君じゃない?!~繰り返し断罪される私はもう貴族位を捨てるから~

サイケ ミカ

文字の大きさ
上 下
45 / 50
出奔編

メルロッテ

しおりを挟む
「シルビ~、今日も可愛いのねぇ。」

 メルロッテがダークレッドの髪を揺らしながら、ニアの赤子・シルビーに頬擦りをしている。

 ドラバルーラの宮殿にある女官の仕事場兼、住まい。
 女性用ダールと呼ばれる一室に、メルロッテはニア達を訪ね毎日やって来くるのだ。

「メルロッテったら、貴女は奴隷棟に来ていても大丈夫なの?」

 エナリーナは薬草を煎じながら、メルロッテの話相手をしている。

 ハーレムに入ってから特に仕事が無いニアは、エナリーナが薬草を調合する様子を、シルビーを育てながら眺める日々。
 気が付けば、入宮から一週間が経っていた。

「いいのよ~。正室様の近くでウロチョロしていたら、睨まれるだけだもの~。こんな事なら、さっさと処女なんて散らしておけば良かったのかなあ~。」

 メルロッテは緑の瞳を揺らしてエナリーナに答えると、ニアとエナリーナが着る女官の御仕着せに視線を投げる。
 メルロッテはニア達よりも鮮やかな色使いの衣装を纏い、一目でニア達とは待遇が違う事が分かる。

 パレスのハーレムでは『女官』と言われるが、所謂『女奴隷』としての身分が此のドラバルーラでのニアの身分だ。

 紺碧の巨大オアシスを取り巻く様に形成する『砂漠の宝石ドラバルーラ』。
 其の王族後宮であるハーレムに、ダフネが率いる娼婦のキャラバンから、仲買人に引き渡され入宮したニアとエナリーナ。

 そして、リュリアール皇国では男爵令嬢だったという、一つ年下の娘メルロッテ。

 ニアは、自分の子供を無条件に可愛いがるメルロッテの頭に手を伸ばすと、まるで大きな子供をあやす様に、ポンポンとメルロッテの軽く叩いた。

(私が言うのでは、説得力が無いけれど。)

 ニア自身、エリザベーラ時代から曖昧な閨教育しか受けていなかったのもあるが、男女の情事が子供を産む事だと、肝に銘じていた訳では無かったといのが正直な気持ち。

(確かに子を成して一人前の夫人と言われる様な此の時代でも、早く行為をしたいだけで、ジョシューと逢瀬を重ねたのじゃ無いもの。)

 とわいえタニアとしての夏至祭の一夜が、どんな気持ちだったのかは未だ分からない。

 其れでも、ニアはメルロッテに伝える。

「メルロッテ自身が思う相手に出会わなかったのだから、無理しなくて良かったのだと思う。」

 メルロッテが形の良い唇を尖らせた。

 横から見ても、メルロッテの顔はチャーミングで、ニアとよく似た垂れた瞳が魅力的だ。

「あ~、でもシルビーが可愛い過ぎる~。」

 メルロッテが溺愛する桃色の髪を持つ赤子が、メルロッテの顔に涎を付けたのが見えて、ニアは慌ててメルロッテの顔を化粧が取れない様に拭いた。

 
 エナリーナが『シルビー』と付けたニアの赤子は、此の一週間ですっかりハーレムの人気者と成っている。

 名前の由来は『豊かなる森』だと、砂漠の中に広がるドラバルーラの姿を見ながら、キャラバンに向かう仲買人を待つ間、エナリーナはニアに告げた。

 そんなエナリーナの言葉に、今もニアは意外な気がしている。

(てっきり、エリオットに因んだ名前を付けると思っていたけれど、森なんて、、意外だった。)

 しかも貴族らしい名前でも無い。

 其れに関しては全く抵抗が無いニアだが、エナリーナが命名した名前には、今のエナリーナの気持ちを感じるのだ。

 入宮前夜。

 二人だけの『禊』もあって、未だにニアはエナリーナに、ランダとの馴れ初めさえ聞けていないのだが、、

(婚約解消をしたのか、エナリーナが拉致されたのか。)

