目の前の魔法陣と男に巻き込まれて

入学式って長くて面倒くさいよなぁ

12

とりあえず、捕まえ終えたケントはニコラスと一瞬目を合わせる。
それを合図にニコラスが探査の範囲魔法を漂わす。
探査魔法は使える人が少ない。
理由は簡単なことで、探査は使おうと思えば使えるが、多くの人が自分との相性が悪く失敗をする。
要はニコラスが自分で自分に合うように作った魔法だからだ。


「いないな。
そいつらは、ウ...。
騎士帝に預けろ。ギルドマスターの俺に預けられても仕方ないしな。

というかお前ら行かなくていいのか？
あの格好良いのに気だるげな担任に怒られないか？」


「大丈夫でしょ。
そこにまだ担任もクラスも残ってて帰れてないから。」


ニコラスの問にケントとセイヤはケラケラ笑って答える。
それを聞いた本人のくせして興味なさそうにふぅ～んと言ったが、一人違う言動と反応をしている人がいた。
ケントたちの後ろでワナワナと腸煮えくり返って暑苦しくキレているイケメンと言うなの生徒会長が立っていた。

そして風紀委員長はニコニコケラケラと矛盾した笑いを見せて、ユリウスを襲った敵を眺めていた。


「で、お前ら。
俺が話している時...、と限らず入学式の後半二人でベラベラペラペラ喋りすぎだ。

確かにだな、話しかされなくてつまらないかもしれないが、入学式だろうが！
ちゃんと式なんだからしっかりしてくれ。
それにな、高等部の自覚を持て！」


会長がある意味そういう正論もあるという内容を言いながら腕を組んで仁王立ちをしている。
ケント達は、と言うよりかはケントは笑顔と鼻でフッとバカにし聞こえるようにわらう。


「会長もそう思っていたんですね。

でも安心してください！ニコラスギルドマスターの話は集中して最後まで聞いていましたので。」


「そういう問題じゃないだろう...。

あー。もう良い、あんまり目につくような事するなよ。ただでさえお前ら魔法が上手くて、美形なんだから何かあったからでは遅い。

出来るだけ俺に迷惑かけるなよ。風紀だけならいいが。


と、いうことで解散だ。」