運命に花束を

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運命に祝福を

そして…… ②

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 時の流れは人の上に平等に流れている。
 テロリストの一味であったユリウス・デルクマンの名は時の流れと共に世間の噂話からは風化しつつある。現在も一応指名手配という形はとられているが、あのランティスの事件で首謀者が死んでから世界は元の平穏を取り戻していて、あの一連の事件は既に過去のものとして庶民の中では片付けられているからだ。
 けれど消えていかないのはその本人ではなく家族に対する誹謗中傷、如何せんユリウスの父親は名の通った人であったので、その集中砲火は酷いものであったと聞く。
 けれど彼はそんな非難を真っ向から受け止めて、何事かあればそれは全て自分の責任であると周囲に頭を下げて回った。
 元々人望の厚い人であったので、成人済みの息子のやった事と親の間には因果関係などないと擁護する声も多かったそうなのだが、ナダール・デルクマン騎士団長はあの事件の後、騎士団長の職を辞してしまった。
 現在ファルス王国は国王が変わり、騎士団内部も変革を求められ何かとごたついている。そんな中で俺の父親であるスタール・ダントンは変らず騎士団長を務めており、俺は父親の任されている第4騎士団で現在は一兵卒として働いている。

「あ、ノエル!」

 出勤のため大通りを歩いていると声をかけられ、そちらを向くとそこには周囲の人間から頭一つ分抜けて大きな男がこちらに向かって大きく手を振っていた。

「ウィル、久しぶり」

 そう言って俺が近付いて行けば、男はその逞しい体躯には些か不似合いな幼げな笑みを見せた。その笑みは彼と初めて出会った頃と変わらない人懐こい全開の笑顔だ。
 出会った当初は俺とさほど変わらない体格をしていたウィル・レイトナーは現在俺よりも頭一つ分大きく成長している。父親であるアイン・シグ第三騎士団長が見上げるほどに大きく逞しい男性なので、これはもう完全に血筋だろう。
 ランティス王国の留学から帰国したウィルは、それまで嫌っていた勉学にも真面目に取り組み、騎士団に入団してからはとんとん拍子に出世して現在は20代にして第三騎士団の副団長として日々忙しく働いている。
 兵卒の俺と違って副団長ともなれば責任がついて回る。最初のうちこそ大丈夫かな? と心配したものだが、最近は危なげもなく部下を指導していて、元々彼には人の上に立つ素養もあったのだろうなと俺は思う。

「ノエルは今から出勤?」
「そうだよ、ウィルは帰り? 夜勤大変だな、しかも責任者だもんな、おちおち休めなさそう」
「まぁ、若いうちの苦労は買ってでもしとけって父ちゃ……父も言っているからこれくらいはどうという事もない。出来る事は何でもしていかないと周りにまた親の七光りって言われるしな……はぁ」

 大きく吐いた溜息に、彼にもそれなりの苦労があるのだろうと察した俺は「おつかれ」と労いの言葉をかけた。

「でも、家に帰ればリリーが待ってんだろ?」

 続けた俺の言葉に少し格好つけようとしていたウィルの相好が崩れる。いつでも少し実年齢より上に見られがちな彼だけれど、年齢はまだ20代になったばかり、ついでに言うなら新婚ほやほやの彼は家で待っているお嫁さんに相変らずぞっこんだ。

「へへ、結婚はいいぞぉ。嫌な仕事でもリリーの為ならって頑張れるし! イグ兄とミヅ姉も今度結婚するらしいじゃん? ノエルもそろそろ……」
「俺はそういうの考えてないから」

