、心臓よりも胸の中心近くに溜まっていますわ)
「5番目は咽喉よ。
咽喉のあたりに魔力が溜まる感覚はある?」
(不思議ね、貴女が言った場所に暖かい物が溜まっていくわ)
「まだ気を抜かないで!
まだまだ魔力を溜める場所があるのよ。
6番目は眉間よ。
おでこの真ん中に魔力は溜まっている?」
(ええ、確かに暖かいモノが溜まっていますわ。
これが魔力なのですね)
「7番目は頭の天辺よ。
ここが1番大切な場所だと言う人もいるわ。
魔力は溜まっている?」
(安心してくださいませ、貴女の言う通りなら、魔力が溜まっていますわ)
「では、今度はチャクラではなく全ての経穴に魔力を溜めていくわよ。
全ての経穴に魔力が溜められたら、莫大な魔力になるわよ!」
8
お気に入りに追加
494
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!
naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』
シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。
そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─
「うふふ、計画通りですわ♪」
いなかった。
これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である!
最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。
蟲神様の加護を授って新しい家族ができて幸せですが、やっぱり虫は苦手です!
ちゃっぷ
ファンタジー
誰もが動物神の加護を得て、魔法を使ったり身体能力を向上させたり、動物を使役できる世界であまりにも異質で前例のない『蟲神』の加護を得た良家の娘・ハシャラ。
周りの人間はそんな加護を小さき生物の加護だと嘲笑し、気味が悪いと恐怖・侮蔑・軽蔑の視線を向け、家族はそんな主人公を家から追い出した。
お情けで譲渡された辺境の村の領地権を持ち、小さな屋敷に来たハシャラ。
薄暗く埃っぽい屋敷……絶望する彼女の前に、虫型の魔物が現れる。
悲鳴を上げ、気絶するハシャラ。
ここまでかと覚悟もしたけれど、次に目覚めたとき、彼女は最強の味方たちを手に入れていた。
そして味方たちと共に幸せな人生を目指し、貧しい領地と領民の正常化・健康化のために動き出す。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
慟哭の螺旋(「悪役令嬢の慟哭」加筆修正版)
浜柔
ファンタジー
前世で遊んだ乙女ゲームと瓜二つの世界に転生していたエカテリーナ・ハイデルフトが前世の記憶を取り戻した時にはもう遅かった。
運命のまま彼女は命を落とす。
だが、それが終わりではない。彼女は怨霊と化した。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる