22 / 55
第2章
12話 バカ娘天元突破
しおりを挟むあれから半月ほどが経過した。
幾ら直接的な目撃者がいなかったとはいえ、学園内で王子様をぶん殴るなどという、結構な騒ぎを起こしたエドガーは、一体女王様にどう話が伝わって、その内容がどう処理されたのか知らないが、最終的に、10日間の謹慎という思った以上に軽い処分で済まされ、今はケロッとした顔で私の隣を歩いている。
その一方でバカ王子の方は、まだ学園に姿を見せていない。
エドガーから聞いた所によると、あのバカ王子は「しばらく前から気の病を患っていて、先だってそれがとうとう悪化した」という設定の下、学園を長期休学する事になったのだとか。
なかなか苦しい言い訳だが、まさか本当の事を公表する訳にもいかないだろうし、女王様としても苦肉の策なのだろうな、という事は容易に想像がついた。
そういう事にでもしておかないと、正当な理由で長期に亘って休学させる事ができなかったのだろう、という事も。
あいつ、人が集まって来てた時にも、そりゃあ聞き苦しい声でギャンギャン喚いてたからなぁ……。ちょっと色々、精神的にヤバくなってたんです、とでも言っておいた方が、まだマシだろうよ。
それから、エドガーがぽつりぽつりと口にする、少々遠回しな表現が多い話から察するに、どうやら女王様は今回の事で、完全にバカ王子に見切りをつけたようだ。
一応、自分から聖女に接触した訳ではない、という事情から、学園を自主退学させるという話にはまだなっていないものの、あのバカ王子は、使徒という存在の何たるかを未だに理解しておらず、使徒に相応しいのは自分なんだ、とか、聖女は次の王たる自分に侍るべきなんだ、とか、この期に及んで的外れな主張を繰り返しているらしい。
物分かりが悪いにもほどがあるだろう。
そんな人間を次代の王と定め、玉座を譲り渡すような真似をする訳にはいかない。
女王様は、はっきりそう言ったのだそうだ。
そろそろ季節が秋から冬へと移り変わり始めている事を、頬を撫でる風の冷たさで感じながらため息をつく。
ああ。気分が重い。
気になって仕方なくて、吐くため息までもが重くなる。
私達――あのバカ王子の事、ちゃんとざまぁできるんだろうか。
せめてあともう一発くらい殴らせろ。
翌日の放課後。
今朝ニーナ達から、よかったら放課後、一緒に新しくできたカフェテリアに行ってみないか、と誘われて、私は久々にウキウキしていた。
いやだって、カフェテリアですよ? カフェテリア!
そんなシャレオツな店、前世でも行った事ないよ私は!
小洒落たカフェテラス、もしくは窓際の席で、友達と一緒に他愛のない話に興じながら、可愛いケーキを頂くイベントの発生フラグが立ったんですよ!
これでウキウキすんなっつったら、一体何にウキウキすりゃいいんですか、もう!
……あ、そういやなんか、エドガーの話聞かせてくれ、とか何とか言われてたような気がするな。やっぱニーナ達もあの、金髪碧眼な美少年フェイスにやられちゃったか。
まあ確かに見た目はいいよな、あいつ。
しかし……うーん。困った。
よく考えたら、エドガーの話で当たり障りのない事だけとなると、ろくに話せる事がない。
あいつがお世話になってる商家にも行った事ないし、学園を除いたら、大聖堂の中でしか顔合わせてないんだよねえ、私とエドガーって。
後は精々、肉が好きで野菜が嫌いとか、そのくらいの事しか知らない。
一体何を話せばいいのやら。
多分、いや、間違いなくガッカリさせちゃうんだろうなあ、と思いつつ、後者の正門で待っているであろうニーナ達の所へ向かおうと、教室を出て廊下を歩く事しばし。
私はふと、教室に忘れ物をしていないか確認した方がいいような気がして、廊下の右脇に寄って立ち止まった。
廊下のど真ん中で突っ立ってたら、みんなの迷惑になる。
授業が終わって間もないからか、まだ廊下には、結構な数の生徒が歩いているのだ。
みんなワイワイ楽しそうにしてるね。
ああいや。とにもかくにも、今はカバンの中身のチェックを急がねば。
今日出された課題を教室の机の中に置きっぱなしにしました、なんて事にでもなったら、洒落にならない。
この学園は提出物の扱いが厳しくて、提出期限を1日でも過ぎると、ペナルティ補習として教室に居残りさせられてしまうのです。
カッコ悪いですね。はい。
そうしてカバンの中を確認していたら、正面奥の廊下からドタバタ……というか、バタバタっていうか、そんな感じの、誰かが走っているような音が聞こえてきた。
どうやらこっちに近づいて来ているようで、足音は徐々に大きくなってきている。
うん? なんか、派手な足音が聞こえてくる割に、あんま速度は早くないような?