 悪気もなく放ったウィルの言葉に被せるように俺は言い切る。

「そもそもうち両親も結婚してないしさ、あんまり結婚に夢見れないって言うか……家族とか、そういうのよく分からないし」

 片親家庭で育った俺のその言葉は決して嘘ではない。けれど、それは言い訳でしかない事も俺は分かっている。

「ノエルは……まだ、好きなの?」

 ウィルからの問いに俺は返事をせずに「今は仕事で手一杯だよ」と笑ってやった。

「ってか、まだ焦る歳じゃないし! お前は早いんだから、そういうの無闇に周りに強要するなよ、下手したら部下にパワハラで訴えられるぞ」

 俺のその言葉にウィルはビクッと身を固め、口を押える。

「え? こんなんで訴えられるの?」
「時と場合によってはな」

 「こっわ」と呟いてウィルは笑う。問への返事をしなかった俺にそれ以上突っ込んでこなかったのは彼なりの優しさだろう。「今度飲みに行こう」と笑顔で口約束をかわして俺達はお互いの進む道へと歩き出した。
 俺は職場である詰所へ向けて歩き出す。そんな俺の脇をゆっくりとした速度で自動車が走り抜けていく。
 まだまだ移動手段としては馬車が主流のイリヤにおいて自動車を見かけるのは珍しく、俺は走る自動車をつい瞳で追ってしまう。
 あれは何処の自動車だろうか? 自動車自体の製造は現在メリアが独占している状態でファルスにおいて自動車は贅沢品の部類に入る、けれど輸入車に乗る事は最近金持ちの間ではステータスにもなってきているらしい。
 まだまだ自動車は高級品で庶民が乗れるような代物ではないが、いずれはその辺を普通に走り回る時代が来るのだろうか……と、俺は感慨深く走る自動車を眺めやった。
 自動車と言えば事件から数年後、唐突にレイシア姫とその従者のグレンさんは自動車販売業を立ち上げた。会社の後ろ盾になっているのはグライズ公爵家で、製造・輸出・販売と手広く事業を展開しているらしい。
 販路拡大などの営業をかけているのはレイシア姫、グレンさんは製造を一手に引き受けていて、時流に乗ったものか商売は右肩上がりの成長を遂げているらしい。なんで突然お姫様がそんな事を……? と疑問は尽きないのだが、親しい間柄な訳ではないのでその真意は全くの不明。けれど、人生上手くいっているのであれば結構な話なのではないだろうか。
 そして姫が事業を立ち上げた頃、メリア王国はついに王国から民主国へと変貌を遂げた。王様がいない国というのが俺にはまだよく分かっていないのだけど、国に関する何か大きな物事を決める時には国民が投票というものをやって決めていくのだそうだ。
 メリア王国の最後の国王陛下であるレオン・ファースト・メリアは名をレオン・スフラウトに改め、政から完全に退き現在は妻と共に悠々と隠居生活を始めたと王子様廃業を余儀なくされたツキノが笑って教えてくれた。
 そんなツキノは現在二児の母……いや、父? となって、カイトと仲良くランティスで暮らしている。
 最初に生まれた子はツキノが産んだのでこの場合ツキノが母親な訳だけれど、二番目の子はカイトが産んだそうなので、その子にとってはツキノは父親。家庭内でどういう風に子供達に自分達の事を説明しているのか分からないのだけれど、まぁ、仲睦まじく暮らしているのなら何でもいいのかな。
 カイトは現在エリオット王子の一人息子として完全に王家の人間として認知されている。けれどその立場に多いに不満があるカイトは現在メリアに続きランティスの王政廃止を訴えている。
 そこに関してはツキノの両親、カイトにとっては義両親にあたるメリア元国王夫妻が先駆者であるので色々と意見を聞きながら改革は水面下で進んでいるとかいないとか。
 他国の、しかも国政に関わる問題だからあまり詳しくは聞けないけど、こうやって世界は目まぐるしく変化していくのだな、と俺は思わずにはいられない。

 時は人の上に平等に流れている。
 その時間は俺の上にも平等に流れているはずなのに、周りの人達がどんどん変化して前に進んでいく中、俺だけは立ち止まり成長がないなとふと思う。年齢ばかり重ねて見た目は大人になったけれど、俺はあの頃から進む事も戻る事も出来なくなってしまった。
 あの事件は皆の心の中では既に過去のものとなっている、けれど俺の中では未だ消化不良のまま続いている事件なのだ。
 何故ユリウスは一度は俺を攫っておきながら俺を置き去りにしたのだろうか……幾ら考えても答えは出ない。そこには俺は二度彼に捨てられたのだという事実だけが残っていた。


  ※  ※  ※


 イリヤは我が国ファルス王国の首都だ、人口はもちろんとても多くて市場はいつでもとても賑わっている。この街に初めてやって来た時にはあまりの人の数に俺はその波に飲み込まれて、前に進む事も出来なかったのだが、今ではもうすっかり慣れたもので、そんな人波も平気ですいすいと渡っていけるようになっている。
 観光や出稼ぎでやって来た人間は最初の頃の俺のようにこの人波にまごついているので、とても分かりやすい。俺はそんな人達を見付けては、恩返しをするように助けて回っている。初めて俺がこの街に来た時に、そんな風に俺を助けてくれたのが彼だったから。
 その日も城門前を何とはなしに見回っていると、人波にまごつく小さな子供を見付けた。子供は恐らく前を歩く男の子供なのだろう、必死に付いて行こうとしているのが分かるのだが、子供の父親は1人でずんずん進んで行ってしまい子供を気にかける様子もない。
 あの調子ではあの親子はぐれてしまうぞと思った俺は人波を掻き分けて親子の傍に寄っていく。子供は一生懸命男のあとを追いかけていたのだが、ついに横から流れて来た人波に流され、俺はそれを掬い上げた。

