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運命に祝福を
襲撃 ①
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奴隷売買、人を物とみなして売り買いする行為。
人というのは本来自由でなければならない、何者にも囚われる事なく人間らしい生活を送るのが人の営みというものだ。けれど、この世の中にはそんな常識を顧みもせずに平気でそういう事をする悪い奴等がいる。俺は、そんな人間は許せない。
「これは凄いですね……」
俺達は行商人達の取調べをじいちゃん達自警団の人に任せて、現在ツキノの書斎を訪れている。
「ね、まだちゃんと全部分類できてる訳じゃないんだけど、この辺がファルスの資料、あっちがメリアでこっちがランティスだよ」
「オレ、ここ無理だわ、頭痛くなる……」
「俺もあんまりこういう場所は得意じゃないな」
俺がそうやってその屋根裏の隠し部屋を案内していると、ウィルは「無理無理」と苦笑するし、イグサルさんも「ここでなら俺は3分で寝られる自信がある」と訳の分からない自慢をする。ユリ兄だけは唯一興味を持ってその場の資料を眺めていて、本を一冊取り出してぱらりとページを捲った。
「ずいぶん古い本ですね」
「元々は、今の国王陛下が若い頃に使っていた部屋だそうだから」
「さすがにこの人数だと、少し狭いな……」
「はは、元々ここ、こんな人数入るの想定してないんじゃないかな?」
そんな事を言って眉間に皺を刻むツキノと、相変わらずマイペースそうなカイト、現在その書斎には6人がぎゅうぎゅうと集っている。そこまで狭い訳ではないのだけど、所狭しと置かれた書籍や資料が人のいられる場所を制限していて、各々自分の場所を確保するので手一杯だ。
セイさんと別れたあと、俺達の後を追いかけて来たツキノとカイトと合流した俺達は、とりあえずゆっくり話せる場所を求めてここへやって来たのだが、こうなってくるとゆっくりと言うのにも無理がある。
「それはそうとツキノ、先程の話、私は賛同できません。貴方が私達と共にメルクードに来ても貴方にできる事はありません。メリアが無事民主化を果たすまで貴方はここにいるべきです」
ここを訪れるまでの道程でツキノはユリ兄に自分もメルクードに行く、と彼に告げたのだが、それにユリ兄は難色を示している。
「いるべきって何だよ、ここに居たって結局襲われたじゃねぇか、だったらどこに居たって同じだろ」
「そもそも貴方は騎士団員ではないので私達と一緒にいる事もできませんし、貴方のその黒髪はランティスではやはり差別を受けるはず、そんな思いをしてまで貴方がランティスに来るメリットは何もない」
ユリ兄の言葉にツキノは不機嫌そうに顔を歪める。
「メリットって何だよ、俺はそんな事は考えちゃいない。行こうと思ったから行く、それは俺が決める事だ」
「ツキノ、貴方もうすっかり元通りですね。一年前のしおらしさはどこに消えたのですか? 貴方は他人に迷惑をかけないよう、大人しくしていると、自分でそう考えてルーンに留まったのではなかったですか?」
「俺は一年間大人しくしてたじゃねぇか、なのに事態は一年前と何も変わらない。この町では俺は何もできない、まるで人形みたいに大事にされて守られてるのに嫌気がさしたんだ」
怒ったようにツキノは言う。確かにツキノにはこの町の生活は退屈だったかもしれない、何もない田舎町だ、しかもほとんどの人間が彼を女の子扱いにするし、居心地は悪かったと思う。
「それに、俺を襲ってきた奴、あんな奴が来るようじゃ俺の居場所なんてもうとっくにメリアの人間にバレてるんだろ、だったらもう俺がここに留まる理由がない」
「それにしてもですね……」
「なんだよ、ユリは俺がメルクードに行くのがそんなに不満かよ」
「不満なのではなく、兄として心配しているのですよ」
そう言われてもやはりツキノの顔は仏頂面だ。
