目の前の魔法陣と男に巻き込まれて

強制的に転移させられたその後

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ぱっと見ている景色が変わりギルドマスターの部屋に転移したことが分かる。


「リヒトー。
おーいどうかしたのか？」


空気化していたリヒト先生は転移したにも関わらず何故か聞こえてないのか動かないで突っ立っていた。


「ニコラス...。
先生どうしたの？大丈夫？」


「こりゃ怯えてるぞ。リヒト震えすぎ...。
体がこわばってしまっているな。

...。
まあケントになら言っても平気か...？
こいつな勇者に親殺された事があってな。
勇者が怖いんだそうだ...。トラウマなんだ。


うーん。
ユリウスも詳しくは言わなかったからあえて言わなかったんだがな、10年前魔王が復活して勇者召喚したばかりなんだ。

倒したらしいんだが勇者がそう証言しただけだから分からない、が...。
ケントに初めて出会ったその前にここのギルドにギルド登録を勇者がしに来たと聞いて俺もユナもびっくりしたんだ。

ユリウスの娘が勝手に召喚したらしいが今のところは噂程度だ。
自分の夫にしようと。
代々勇者は何故か顔面偏差値が高い奴ばかり召喚されるんだ。

で、何故か必ず勇者に巻き込まれてこちらに来た奴がいるんだがそいつの方が常識あって顔もだが性格も男前何だよ。ちょっと変人気味だけどな。中二病とかオタクとかいうやつもいるし...。
ついでにそれ系のストーリーを読んでるらしく巻き込まれてなら来てやる的な意気込みで来ているらしい。」


「先生大丈夫かな？
顔色悪くなってきてるけど...。


先生。先生ー。
リヒト先生？大丈夫？ここニコラスのマスター部屋だから落ち着いて。」


「ハッ、ハァッ...。
ケ、ケント...？

ニコラス...。」


「リヒト？大丈夫だから落ち着いて。」


安心したのか力が抜けグラっと倒れそうになるリヒト先生をニコラスは咄嗟にぱっと手を出し身体を支える。

泣くのを我慢しているのか、具合いが悪いのか、支えられたあと必死にしがみつくようにニコラスに抱きつくリヒト先生。


「大丈夫か？
顔色が悪いな...。」