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第二章:妊娠編
顛末②
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結局その後俺とロゼッタさんの対決はかなりうやむやに終わったのだけど、びっくりな事にイベントに参加していた人達で少なくない数のカップルが成立したと聞いて俺は驚いている。まぁ、元々そのつもりでここに来てる人も多かったんだろうし、ロゼッタさんを射止める事が出来なかったとしてもここにはある程度身分も金もある妙齢の人物が集められていた訳で、カップルが成立したというのならおめでたい事だよな。
ちなみにそんな中で対決に参加していたミレニアさんがとても渋い表情を見せている。本来なら嫁になる方ではなくお嫁さんを貰いたい側のミレニアさんだけど、俺の事を気遣ってこの対決に参加してくれたものだから、嫁に欲しいって人が引く手数多で困ってるみたい。ミレニアさん美人だし、手先が器用なのも料理が上手なのもポイント高かったんだろうね。
ちなみにミレニアさんが作った料理はなんだか手の込んだコース料理だった。うちでは通いのシェフがお休みの日にはミレニアさんが料理を作っているんだから、そのくらい朝飯前だよね。
だけどうざったそうに求婚してくる相手を捌きながら目で追いかけるのは婚約者のバートラム様。バートラム様はロゼッタさんの横で楽しそうに笑っているんだけど、たぶん気になって仕方がないんだろうね、ミレニアさんってホント素直じゃないんだから。
その一方で事が上手く運ばなかったハロルド様は不機嫌そうにこちらを睨みつけている。筋書では今頃ロゼッタさんとライザックの婚約発表だったのだろうけど、ロゼッタさんが「ライザックがこんなに貞操観念の緩い人だとは思いませんでした!」と、ライザックに背を向けたので、計画は完全に頓挫したらしい、ご愁傷さま。
怒れるハロルド様に何かされるかも……なんて俺は心配してたんだけど、そこはロゼッタさんに殴られた事で吹っ切れたのかライザックが徹底的に俺を守ってくれていて、現在ハロルド様はこちらを睨み付けるにとどまっている。でもな、これから同じ家に帰る訳だし、今は俺を守ってくれているライザックだって四六時中一緒にいられる訳じゃない、完全にハロルド様に嫌われている事が分かった今、同じ屋敷に暮らすのきっついなぁ……まぁ、それでもこの腹の子の為に俺は負ける訳にはいかないんだけど。
なでなでと腹を撫でていると、ライザックに「大丈夫か?」と顔を覗き込まれた。
「うん、平気。それより早く家に帰りたいな、やっぱりここは落ち着かないよ」
「それなんだがなカズ、私はあの家を出ようと思うのだがカズはついて来てくれるだろうか?」
「へ……?」
青天の霹靂、家を出る? あの屋敷を?
「別に構わないけどなんで?」
「私は今まであの家を守る事は私の責務だと思ってきた、だがそうではないと気が付いたのだ。守るべきは家ではない、私が守りたいのは幸せな家庭、そしてカズとその子供。家にしがみついても幸せなどやってはこない、私はそれに気が付いた。だから私は家を出る」
いつも柔和な笑みを浮かべるばかりのライザックが珍しく真剣な表情だ、ふぅん、ちょっとそんな表情も格好いいね。
「ふふ、いいんじゃない? その方が俺もこの子を安心して産めそうだし」
「カズならそう言ってくれると信じていた、ありがとう」
ライザックが俺の肩をやんわりと抱き寄せた。あぁ、ここが人前じゃなかったら頬にキスのひとつでもしてやるのにな。
それにしてもまた新たな新生活か、この先俺の生活はどんな風に変わっていくのだろう? 何が起こるかなんて分からない、だってただの普通の男子高校生だった俺が妊娠なんて摩訶不思議な事になってるんだから、これからだって何が起こっても不思議じゃない。
でもまぁ、俺の周りは一部を除いて良い人ばかりだし、なんとかなるって信じてる!
ちなみにそんな中で対決に参加していたミレニアさんがとても渋い表情を見せている。本来なら嫁になる方ではなくお嫁さんを貰いたい側のミレニアさんだけど、俺の事を気遣ってこの対決に参加してくれたものだから、嫁に欲しいって人が引く手数多で困ってるみたい。ミレニアさん美人だし、手先が器用なのも料理が上手なのもポイント高かったんだろうね。
ちなみにミレニアさんが作った料理はなんだか手の込んだコース料理だった。うちでは通いのシェフがお休みの日にはミレニアさんが料理を作っているんだから、そのくらい朝飯前だよね。
だけどうざったそうに求婚してくる相手を捌きながら目で追いかけるのは婚約者のバートラム様。バートラム様はロゼッタさんの横で楽しそうに笑っているんだけど、たぶん気になって仕方がないんだろうね、ミレニアさんってホント素直じゃないんだから。
その一方で事が上手く運ばなかったハロルド様は不機嫌そうにこちらを睨みつけている。筋書では今頃ロゼッタさんとライザックの婚約発表だったのだろうけど、ロゼッタさんが「ライザックがこんなに貞操観念の緩い人だとは思いませんでした!」と、ライザックに背を向けたので、計画は完全に頓挫したらしい、ご愁傷さま。
怒れるハロルド様に何かされるかも……なんて俺は心配してたんだけど、そこはロゼッタさんに殴られた事で吹っ切れたのかライザックが徹底的に俺を守ってくれていて、現在ハロルド様はこちらを睨み付けるにとどまっている。でもな、これから同じ家に帰る訳だし、今は俺を守ってくれているライザックだって四六時中一緒にいられる訳じゃない、完全にハロルド様に嫌われている事が分かった今、同じ屋敷に暮らすのきっついなぁ……まぁ、それでもこの腹の子の為に俺は負ける訳にはいかないんだけど。
なでなでと腹を撫でていると、ライザックに「大丈夫か?」と顔を覗き込まれた。
「うん、平気。それより早く家に帰りたいな、やっぱりここは落ち着かないよ」
「それなんだがなカズ、私はあの家を出ようと思うのだがカズはついて来てくれるだろうか?」
「へ……?」
青天の霹靂、家を出る? あの屋敷を?
「別に構わないけどなんで?」
「私は今まであの家を守る事は私の責務だと思ってきた、だがそうではないと気が付いたのだ。守るべきは家ではない、私が守りたいのは幸せな家庭、そしてカズとその子供。家にしがみついても幸せなどやってはこない、私はそれに気が付いた。だから私は家を出る」
いつも柔和な笑みを浮かべるばかりのライザックが珍しく真剣な表情だ、ふぅん、ちょっとそんな表情も格好いいね。
「ふふ、いいんじゃない? その方が俺もこの子を安心して産めそうだし」
「カズならそう言ってくれると信じていた、ありがとう」
ライザックが俺の肩をやんわりと抱き寄せた。あぁ、ここが人前じゃなかったら頬にキスのひとつでもしてやるのにな。
それにしてもまた新たな新生活か、この先俺の生活はどんな風に変わっていくのだろう? 何が起こるかなんて分からない、だってただの普通の男子高校生だった俺が妊娠なんて摩訶不思議な事になってるんだから、これからだって何が起こっても不思議じゃない。
でもまぁ、俺の周りは一部を除いて良い人ばかりだし、なんとかなるって信じてる!
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