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冷酷無残な国4 カジャル視点
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俺は蘭紗様が涼鱗を連れて執務室に入ったのを見届け、立ち尽くす喜紗様に声をかけた。
「喜紗様、よろしいか?」
顔面蒼白の喜紗様は慌てた様子で俺の顔を見つめた。
「この前の……誘拐未遂の犯人らはどこに?」
「それならば、西の塔に……ああしかし、重傷を負ったものがおりましたな、あやつめだけは城内に」
「城内……とは、地下……か?」
「ええ、あそこで治療をしておりましたが……一応昨日目覚めたとのことで報せは入っておりますぞ、明日にでも蘭紗様自ら取り調べるはずだったのだが……この様子では……」
「俺が……話を聞くので、手配してくれるか?」
喜紗はなるほどと頷き「後は任せ、向かうがよろしい」との一言を残し事務方たちを集め出した。
地下には昔から罪人を投獄する牢があったのだが、今ではほとんどその用途には使わず、代わりに医者たちが医療行為や研究をする場になっている。
今日では罪人は塔に投獄するのが一般的だ。
「……あんなやつを普通に地下に置いといて、大丈夫かよ」
俺はあいつの魔術能力の高さを思い出して、背中が寒くなる思いでそうつぶやかずにいられなかった。
地下の入口には分厚い鉄で出来た扉が二重になっている。
その出口には衛兵の詰所があり、交代で2名ずつの見張りをしていて一人が俺に気づいてこちらを伺っている。
こんな雑魚衛兵2名にあいつの相手はできねーぞ……これは早く塔に移送しないと。
「根白川だ、開けろ」
「ハッ、通信が入っております、どうぞ」
ギイギイと開けられる一つ目の扉、そして空気を押し込めるようにスーッとあちら側に押す二つ目の扉。
どちらも開き、俺は遠慮なく入室した。
痩せたもじゃもじゃ頭の背の高い男が待っていて、頭を下げた。
「カジャル様、こちらへ」
「お前は医者か?」
「ええ、私は医者ですよ、研究畑ですが、一応人も見ます」
「で、あいつはどうなんだ」
「怪我は……あれですね、刀で断裂された両足の腱、両肩の脱臼及び圧迫による全身の骨折と臓器損傷でしたが、まあ脱臼は治っておりますが、臓器損傷の影響がまだ少しあるのと、足の方はちょっとねえ……」
「で、なぜこんなに長い間意識が」
「ああ、それは涼鱗王子殿下が死ぬ寸前まで圧迫なされたからでしょうね」
ヘヘと気味悪い笑い方をした。
「まあ……あれか、つまりもうあとは足が治るだけなのだな?ここにおらずとも良いのなら、早く塔に入れろ、あいつは危ない」
「ああ、そうですねえ、そのように手配しましょう」
もじゃもじゃの髪をぽりっと掻いて返事をすると、「ここです」と扉を開けた。
そこに寝かされているのは、確かにあの男だった、ケナという男だ。
「……よう! 誰かと思えばかわい子ちゃんかよ」
「……っ!」
「へ?かわい子ちゃん?」
医者がきょとんとして聞き返してくるので、下がれと言い、勢いよく扉をバタンと閉めた。
「俺のことが恋しくなった?可愛がってやるからこっちこいよ」
男は満面の笑みで……本心からそう思ってるかのように嬉しそうに見えた。
「あのな……立場がわかっているのか」
「んー、まあさすがにな」
男は肩をすくめようとして痛そうに顔をしかめた。
「まだ痛むのか?」
「ああ、なんかもう全身がな、それなのにこれだぜ」
鉄で出来た丈夫な手枷と足枷を見せてきた。
「当たり前だろう、お前は誘拐犯だ」
「そういやあの大蛇はやっぱりラハームの王子だったんだな……入国したのは知ってたが2年も姿を見せないから、とっくに帰ったと思ってたぜ」
「……まあ、あのひとのことはいいさ」
「で、何が聞きたい」
俺は真面目な顔になったケナを見た。
阿羅国の民は皆なぜか似た顔が多いと言われている。
しかし俺の知る阿羅国人は、2つ上の学年だった波羽彦とその従者数名だけなのだが、そのどれも似てはいるがそっくりというほどではなかったように思う。
そしてこの男も少し黄色い肌に黒の髪と瞳に平面的な顔という特徴を持ってはいるが、見分けがつかないとまではいかない。
