オナンの子 小一篇

ぴょん

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このあそびのことは、おねえちゃんにはひみつなのです

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おふろから出ると、おとうさんはごはんをたべながらビールをのみました。
わたしとおねえちゃんは、いそいでごはんをたべて、おねえちゃんはわたしよりさきにごはんがおわって、おとうさんにだっこしました。
わたしがごはんがおわって、おとうさんにだっこしたら、おとうさんは
「おもい、おもい。」
といって、わたしをおろしました。わたしがないたら、おねえちゃんは、
「わたしがさきにだっこしたんだもん。」
といいました。おとうさんは、
「よし、おねえちゃんのつぎに、だっこしてやるからな。」
といって、『めんこい小うま』をうたいました。
うたがおわったので、おねえちゃんとかわりました。
おとうさんは『にげたにょうぼう』をうたいました。ママが
「へんなうた、やめてよ。」
といったので、おとうさんはこんどは『めされてつまはてんごくへ』をうたいました。ママが
「そんなうたばっかり。」
といったのでみんなでわらいました。

そのあと、となりのへやで、おねえちゃんとくみたてブロックであそびました。
きいろとあかとしろのブロックで、しろはふつうのおへや、きいろはだいどころ、あかはおふろで、リカちゃんたちのおうちをつくりました。
とうめいのブロックは4つしかありません。
「とうめいのブロックはぜんぶつなげておふろにしよう。」
とわたしはいったけど、おねえちゃんは
「おふろはもっと大きいもん。ばらばらにして、まどなことにするの。」
といって、まどにしてしまいました。ママが
「もうねなさい。」
といったので、かたづけておふとんに入ってからおねえちゃんとつづきをしました。さっきつくったいえのなかでリカちゃんたちであそぶのです。もういえはかたづけてしまったので、そうぞうしてしゃべるのです。
ママが
「いつまでもしゃべってないの。」
というので、もっと小さいこえでつづきをしたけれど、すこしやったらおねえちゃんが
「おやすみ。」
といってねてしまいました。

わたしは一人で目をおしてあそびました。にぎりこぶしで目をぎゅうぎゅうおすあそびです。目のなかがピカピカして、とてもきれいだけど、しばらくやると目がいたくなってきます。

ねむくなっておまたのところがムズムズしてきたので、こんどはおまたをおしてあそびました。あしをぴったりつけてまっすぐのばして、りょう手のひとさしゆびとなかゆびをあわせて、おまたのほねのところをめがけてぐいぐいおします。おすたびにおまたがしびれます。だんだんおまたがあったかくなって、あしのうらもホカホカしてきます。おしりにぐっと力を入れて、はやくなんどもつづけておすと、おまたがキュンッとなりました。わたしはあしをピンッとのばしておわるのをまちました。

おわったら、おしっこをもらしたわけでもないのに、おまたのところがヌルヌルしていました。
きもちがわるいので、おし入れからちりがみを出してふきました。
おし入れをあけたとき、おねえちゃんが
「うるさいな。」
といったのでびっくりしました。
このあそびのことはおねえちゃんにはひみつなのです。ママにおこられるし、おねえちゃんもやすえちゃんみたいにいやがるかもしれないからです。
こんどからは、あそぶまえにちりがみをよういしようとおもいました。ねるまえにまくらの下にかくしておけば、ママにもおねえちゃんにもわからないとおもいます。
おふとんに入って、パンツの中に手を入れておまたをふいて、すてにいくとばれるとおもって、ちりがみをまくらの下にかくしました。

となりのへやのママとお父さんも、でんきをけしてねてしまいました。わたしはねむれなくて、また目だまをおしてあそびました。となりのへやでゴソゴソうごくおとがして、ママが
「だめよ。」
といいました。おとうさんが小さなこえでわらいました。またゴソゴソおとがしました。ママが
「だめよ、こどもがおきちゃうじゃない。」
といったら、となりのへやはしずかになりました。

きょうわたしががっこうからかえってきたら、ママはコタツに入ってかんがえていました。
ママはかんがえるときタバコをすいます。ママのタバコがおわったので、わたしがだっこしたら、ママは
「一人であそびなさい。ママ、いろいろかんがえてるんだから。」
といいました。

わたしはコタツでこくごのしゅくだいをしました。コタツのなかで、ママのあしがわたしのあしにさわったので、わたしはいそいではなしました。さわっているところから、わたしのかんがえがママにわかってしまうからです。あしいがいのところでも、ふくをきていればだいじょうぶだけど、ちょくせつさわるとかんがえがよまれてしまいます。
ママはタバコを三本くらいすってから、きゅうにニコニコして
「おやつにしようか。」
といいました。ママはだいどころからあましょくとぎゅうにゅうをもってきてくれました。それからスケッチブックを出して、わたしのえをかきました。ママはゆうめいなえの大がくを出たので、えがうまいです。ママは、
「『あましょくをたべるむすめ』というだいよ。」
といって、わたしにえをくれました。わたしが
「きのうのゆびわみせて。」
といったら、ママは
「すてちゃった。」
といいました。


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