 ハーレムの女達に毎日渡す薬を作り続けるエナリーナは、メルロッテとの遣り取りの間でも手を止める事は無い。

「こんなに可愛いんだよ~。赤ちゃん欲しいかも~。」

 言いながらもメルロッテは、豊満な薄褐色の胸にシルビーを抱き込んで、ニアが自分の顔を拭いてくれた礼を言う。

「なら、メルロッテが『幸運なる者』に成ればいいじゃ無いの?王様の子供よ?」

 ドラバルーラの中央には巨大なオアシスが在り、オアシスの半分を覆うが如く石造りの宮殿が建てられている。

 ダフネが率いる娼婦のキャラバンのテントから宮殿へと、別の商人の手でニア達は連れて来られた。

 ドラバルーラの王族が住まう宮殿は『カーリフ・パレス』と呼ばれ、パレスの裏口から女官候補は入れられ、検分を受ける。

「メルロッテ夫人。もしかすれば首席に成るかもしれない。」

「やめてよぉ、ニーアもエナリーナも。ただ乙女だっただけの幸運だよ~。」

 白い女官服は、きっちりと肌を隠した作りで、ハーレムでは既婚もしくは処女喪失の者を表す。

 入宮検分の一つに、ユニコーンが処女を嗅ぎ分ける儀式があり、メルロッテは其の場で処女だと判明した為、ニアとエナリーナと違う衣装をメルロッテは着せられている。

(山のもののナタユに連れて来られのに、処女だったのは意外だったのよね。ランダとエナリーナの関係が、特別珍しい訳では無さそうだし。)

 メルロッテはシルビーをニアの手を渡すと、ダールの装飾窓に腰を上げて座った。

 カーリフ・パレスは石造りの砂漠建築で、薄褐色肌に、ダークレッドの髪をしたメルロッテの姿は、一際映える。

 ハーレムに連れて来られた女達と共に、宮殿の広場で鋭利な一角を持つユニコーンに、ニアやエナリーナは激しく威嚇をされた。
 まるで射殺さんばかりの勢いで、美しき幻獣に歯を剥かれるのだ。

(其の中の数人には、大人しく膝に頭を擦り付けたのよね、ユニコーンは。)

 ニアは赤子がいる故に、威嚇されるのは当たり前で、問題は無い。

 ドラバルーラのハーレムで働く女官は基本女奴隷であるが、処女だと王族の『お手付き』の可能性が出てくる。

(マラフィナの時にも、似た様な処女検分はあったから。)
 
 かつての前世とは違う方法での検分だったが、何せよメルロッテに擦り寄るユニコーンの姿には、ニアもエナリーナも驚いた。

 メルロッテは女官では無く、『幸福なる者』成る乙女として、正妃の侍女に成ったのだ。

 王の後継者は多いに越した事が無いと言う、考え方の現れは、マラフィナ時代と同様だった。

 例え奴隷の子であっても。
 
「あたしは、逆にエナリーナが羨ましいよ~。あんなにランダに愛されててぇ。」

 何の悪気も無く言うメルロッテの言葉に、エナリーナは敢えて答える事をしないままに、遠慮気味に微笑んだ。

 どうやらランダの独占欲の強さは、他の山のものの間でも話に挙がる程らしい。
 
 其れともメルロッテをドラバルーラに連れて来た、ランダの相棒であるナタユから話を聞いているのだろうかと、ニアはエナリーナを見た。

 エナリーナに会いにキャラバンへ来る時には、必ずランダはナタユという男も連れ立って来る仲なのだ。
 余程信頼しているのか、親友なのか。

(イグザムとザリアの間柄と似ているかもしれない。)

