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旅立ち
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カナの呪いを解いてから1週間が経った。
回路師回路の傷を治そうかとカナに聞いたら、「タエが怒るから」と言って拒否された。
どうやら触らないといけないと思われたらしい。
仕方ないからこっそり調べたら、傷はほとんどなくなっていた。
恐ろしい回復力だよ。
「本当におかしなところはないんだな?」
「心配しすぎ」
カナにはリハビリを兼ねて、数日前から魔力回路の作り方を教えている。
彼女はとても優秀で、少しの説明と実演だけですぐに理解していった。
あとは実戦を積めば、俺なんてすぐに超える存在になるだろう。
他の姉妹同様に、魔力量が多いのだから。
「それじゃあさようならだな」
ワーウルフ討伐を終えたら終わるはずだった別れは、想像以上に延びた。
それでも、その日はやってくる。
「先輩、よければ一緒に行きませんか?」
「何度も誘ってもらって嬉しいけど、そうはいかない。それにこのパーティには魔力回路師がいるんだ。二人いても邪魔なだけだ」
このあともクエストを手伝ってほしい。
タエからはずっとお願いをずっとされていた。
だけど、俺の居場所はここではない。
彼女たちはもっと成長できるだけのポテンシャルを持っている。
俺がいて、俺を頼り続けてしまえば、その目を摘むんでしまうことになる。
それに、ここにいてもやれることはない。
「タエ、先輩さんが好きなのはわかるけどグイグイ行き過ぎだよ」
「そうよ、困ってるじゃない」
「ちょ、ちょっと…別に先輩のこと好きなわかなわけじゃ…そうじゃなくて先輩のことは…もごごごご」
タエが語彙力を消失し、慌てふためく。
それを見た俺たちは一斉に笑った。
本当に楽しかった。
彼女たちと過ごした数日は、今までで一番だ。
「あの、師匠、いろいろとありがとう」
「ああ、これからの活躍、期待しているぞ」
カナは俺の呼び方に悩んだ末に、師匠を選んだ。
ちょっと気恥しい感じもするが、慕ってくれているようなのでそのままにしておいた。
「あの…先輩、これからどうするんですか?」
「俺か?あーそうだな…」
知らないパーティと契約して、クエストを受ける。
今まではそうしてきたが、今回のことで実感した。
面倒だ!
何もただ考えずぶらつき、流れに身を任せてみるのも悪くない。
今回みたいな出会いもあるかもしれないしな。
「気ままに旅でもしようかな」
「そう、ですか…あのっ」
タエは何か言いかけて、口を閉ざした。
それでも、続きを言おうとしている。
「今はまだ自信がないですけど…いつか、先輩の旅にご一緒させてください!」
「そいつは楽しみだな」
無意識に笑みがこぼれた。
彼女たちはまだ強くなる。
いつか一緒にクエストをこなす日も来るだろう。
「成長を楽しみにしているよ」
「はい!…その、ありがとうございました!」
「「「ありがとうございました!」
タエに続いて、3重の謝意が木霊する。
「それと先輩…いってらっしゃい。その、気が向いたらでいいのでいつでも来てください。歓迎しますから!」
「こちらこそありがとうだ。それじゃあな」
ブリリアント4姉妹に見送られながら、俺は町を出た。
目的はない。
歩いていればきっと何か見つかるだろう。
漠然とした希望を持ちながら、何年かぶりに、一人で町を出た。
回路師回路の傷を治そうかとカナに聞いたら、「タエが怒るから」と言って拒否された。
どうやら触らないといけないと思われたらしい。
仕方ないからこっそり調べたら、傷はほとんどなくなっていた。
恐ろしい回復力だよ。
「本当におかしなところはないんだな?」
「心配しすぎ」
カナにはリハビリを兼ねて、数日前から魔力回路の作り方を教えている。
彼女はとても優秀で、少しの説明と実演だけですぐに理解していった。
あとは実戦を積めば、俺なんてすぐに超える存在になるだろう。
他の姉妹同様に、魔力量が多いのだから。
「それじゃあさようならだな」
ワーウルフ討伐を終えたら終わるはずだった別れは、想像以上に延びた。
それでも、その日はやってくる。
「先輩、よければ一緒に行きませんか?」
「何度も誘ってもらって嬉しいけど、そうはいかない。それにこのパーティには魔力回路師がいるんだ。二人いても邪魔なだけだ」
このあともクエストを手伝ってほしい。
タエからはずっとお願いをずっとされていた。
だけど、俺の居場所はここではない。
彼女たちはもっと成長できるだけのポテンシャルを持っている。
俺がいて、俺を頼り続けてしまえば、その目を摘むんでしまうことになる。
それに、ここにいてもやれることはない。
「タエ、先輩さんが好きなのはわかるけどグイグイ行き過ぎだよ」
「そうよ、困ってるじゃない」
「ちょ、ちょっと…別に先輩のこと好きなわかなわけじゃ…そうじゃなくて先輩のことは…もごごごご」
タエが語彙力を消失し、慌てふためく。
それを見た俺たちは一斉に笑った。
本当に楽しかった。
彼女たちと過ごした数日は、今までで一番だ。
「あの、師匠、いろいろとありがとう」
「ああ、これからの活躍、期待しているぞ」
カナは俺の呼び方に悩んだ末に、師匠を選んだ。
ちょっと気恥しい感じもするが、慕ってくれているようなのでそのままにしておいた。
「あの…先輩、これからどうするんですか?」
「俺か?あーそうだな…」
知らないパーティと契約して、クエストを受ける。
今まではそうしてきたが、今回のことで実感した。
面倒だ!
何もただ考えずぶらつき、流れに身を任せてみるのも悪くない。
今回みたいな出会いもあるかもしれないしな。
「気ままに旅でもしようかな」
「そう、ですか…あのっ」
タエは何か言いかけて、口を閉ざした。
それでも、続きを言おうとしている。
「今はまだ自信がないですけど…いつか、先輩の旅にご一緒させてください!」
「そいつは楽しみだな」
無意識に笑みがこぼれた。
彼女たちはまだ強くなる。
いつか一緒にクエストをこなす日も来るだろう。
「成長を楽しみにしているよ」
「はい!…その、ありがとうございました!」
「「「ありがとうございました!」
タエに続いて、3重の謝意が木霊する。
「それと先輩…いってらっしゃい。その、気が向いたらでいいのでいつでも来てください。歓迎しますから!」
「こちらこそありがとうだ。それじゃあな」
ブリリアント4姉妹に見送られながら、俺は町を出た。
目的はない。
歩いていればきっと何か見つかるだろう。
漠然とした希望を持ちながら、何年かぶりに、一人で町を出た。
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