「最初はメルクードに行く面子の中にルイ姉さんも居たのです、けれどそれを止めたのは父さんです。父さんはランティスでその赤髪がどれほど嫌われているかを知っていてそれを止めたのです。私もこの半年をメルクードで過して、そんな異質な物を嫌うメルクードの空気は痛いほどに感じています。貴方にはメルクードは辛いばかりでいい事はありませんよ」
「だけどさ、俺は思うんだ。嫌な思いをするからって逃げ隠れしていて何か事態が好転するか?」
「それは追々時間をかけてですね……」
「そんな悠長な事言ってる暇があるのかよ? 父さん言ってただろう、のんびりしてたらランティスという国自体が崩壊する可能性もある、ってな」
「それとこれとは話が別です、全ての事件を解決させる、この差別問題はその次の問題ですよ」
ツキノは不機嫌そうに片眉を上げて「この問題は全部繋がってんだろ」とぼそりと呟いた。
「元々、ランティスがここまでメリア人嫌いになったのは何でだ? そこに争いがあったからだろう? 今は2国間にはほとんど争いはない、だけどこの有様なのは何でだ? そこにお互いが分かり合おうって気持ちがないからだろう? 確かに行かなければ嫌な思いもしないかもしれない、だけど話し合わなければ知る事もできない。それを全部他人に任せて、解決したらそれで良し? 本当にそれで上手くいくのか? 誰かがその嫌な思いを引き受けて問題解決しなければ駄目なんだろう? だったらそれは、メリア国王の息子である俺の仕事なんじゃないのか?」
「ツキノ……」
「国民の重責を負わずして何が王族だ、守られているだけで何もしない王族に何の意味がある? 俺が王族の人間として生まれた事に意味があるのだとしたら、それは今俺がメルクードに行って、全てのわだかまりを払拭する事くらいだろう、違うか?」
誰もが驚いたようにツキノを見ている、まさか彼がそこまでの事を考えているとは誰も思っていなかったのだ。
「ツキ兄がすごくまともな事言ってる……」
「なぁ、ちょっと待ってくれ、誰がメリア国王の息子だって……?」
一人事情が飲み込めていないイグサルさんが戸惑い顔だ。
「カイトがランティスの王子だって事は今回の留学で聞いてたけど、そっちの事情は聞いてないぞ? ツキノはユリウスの弟だろ? いや、髪色が違うから騎士団長の養子だってのは分かってたけど、メリアの王子? 何でそんな人間が市井の暮らしをしてるんだ?」
ユリ兄、イグサルさんには言ってなかったんだ。そうだよね、俺がそれを知ったのもたまたま偶然で、そんなに大きな声で言える事じゃないもんね。
「それはツキノが私の従兄弟だからですよ、イグサル」
「従兄弟……?」
「私の母がメリア人である事はイグサルも知っていると思いますが、私の母は元々メリア王家の人間です、その関係でツキノは我が家に預けられた、ツキノはメリア現国王の一人息子です」
ぽかんとした顔のイグサルさん、本当に何も知らなかったのだろう、驚いたように全員を見回している。
「え? 待て、何だこれ? 知らなかったの俺だけか?」
「オレもあんまりちゃんと聞いてなかったけど、お城にツキ兄のじいちゃん居たし、なんか色んな人の話を繋げてくとそんな感じ? って、何となく思ってたよ。ビックリだったけどね~」
あまり深く考えていなさそうなウィルは笑って「それよりもオレはカイ兄がランティスの王子って話の方が初耳なんだけど?」と小首を傾げた。
「でも何かそれで納得だけどね、ツキ兄とカイ兄、2人とも王子だったんじゃん、こういうのオレ知ってるぞ、こういうの『運命の番』って言うんだろ?」
ツキノとカイトが顔を見合わせウィルの言葉に苦笑する。
「まぁ、そうだな。俺達はまぎれもなく『運命の番』だったよ」
「本当、そうだよね」
お互いの手を握って2人は笑う。ビックリだよ、ツキノもそんな風に笑うんだ? カイトも初めて会った日には『僕の運命は僕に冷たい……』とか泣きそうな顔で言ってたのがまるで嘘みたいに笑ってるし、なんかもう、ちょっと羨ましいよ!