「あら?確かナタユはリュリアールじゃ無くて、ドラバルーラの出身だって聞いた気がするわ。」

 「そんな話じゃ無くて、って。え、ナタユはドラバルーラ人?」

「ええ。ドラバルーラから捨てられたって、、ランダが言ってたわ。」

「だからなんだぁ、あの人、一晩中踊らせるんだよねぇ。いくら踊り巫女の末裔っていってもねぇ限界があるよ~。でも、リュリアールの男じゃ無いって言うなら納得~。」

 リュリアール皇国は割と移民にも寛大に国を開いている。
 メルロッテは『踊り巫女の末裔』と呼ばれる一族のが母が実母だと語っていた。

「ドラバルーラの人って男でも、本当っ踊りとか歌が好きだよねぇ。あたしの部屋の近くでも夜になると、男の謳うが聞こえるんだよぉ。」

 メルロッテの母から考えれば、彼女自身が薄めの褐色肌であるのも頷け、きっと身体能力も高いのだろう。

 メルロッテは聞こえる歌に合わせて、毎夜庭で踊るという振り付けを、遊び半分でニア達に披露する。

 ダフネのキャラバンから仲買人に渡されたニア達は、乗せられた幌車の中で、少しは互いの話をしていたのだ。

「メルロッテって、男爵令嬢だったよね。違ってたらごめん。」

 ニアは、シルビーの尻布を当て直しながらメルロッテに聞く。

「全然だからぁ!だって~男爵の父の隠し子みたいなものよぉ。 もともと踊り巫女は色んな国を渡り歩く移民。ママンは踊りが上手かったの~。父親だって奴に見初められたのはいいけれど、ママンは自由人だったからなぁ。」

 メルロッテは、窓の石段に立ち上がり、軽く腰を振りながら一回りする。

「子供の時にママンが死んで、リュリアールから父親って男爵男の使いが来て、養子にさせられたのが運の尽きかなぁ。」

 そう笑うメルロッテの、男爵屋敷での生活は悲惨だったと続くのを、既にニアとエナリーナは幌車で聞き知っている。
 
 メルロッテは男爵屋敷で虐げられいたが、貴族学園に通う事で、過酷な屋敷生活を抜け出せたと言う。 
 何よりの恐怖が、父親が母親似のメルロッテを手籠めにしようとしていた事。

「挙げ句、あんな屋敷にいたら父親に襲われていたもん~。本当っとに、気持ち悪いったらぁ。」

 夫を誘惑する毒婦の娘と罵しる義理の母から、父親に隠れ、夜毎折檻を繰り返され、、

 其の証に、窓辺で踊るメルロッテの足の裏は、鞭傷で埋まっている。

「メルロッテ、、薬、欠かさないでね。」

 エナリーナが、薬を煎じる手を止めると、横の棚から一つの瓶を出してメルロッテの足裏へと、中身を塗り付ける。

「本当!学園じゃぁ、ニーアもエナにも会え無かったのが不思議よぉ。もっと早く会いたかったあ~。」

「メルロッテは一つ下だし、私は途中で学園に入ったから、仕方ない。」

 ニアは、尻布を変えて気持ち良さそうにするシルビーを、抱き上げる。

「そっかぁ。とにかくね、学園は楽しかったぁ。呼び戻されて卒業出来なかったのが残念~。ちょっといいなあって人もいたしねぇ。でも、全然釣り合わないからさぁ。ほら、男爵の妾子なんて、平民みたいなもんだし、、、」

 メルロッテは、呼び戻された男爵屋敷から、キャラバンに売られたのだ。

 (、、メルロッテには、少しでも恋する季節があって良かった、、)

 恋を知らず、娼婦のキャラバンに売られ、
処女のまま、ハーレムに入った、、成人前の少女は、気の向くままに、夜に聴こえる歌に合わせて踊っているのだ。


「メルロッテ、そろそろ戻った方が良いわよ。」

 ニアに抱かれたシルビーを愛おしそうに、眺めるメルロッテに、エナリーナが瓶を戻しながらも、忠告する。

「わ!しまった~!」

 正妃付き侍女の、自由時間の終わりを告げるドラが鳴った。
 正妃が昼寝から目覚めた合図だった。

 メルロッテは窓から飛び降りると、鮮やか衣装を翻し、ニアとエナリーナの視界から走って消えた。

しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?

シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。 ……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした

アルト
ファンタジー
今から七年前。 婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。 そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。 そして現在。 『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。 彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。

処理中です...