「坊や、大丈夫かい?」
「あ……」

 子供は小さく口籠る。あまり言葉が出てこない子供なのか、父親を呼びもしないし、泣く事もしない。子供の瞳は黒く、フードから覗いた髪の毛も漆黒の黒で、この親子は山の民か……と、そう思った。
 あの事件以降黒髪の人間が悪さを働くなどという話は随分減っていて、「山の民」という言葉自体が今となっては差別用語だ、恐らく言われる方も気分を害す。気を付けなければと思いつつ、俺は腕の中の子供に笑みを向けた。

「大丈夫? あの人の後を追うんだよね?」

 彼の父親は体格のいいとても大きな人だった、人波に流されてもその後姿はまだ見えていて、俺が子供にそう尋ねると、彼は小さく頷いた。

「ここは人が多いからね、掴まっておいで」

 俺はその子を抱き抱え父親と思われる男の後を追う。男は子供が人波に流された事にもまるで気付いていない様子で、どんどん道を進んで行ってしまいなかなか追い付けない。
 子供をこんな場所に連れ出したのなら少しは気にかけてやれよ、と俺は少しばかり腹立たしい。都会には悪い人間だってごまんといる、可愛い我が子が攫われてもいいのか!? と俺は憤りを隠せない。

「ちょっと! ちょっとそこの人!!」

 俺が男の旅装束を掴み引っ張ると男の羽織ったフードが外れて綺麗な金髪が零れ落ちた。俺はそれに激しく動揺する。
 金髪の人間なんてここイリヤでは最近そう珍しくもない、なのに俺はその色に動揺してしまう。だって子供の瞳も髪も黒いのに、彼の髪は驚くほどに綺麗な金色だったのだ。

「…………」

 男の顔は髭で覆われ人相がよく分からない、けれど振り向いたその瞳は俺の探し人に似てとても綺麗な紫色をしていた。思えば俺はここイリヤではいつでも人を探している気がする。

「お子さん、はぐれちゃいますよ」
「あぁ……」

 男は興味もなさそうに子供を見やり「さっさと来い」とでも言いたげに顎をしゃくり、すぐに踵を返した。俺の腕の中の子供はその仕草に反応するようにして俺の腕から飛び出し、父親の後を追い駆けて行く。

「ちょっと!」

 俺は男を追いかけもう一度服の端を掴み言うのだが、男は、今度はこちらを見もしないで、小さく舌打ちを打った。

「せめて子供の手を引くくらいしたらどうですか!? 迷子になったら探すの大変だよ!」
「…………」

 男は無言で何も答えない。子供が気遣うように俺を見上げる。まだ幼い子供だ、本当だったら抱いて歩いてもいいくらいだ。

「ねぇ!」
「ノーア」

 男の声に子供の身体がびくりと跳ねて、父親を見上げた。その顔はどう見ても怯えた表情で、俺は思わず男と子供の間に割り入った。

「この子、本当に貴方の子ですか? もしかして誘拐ですか? だったら俺は貴方を捕縛しなければならない」

 男は目深にフードを被り直し、もう一度「ノーア」と子供の名前を呼ぶ。
 子供は俺の腕を掴んで無言で小さく首を横に振った。もうこれは誘拐で間違いないと俺が子供を抱き上げると、子供は驚いた表情で「お父さん!」と、そう声を上げた。

「この人は本当に君の父親なの?」

 子供は無言で今度は首を縦に振る。先程首を振ったのは誘拐されているという意思表示ではなく、この人は自分の父親で間違いないから止めてくれという意思表示だったようだ。
 ノーアと呼ばれた少年はまたしても俺の腕から飛び出して、今度は父親の羽織の裾を掴んだのだが、男はその掴んだ手を、まるで犬を追い払うような手付きで払い除けた。

「お前……!」
「自分の子をどう扱おうが親の勝手だろう……」

 俺は男の言葉に身を震わせる。その内容にではない、声が……似ている。あの人だったら絶対そんな事は言わない、そんな事は分かっているのに金色の髪、紫色の瞳、そして声まで男は俺のかつての恋人ユリウスにそっくりだった。
 まさか、とは思う、そんな訳はないと頭は否定するのだが俺がまじまじと男を見詰めると、男はふいと瞳をそらした。

