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第三章「レゼンタック」
第五十九話「ナンパ」
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……飽きた。
あの後、新しい王様に王冠を被せ終わると、さっさと王様とお姫様は姿を消し、そのあとは代わる代わる変なおじさんが何だかよく分からない詩を読んでいる。
ユバルさんの店に短剣を取りに行くか……
黒騎士との戦いで鞘が歪んで短剣が入らなくなってしまっていたので、修理とメンテナンスに出していたのだが、取りに行くのが面倒で、今日になってしまった。
「……ん?」
ポケットに手を突っ込みながら歩いていると、長い髪の美人が男三人に絡まれている。
というか、あれはアメリアさんだ。
「あ……」
アメリアさんが男の人に肩を抱かれながら路地に連れ込まれていく。
彼氏とか……じゃないよな。
助けにいくか?
いや、でも絶対に大丈夫だろうしな……
もしかしたらお邪魔になってしまうパターンも……
「<猫足>、<気配遮断>」
とりあえず様子見だけ……
俺はアメリアさんが連れ込まれた路地に近づくと、背中を壁につけて顔を覗かせる。
……あれ、いない?
「アーレン君、なーにしてるの?」
肩を強く叩かれた事に驚いて肩をすくめたせいで、鎖骨に激痛が走る。
「びっくりした……」
「やめてくださいよ、アメリアさん」
こんないい匂いのする人は振り向かなくても誰か分かる。
「ふふっ」
「アレン君、もう歩きまわっていいの?」
「はい、トレバーさんのおかげで明日から仕事に復帰です」
「本当はもう少し休みたい気分ですけどね」
「そうなんだ!よかったね!」
「今日はどこかいくの?」
「さっきまで戴冠式みてて、この後は修理した道具を取りに行こうと思ってたところです」
「その後は?」
「ヒナコに6時まで家を閉め出されてるので、適当にお茶でも飲んで時間を潰そうと思ってました」
「そうなんだ!」
アメリアさんは笑顔でそう言うと、俺の手をかなり強く握る。
「それじゃあ私とデートしよっか!」
「お店ってノアさんの弟さんのお店でしょ!」
「私、行ったことないから連れてって!」
「……え?」
俺は自然にアメリアさんの手を離そうとするが、アメリアさんが離してくれない。
ニコニコしてるアメリアさんと不自然な状況が相まって怖い。
「はやくいこ、ね?」
「わかりました……」
カランカランッ
「ユバルさーん」
俺が店の奥に向かって声をかけると、ユバルさんがのそのそと出てくる。
「お、アレンか!」
「遅かっ……、いらっしゃいませー」
ユバルさんはアメリアさんの姿を見た瞬間、加えていた煙草を右手で握りつぶす。
ユバルさんのアイコンタクトに俺が頷いて答えると、ユバルさんは奥から見たことない机と椅子を引っ張り出してきて俺とアメリアさんを座らせる。
そして再び奥に姿を消すと、小さなお盆にコーヒーを乗せて戻ってきた。
「わぁ、ありがとう」
ユバルさんはアメリアさんのお礼に不格好な笑顔で返すと、俺の事をグッと睨みつける。
ユバルさん、俺、コーヒー飲めないよ……
あの後、新しい王様に王冠を被せ終わると、さっさと王様とお姫様は姿を消し、そのあとは代わる代わる変なおじさんが何だかよく分からない詩を読んでいる。
ユバルさんの店に短剣を取りに行くか……
黒騎士との戦いで鞘が歪んで短剣が入らなくなってしまっていたので、修理とメンテナンスに出していたのだが、取りに行くのが面倒で、今日になってしまった。
「……ん?」
ポケットに手を突っ込みながら歩いていると、長い髪の美人が男三人に絡まれている。
というか、あれはアメリアさんだ。
「あ……」
アメリアさんが男の人に肩を抱かれながら路地に連れ込まれていく。
彼氏とか……じゃないよな。
助けにいくか?
いや、でも絶対に大丈夫だろうしな……
もしかしたらお邪魔になってしまうパターンも……
「<猫足>、<気配遮断>」
とりあえず様子見だけ……
俺はアメリアさんが連れ込まれた路地に近づくと、背中を壁につけて顔を覗かせる。
……あれ、いない?
「アーレン君、なーにしてるの?」
肩を強く叩かれた事に驚いて肩をすくめたせいで、鎖骨に激痛が走る。
「びっくりした……」
「やめてくださいよ、アメリアさん」
こんないい匂いのする人は振り向かなくても誰か分かる。
「ふふっ」
「アレン君、もう歩きまわっていいの?」
「はい、トレバーさんのおかげで明日から仕事に復帰です」
「本当はもう少し休みたい気分ですけどね」
「そうなんだ!よかったね!」
「今日はどこかいくの?」
「さっきまで戴冠式みてて、この後は修理した道具を取りに行こうと思ってたところです」
「その後は?」
「ヒナコに6時まで家を閉め出されてるので、適当にお茶でも飲んで時間を潰そうと思ってました」
「そうなんだ!」
アメリアさんは笑顔でそう言うと、俺の手をかなり強く握る。
「それじゃあ私とデートしよっか!」
「お店ってノアさんの弟さんのお店でしょ!」
「私、行ったことないから連れてって!」
「……え?」
俺は自然にアメリアさんの手を離そうとするが、アメリアさんが離してくれない。
ニコニコしてるアメリアさんと不自然な状況が相まって怖い。
「はやくいこ、ね?」
「わかりました……」
カランカランッ
「ユバルさーん」
俺が店の奥に向かって声をかけると、ユバルさんがのそのそと出てくる。
「お、アレンか!」
「遅かっ……、いらっしゃいませー」
ユバルさんはアメリアさんの姿を見た瞬間、加えていた煙草を右手で握りつぶす。
ユバルさんのアイコンタクトに俺が頷いて答えると、ユバルさんは奥から見たことない机と椅子を引っ張り出してきて俺とアメリアさんを座らせる。
そして再び奥に姿を消すと、小さなお盆にコーヒーを乗せて戻ってきた。
「わぁ、ありがとう」
ユバルさんはアメリアさんのお礼に不格好な笑顔で返すと、俺の事をグッと睨みつける。
ユバルさん、俺、コーヒー飲めないよ……
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