「お前等! そこでさりげなく俺の傷口に塩塗りこむなっっ!!」
「きっとそのうちイグ兄にもいい人、現れるよ」
ウィルがけらけら笑ってイグサルさんの肩を叩くと「もう俺は恋なんてしない」とイグサルさんは不貞腐れた。
人というのは本来自由でなければならない、何者にも囚われる事なく人間らしい生活を送るのが人の営みというものだ。けれど、この世の中にはそんな常識を顧みもせずに平気でそういう事をする悪い奴等がいる。俺は、そんな人間は許せない。
「これは凄いですね……」
俺達は行商人達の取調べをじいちゃん達自警団の人に任せて、現在ツキノの書斎を訪れている。
「ね、まだちゃんと全部分類できてる訳じゃないんだけど、この辺がファルスの資料、あっちがメリアでこっちがランティスだよ」
「オレ、ここ無理だわ、頭痛くなる……」
「俺もあんまりこういう場所は得意じゃないな」
俺がそうやってその屋根裏の隠し部屋を案内していると、ウィルは「無理無理」と苦笑するし、イグサルさんも「ここでなら俺は3分で寝られる自信がある」と訳の分からない自慢をする。ユリ兄だけは唯一興味を持ってその場の資料を眺めていて、本を一冊取り出してぱらりとページを捲った。
「ずいぶん古い本ですね」
「元々は、今の国王陛下が若い頃に使っていた部屋だそうだから」
「さすがにこの人数だと、少し狭いな……」
「はは、元々ここ、こんな人数入るの想定してないんじゃないかな?」
そんな事を言って眉間に皺を刻むツキノと、相変わらずマイペースそうなカイト、現在その書斎には6人がぎゅうぎゅうと集っている。そこまで狭い訳ではないのだけど、所狭しと置かれた書籍や資料が人のいられる場所を制限していて、各々自分の場所を確保するので手一杯だ。
セイさんと別れたあと、俺達の後を追いかけて来たツキノとカイトと合流した俺達は、とりあえずゆっくり話せる場所を求めてここへやって来たのだが、こうなってくるとゆっくりと言うのにも無理がある。
「それはそうとツキノ、先程の話、私は賛同できません。貴方が私達と共にメルクードに来ても貴方にできる事はありません。メリアが無事民主化を果たすまで貴方はここにいるべきです」
ここを訪れるまでの道程でツキノはユリ兄に自分もメルクードに行く、と彼に告げたのだが、それにユリ兄は難色を示している。
「いるべきって何だよ、ここに居たって結局襲われたじゃねぇか、だったらどこに居たって同じだろ」
「そもそも貴方は騎士団員ではないので私達と一緒にいる事もできませんし、貴方のその黒髪はランティスではやはり差別を受けるはず、そんな思いをしてまで貴方がランティスに来るメリットは何もない」
ユリ兄の言葉にツキノは不機嫌そうに顔を歪める。
「メリットって何だよ、俺はそんな事は考えちゃいない。行こうと思ったから行く、それは俺が決める事だ」
「ツキノ、貴方もうすっかり元通りですね。一年前のしおらしさはどこに消えたのですか? 貴方は他人に迷惑をかけないよう、大人しくしていると、自分でそう考えてルーンに留まったのではなかったですか?」
「俺は一年間大人しくしてたじゃねぇか、なのに事態は一年前と何も変わらない。この町では俺は何もできない、まるで人形みたいに大事にされて守られてるのに嫌気がさしたんだ」
怒ったようにツキノは言う。確かにツキノにはこの町の生活は退屈だったかもしれない、何もない田舎町だ、しかもほとんどの人間が彼を女の子扱いにするし、居心地は悪かったと思う。
「それに、俺を襲ってきた奴、あんな奴が来るようじゃ俺の居場所なんてもうとっくにメリアの人間にバレてるんだろ、だったらもう俺がここに留まる理由がない」
「それにしてもですね……」
「なんだよ、ユリは俺がメルクードに行くのがそんなに不満かよ」
「不満なのではなく、兄として心配しているのですよ」
そう言われてもやはりツキノの顔は仏頂面だ。