「ノーア、行くぞ」

 子供は無言で男に続く、追ってはいけないのだとそう思った。だけど俺は心の中のその警告に従う事ができなかった。

「待って! ユリ兄!」

 男は何も言わずに無言で歩いて行く、子供ははらはらと俺と父親を交互に見やって心配そうな表情を見せている。

「ねぇ! ユリ兄! ユリ兄なんだろう!?」

 三度俺が男の羽織を掴むと「その男は……もう死んだ」と、男は瞳も合わせずそう言った。
 見付けた! ようやく見付けた!! 間違いない、ユリ兄だ。風貌も言動もまるであの頃の面影もないけれど、間違いない、俺が間違える訳がない。

「離せ」
「離さない!」

 俺の放った言葉に男の動揺が伝わってくる。

「あの時、メルクードに一緒に付いて行かなかった事を俺はずっと後悔していた、ずっと探してた……ようやく、見付けた……」
「……人違いだ」
「それでもいい、貴方はあまりいい暮らしをしていなさそうだ。俺の家に来てよ、ご馳走するよ。俺、料理は得意なんだ」

 途端に鳴きだす腹の虫、それは傍らの子供ノーアの腹が鳴ったようで、少年は慌てたように自身の腹を押さえた。

「子供も腹を空かせてる、お願いだから一緒に来て」

 男は子供を睨みつける、こんな表情を見せる人ではなかった。誰にでも優しい人だった、でも彼は間違いなく俺の愛した彼で間違いないと確信していた。
 俺が子供を抱き上げると、男は諦めたように不承不承頷いた。

「名前は? ノーア?」

 幼い子供は戸惑ったように父親を見やり、父親が何も言わないので小さく小さく頷いた。

「俺の名前はノエル、よろしくな」

 ノーアはまた小さく頷く。
 ノーアは大人しい子供だった、ほとんど言葉を発しない。喋れない訳ではないようだが、言葉がほとんど出てこない。言っている意味は理解しているようなので分からない訳ではなさそうなのだが、彼の口からはほとんど意味のある言葉は出てこなかった。
 俺は1人で喋り続ける、男も何も語らない。

「大して広い家じゃないけど……」

 イリヤにやって来て借りた部屋、二部屋と小さなダイニングキッチンしかないその部屋はそれでも俺の城だった。
 すくすく成長してしまった俺にとってもあまり広い家ではないのだが、俺より体格のいい男が部屋に入ってくると部屋は更に狭く見えて、俺は思わず笑ってしまう。

「何を笑う?」
「何でもない、適当に座っていて」
「こんな見ず知らずの得体の知れない男を連れ込んで、お前は怖くはないのか?」
「? 知らない人だとしても別に怖くないかな……今の俺なら悪人でもねじ伏せられる自信があるから」
「はっ、凄い自信だな。身の程知らずも甚だしい」

 「そうかもね」と、俺が苦笑で返すと、男はどかりとソファーに腰をかけた。ノーアはどうしていいのか分からないようで、玄関先で立ち竦んでいる。

「ノーア、良かったら、こっちにおいで」

 台所に立ってそう声をかけるとノーアは驚いたような表情でこちらを見やった。

「お客さんだから、本当は手伝わせるのどうかと思うんだけど、もし良かったら、おいで」

 身の置き所がなさそうな彼に声をかけると、彼はやはりおずおずと頷いて俺の方へとやって来たので、手を洗わせて料理の手伝いをして貰った。幼いわりにやる事は理解していそうなノーアはもしかしたら家事は慣れているのかもしれない。普段からやっているのか、やらされているのか、俺にはまだ分からない。
 家にある食材の全部を使って料理を作った、だって俺はユリウスが大食漢である事を知っている。そして、思っていた通り彼等はそれをぺろりと食い尽くした。
 最初は不機嫌そうな態度をとっていた男だったが一口二口食べ進めてからは、止まらなくなってしまったのか、一気に料理を食べていく。身なりは浮浪者のそれなのに、いくら食べても食べ方はとても綺麗で、俺はますます彼がユリウスで間違いないと確信を深めた。
 驚いた事に小柄で細身のノーアもよく食べる。最初はおずおずしていた彼だったのだが、俺が食べてもいいと頷くと、目を輝かせて食事を掻き込んだ。
 それはまるで食い溜めをしているかのようで「慌てなくていいから」と俺が彼の頭を撫でると、何故か男に睨まれた。



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