僕に触れたいなら跪きなさい

僕が編入してあげるんだから、跪きなさい4

「えっと、ここの突き当たりを右に行けば、あ、これかな？ 」

普通の部屋が並んでいる中で明らかにドアとドアの間隔がおかしい部屋がある。その部屋の前に立つと表札？的なものがあり"藤宮涙様専用部屋1"と書いてある。

いや、プライバシーなくて草てか、1ってなに？と思って部屋の前にいると、

ガチャ

と勝手に扉が開いた。は？と思って止まっていると、

「涙ぁ、おかえりー待ってたよー！」

と、兄が出てきた。

「に、に、兄ちゃん、なんでいんの？」

思わず苦笑いになる。

「あ、あぁそれはだな、、、愛の力だ！」

と、胸をはってドヤる。いや、どうせ兄ちゃんもゴールドなんだろ。

「ま、それはいいとして、涙そこに突っ立ってないで入りなさい。」

と、手招きされる。
いや、なんで兄ちゃんが仕切ってんの？

「うん、そうだね、」

色々とツッコミどころは多いが大人しく中に入っていった。

ガチャン


靴を脱いで中に入るとそこは別世界だった。

「うわぁ、広いねぇ」

「でっしょー！兄ちゃんもきにいってるんだよ、」

広さは8LDKって言ってた。あと、トイレが2個でお風呂も2個あるんだとか。
窓がガラス張りでとっても広い、いや広すぎるでしょ。
海斗の部屋を想像してたから、それを余裕で超えてたことに驚く。

「兄ちゃん僕部屋の中色々見てくるね」

「おっけー、じゃあ兄ちゃんは、ご飯作っとくね。」

  

廊下を歩いていくと愛の間と書かれた部屋があって開けると、寝室だった。
寝室にはクソでかいキングベッドが入ってた。何このやる気マンマンって感じ笑。
その他にも色々見て回った。
1つのお風呂がラブホみたいな仕様になっていたのは驚いた。それから僕の部屋と、何故か兄の部屋もあった。
ちなみに僕は引越しの荷造りはしなくていい。
理由は荷物だけは先に届いてたらしいので、兄が先に"勝手"に開けて片付けたらしい。
きもちわるっ。僕の服の位置とか種類とか全部バレてんじゃん。後で下着の数とか数えとこ、絶対3枚くらい無くなってるから。

散策もすんだし、兄ちゃんのところに戻ると、兄ちゃんはエプロンを外していた。

「兄ちゃん、お腹すいたぁ」

「あっ涙、今日はお祝いも兼ねて、いっぱい作ったぞ。」

「わーい、ありがとう兄ちゃん、」

と言ってほっぺにキスしたあげる。兄ちゃんは嬉しそうに笑顔になった。
そのまま2人でご飯を食べていると、

「ところで涙、海斗くんとはどういう関係なんだ？？」

「ん？ただの友達」

「ふーん、そう友達、ね、まぁいっか、くれぐれも、前のようなことがないようにね、まぁ、そうは言っても、父さんも言ってたけど、高校までなんだからね？そこら辺をしっかり理解しときなさい。」

と、細くなった目で見て言ってくる。

「…わかってるよ。」

シーン

「ところで兄ちゃん明日が入学式なんだよね？」

重くなった空気を変えるために話題を持ってくる。

「あぁ、涙の晴れ舞台バッチリ撮影するからね！」

「もぉ、やめてよぉ！」

と話あいながら、ご飯を食べ終えて、寝た。

次の日

「ふぁぁあ」

よく寝たと思って、近くにあった1つの携帯を見ると着信履歴が2桁あった。え？と思って見ると海斗だった。いつの間に交換したの？と思ってるとLIMEにも海斗からの通知が溜まっていた。あーめんどくさ。と思ってまた電源を切る。

「涙ぁ、起きてるー？」

「にぃちゃん、おはようー」

「朝食置いてるからそれ食べて、兄ちゃんは先いくね、遅れないでよー」

「うん、行ってらっしゃい」

その後少し寝てから起き上がり、朝食を食べて家をでた。