「最初はメルクードに行く面子の中にルイ姉さんも居たのです、けれどそれを止めたのは父さんです。父さんはランティスでその赤髪がどれほど嫌われているかを知っていてそれを止めたのです。私もこの半年をメルクードで過して、そんな異質な物を嫌うメルクードの空気は痛いほどに感じています。貴方にはメルクードは辛いばかりでいい事はありませんよ」
「だけどさ、俺は思うんだ。嫌な思いをするからって逃げ隠れしていて何か事態が好転するか?」
「それは追々時間をかけてですね……」
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「それとこれとは話が別です、全ての事件を解決させる、この差別問題はその次の問題ですよ」
ツキノは不機嫌そうに片眉を上げて「この問題は全部繋がってんだろ」とぼそりと呟いた。
「元々、ランティスがここまでメリア人嫌いになったのは何でだ? そこに争いがあったからだろう? 今は2国間にはほとんど争いはない、だけどこの有様なのは何でだ? そこにお互いが分かり合おうって気持ちがないからだろう? 確かに行かなければ嫌な思いもしないかもしれない、だけど話し合わなければ知る事もできない。それを全部他人に任せて、解決したらそれで良し? 本当にそれで上手くいくのか? 誰かがその嫌な思いを引き受けて問題解決しなければ駄目なんだろう? だったらそれは、メリア国王の息子である俺の仕事なんじゃないのか?」
「ツキノ……」
「国民の重責を負わずして何が王族だ、守られているだけで何もしない王族に何の意味がある? 俺が王族の人間として生まれた事に意味があるのだとしたら、それは今俺がメルクードに行って、全てのわだかまりを払拭する事くらいだろう、違うか?」
誰もが驚いたようにツキノを見ている、まさか彼がそこまでの事を考えているとは誰も思っていなかったのだ。
「ツキ兄がすごくまともな事言ってる……」
「なぁ、ちょっと待ってくれ、誰がメリア国王の息子だって……?」
一人事情が飲み込めていないイグサルさんが戸惑い顔だ。
「カイトがランティスの王子だって事は今回の留学で聞いてたけど、そっちの事情は聞いてないぞ? ツキノはユリウスの弟だろ? いや、髪色が違うから騎士団長の養子だってのは分かってたけど、メリアの王子? 何でそんな人間が市井の暮らしをしてるんだ?」
ユリ兄、イグサルさんには言ってなかったんだ。そうだよね、俺がそれを知ったのもたまたま偶然で、そんなに大きな声で言える事じゃないもんね。
「それはツキノが私の従兄弟だからですよ、イグサル」
「従兄弟……?」
「私の母がメリア人である事はイグサルも知っていると思いますが、私の母は元々メリア王家の人間です、その関係でツキノは我が家に預けられた、ツキノはメリア現国王の一人息子です」
ぽかんとした顔のイグサルさん、本当に何も知らなかったのだろう、驚いたように全員を見回している。
「え? 待て、何だこれ? 知らなかったの俺だけか?」
「オレもあんまりちゃんと聞いてなかったけど、お城にツキ兄のじいちゃん居たし、なんか色んな人の話を繋げてくとそんな感じ? って、何となく思ってたよ。ビックリだったけどね~」
あまり深く考えていなさそうなウィルは笑って「それよりもオレはカイ兄がランティスの王子って話の方が初耳なんだけど?」と小首を傾げた。
「でも何かそれで納得だけどね、ツキ兄とカイ兄、2人とも王子だったんじゃん、こういうのオレ知ってるぞ、こういうの『運命の番』って言うんだろ?」
ツキノとカイトが顔を見合わせウィルの言葉に苦笑する。
「まぁ、そうだな。俺達はまぎれもなく『運命の番』だったよ」
「本当、そうだよね」
お互いの手を握って2人は笑う。ビックリだよ、ツキノもそんな風に笑うんだ? カイトも初めて会った日には『僕の運命は僕に冷たい……』とか泣きそうな顔で言ってたのがまるで嘘みたいに笑ってるし、なんかもう、ちょっと羨ましいよ!
「お前等! そこでさりげなく俺の傷口に塩塗りこむなっっ!!」
「きっとそのうちイグ兄にもいい人、現れるよ」
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