噂とはあてにならないものだと思った。
だが、波羽彦の面影を感じないわけではない。
特に、目元と鼻筋のあたりだ。
「もしかしておまえ、波羽彦の兄とか従兄とかそういう、つまり王族か?」
「ぶはは!!!」
ケナがいきなり大音響で笑いだした。
全身が痛いのに笑ったものだから、「いてえいてえ」と涙を流しながらだ。
「なぜ笑う?」
「ふん……まあ、いい線いってるかもな……丸きり見当違いってわけではないぜ」
「んじゃやはりお前、王族なのか」
「違うなあ……」
男はふんと鼻で笑い俺の顔を見るのをやめ、天井をじっと見ている。
「まあ、他の国じゃ王の子供はみな王族なんだろがな」
「それ……それはどういうことだ」
「俺もよくわかんねえ……とにかく親から聞いた話だと血はつながってるらしいぜ、だが城で暮らしたことはねえ、田舎の農村で育ったんだ」
「お前の親もか?」
「ああ、親だって普通に野良仕事してる。城なんざ縁はない、俺はたまたま魔術に才能があったから城付きの魔術師の家に弟子入りさせられただけだ」
俺は話を聞いて余計混乱してきた。
「俺らから見ると、お前の国のやつら皆顔が似ているんだ、それはどういう」
「さー知らねえが……血は濃いかもな。なんせあんな山に囲まれてるんだ……人の流入はほぼ無いもんだから、特徴がより強く出るのさ」
「まあ、そういうことか……」
「で、なんだったんだ?何が言いたい」
「お前は、俺を誘拐してコマにしてお嫁様を狙うと言ってたが」
「ああ、そうだ必要なのはお嫁様だからなあ」
この期に及んでまたもや「お前は要らない」と言われたようで心がチクリと痛んだ。
そのことはもう乗り越えなくてはいけないのに。
「いや……まあそうだろうが、そのお嫁様を攫って、お前の国で何をしてるんだ?」
「何って……」
ケナがフッと笑うと手招きした。
カジャルは一瞬嫌な予感がしたが、枷があるので大丈夫だと踏んで近寄り、ベッドの脇の椅子に腰掛けた。
「もうちょっと耳を寄せろ」
「は?」
「早く」
俺は抵抗はあったが、ケナが何を言うのか気になり、顔をケナの不精髭の生えた口に近づけた。
阿羅人独特のあの匂いがほんのわずか漂った。
「喜紗様、よろしいか?」
顔面蒼白の喜紗様は慌てた様子で俺の顔を見つめた。
「この前の……誘拐未遂の犯人らはどこに?」
「それならば、西の塔に……ああしかし、重傷を負ったものがおりましたな、あやつめだけは城内に」
「城内……とは、地下……か?」
「ええ、あそこで治療をしておりましたが……一応昨日目覚めたとのことで報せは入っておりますぞ、明日にでも蘭紗様自ら取り調べるはずだったのだが……この様子では……」
「俺が……話を聞くので、手配してくれるか?」
喜紗はなるほどと頷き「後は任せ、向かうがよろしい」との一言を残し事務方たちを集め出した。
地下には昔から罪人を投獄する牢があったのだが、今ではほとんどその用途には使わず、代わりに医者たちが医療行為や研究をする場になっている。
今日では罪人は塔に投獄するのが一般的だ。
「……あんなやつを普通に地下に置いといて、大丈夫かよ」
俺はあいつの魔術能力の高さを思い出して、背中が寒くなる思いでそうつぶやかずにいられなかった。
地下の入口には分厚い鉄で出来た扉が二重になっている。
その出口には衛兵の詰所があり、交代で2名ずつの見張りをしていて一人が俺に気づいてこちらを伺っている。
こんな雑魚衛兵2名にあいつの相手はできねーぞ……これは早く塔に移送しないと。
「根白川だ、開けろ」
「ハッ、通信が入っております、どうぞ」
ギイギイと開けられる一つ目の扉、そして空気を押し込めるようにスーッとあちら側に押す二つ目の扉。
どちらも開き、俺は遠慮なく入室した。
痩せたもじゃもじゃ頭の背の高い男が待っていて、頭を下げた。
「カジャル様、こちらへ」
「お前は医者か?」
「ええ、私は医者ですよ、研究畑ですが、一応人も見ます」
「で、あいつはどうなんだ」
「怪我は……あれですね、刀で断裂された両足の腱、両肩の脱臼及び圧迫による全身の骨折と臓器損傷でしたが、まあ脱臼は治っておりますが、臓器損傷の影響がまだ少しあるのと、足の方はちょっとねえ……」
