涙の出なくなった少女は、異世界から死者を呼び戻す少年と出会う

「さあ、次のゲストは天才子役と呼ばれて大注目の愛咲詩音ちゃんです。早速質問ですが、詩音ちゃんは役を演じるときどうやって泣いてるの?」 

「はい!お母さんが死んだときのことを考えて泣いています!」

「へえ。すごいねー。天才だ」

「ありがとうございます!」
お決まりの笑顔は忘れない。 

この時は、本当にお母さんが事故死するなんて、思ってもみなかった。

葬式の後、マスメディアに囲まれた詩音の目は、乾いていた。
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