「で、なぜこんなに長い間意識が」
「ああ、それは涼鱗王子殿下が死ぬ寸前まで圧迫なされたからでしょうね」
ヘヘと気味悪い笑い方をした。
「まあ……あれか、つまりもうあとは足が治るだけなのだな?ここにおらずとも良いのなら、早く塔に入れろ、あいつは危ない」
「ああ、そうですねえ、そのように手配しましょう」
もじゃもじゃの髪をぽりっと掻いて返事をすると、「ここです」と扉を開けた。
そこに寝かされているのは、確かにあの男だった、ケナという男だ。
「……よう! 誰かと思えばかわい子ちゃんかよ」
「……っ!」
「へ?かわい子ちゃん?」
医者がきょとんとして聞き返してくるので、下がれと言い、勢いよく扉をバタンと閉めた。
「俺のことが恋しくなった?可愛がってやるからこっちこいよ」
男は満面の笑みで……本心からそう思ってるかのように嬉しそうに見えた。
「あのな……立場がわかっているのか」
「んー、まあさすがにな」
男は肩をすくめようとして痛そうに顔をしかめた。
「まだ痛むのか?」
「ああ、なんかもう全身がな、それなのにこれだぜ」
鉄で出来た丈夫な手枷と足枷を見せてきた。
「当たり前だろう、お前は誘拐犯だ」
「そういやあの大蛇はやっぱりラハームの王子だったんだな……入国したのは知ってたが2年も姿を見せないから、とっくに帰ったと思ってたぜ」
「……まあ、あのひとのことはいいさ」
「で、何が聞きたい」
俺は真面目な顔になったケナを見た。
阿羅国の民は皆なぜか似た顔が多いと言われている。
しかし俺の知る阿羅国人は、2つ上の学年だった波羽彦とその従者数名だけなのだが、そのどれも似てはいるがそっくりというほどではなかったように思う。
そしてこの男も少し黄色い肌に黒の髪と瞳に平面的な顔という特徴を持ってはいるが、見分けがつかないとまではいかない。
噂とはあてにならないものだと思った。
だが、波羽彦の面影を感じないわけではない。
特に、目元と鼻筋のあたりだ。
「もしかしておまえ、波羽彦の兄とか従兄とかそういう、つまり王族か?」
「ぶはは!!!」
ケナがいきなり大音響で笑いだした。
全身が痛いのに笑ったものだから、「いてえいてえ」と涙を流しながらだ。
「なぜ笑う?」
「ふん……まあ、いい線いってるかもな……丸きり見当違いってわけではないぜ」
「んじゃやはりお前、王族なのか」
「違うなあ……」
男はふんと鼻で笑い俺の顔を見るのをやめ、天井をじっと見ている。
「まあ、他の国じゃ王の子供はみな王族なんだろがな」
「それ……それはどういうことだ」
「俺もよくわかんねえ……とにかく親から聞いた話だと血はつながってるらしいぜ、だが城で暮らしたことはねえ、田舎の農村で育ったんだ」
「お前の親もか?」
「ああ、親だって普通に野良仕事してる。城なんざ縁はない、俺はたまたま魔術に才能があったから城付きの魔術師の家に弟子入りさせられただけだ」
俺は話を聞いて余計混乱してきた。
「俺らから見ると、お前の国のやつら皆顔が似ているんだ、それはどういう」
「さー知らねえが……血は濃いかもな。なんせあんな山に囲まれてるんだ……人の流入はほぼ無いもんだから、特徴がより強く出るのさ」
「まあ、そういうことか……」
「で、なんだったんだ?何が言いたい」
「お前は、俺を誘拐してコマにしてお嫁様を狙うと言ってたが」
「ああ、そうだ必要なのはお嫁様だからなあ」
この期に及んでまたもや「お前は要らない」と言われたようで心がチクリと痛んだ。
そのことはもう乗り越えなくてはいけないのに。
「いや……まあそうだろうが、そのお嫁様を攫って、お前の国で何をしてるんだ?」
「何って……」
ケナがフッと笑うと手招きした。
カジャルは一瞬嫌な予感がしたが、枷があるので大丈夫だと踏んで近寄り、ベッドの脇の椅子に腰掛けた。
「もうちょっと耳を寄せろ」
「は?」
「早く」
俺は抵抗はあったが、ケナが何を言うのか気になり、顔をケナの不精髭の生えた口に近づけた。
阿羅人独特のあの匂いがほんのわずか漂った。
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