てか誰だ? 放課後に学園の廊下を爆走してるバカは。
――って、あれアディア嬢じゃないか!?
そういやすっかり存在を忘れてた!
一体何を思ってか、顔を赤くした涙目のアディア嬢は、真っ直ぐこっちに突っ込んで来る。それこそ、こっちに体当たりしてきそうな勢い……いや違う、あれマジで体当たりするつもりだ!
ちょ、ホントなんで!?
……。あー、でもまあ、なんと言いますか。
前述の通り、走る速度はちょい遅め。
典型的な鈍足ちゃんであります。
ついでに言うならフォームもよろしくない。
運動神経悪いんだな。アディア嬢。
という訳で、私は特に慌てる事なく、アディア嬢がすぐ目の前に来た瞬間、普通にひらりと身を翻して難を逃れた。
「えっ!? あっ、うそっ……! きゃあああっ!」
案の定、走る勢いがつき過ぎていたらしいアディア嬢は、慌てて止まろうとしてバランスを崩し、私の横を通り過ぎた数歩先で勝手につんのめり、勝手にすっ転んだ。
哀しいかな。
生まれ持った性根はともあれ、蝶よ花よと育てられた温室出身のお嬢様に、受け身を取るなどという概念があるはずもなく、アディア嬢はそのまま思い切り、顔面からスライディングするような恰好で転倒した。
お、一応顔だけは、手と腕を床についてかばったか?
しん、と静まり返る廊下。
あまりといえばあまりな出来事に、私だけでなく周りにいた下校途中の生徒達も、みんな揃ってアディア嬢をガン見している。
さもありなん。
その一方、不特定多数の人間の前で派手にすっ転んだアディア嬢は、しばらくの間、転倒時の格好――うつ伏せのまま、何事か呻きつつその場でぷるぷるしていたが、やがて、ガバッという効果音が聞こえてきそうな勢いで、上半身だけを起こしてこっちを睨んできた。
横座りに似た格好でへたり込んでる姿だけは、やたらヒロインっぽい。
「ひどいっ! どうして避けるんですかっ!」
「避けるに決まってんでしょうが!」
可憐な声に乗って迸る、理不尽極まりない非難の言葉に、つい私も反射で怒鳴り返した。
つーか全力で転んだ割に元気いいな! お前!
「だって! 予定と違うんだもの! ここは私を突き飛ばしていじめる所でしょう!?」
「病院行って医者に頭診てもらえ! こんバカタレがッ!」
どうやらしばらく見ない間に、元からイカレ気味だったオツムが完全にイカレたようだ。
本当に本気で、こいつが何を言ってるのか、何がしたいのか全く見えてこない。
またも私が反射で怒鳴り返すと、ついにその大きな目からボロボロ涙が零れ始めた。
「うっ……! ひぐっ、ひっ……! だ、だってぇえ! わ、私がっ、いじめられてるって、言ってもっ、ひっく、誰も信じてっ、くれないんだもん~~っ!!」
アディア嬢が絶叫する。
そして始まる本格的なギャン泣き。
「うわああぁぁぁあ~~ん! なんで、なんでぇええ!? わたっ、私っ、ひっ、頑張って、えぐっ、メルローズ様にぃっ、頑張ったのにぃっ! なんで誰もっ、しんじでっ、殿下もっ、急に学園っ、えうっ、ごなぐなっでぇえ! 誰もっ、えっぐ、わだ、わだしいぃぃい!
あなだのっ、ずびっ、せいよぉっ! ひどい、ひどいぃっ! また、私をいじめようどじでるんだ~~~っ!!」
「…………」
……。ごめん。色んな意味で、何言ってんのか分かんない……。
元から意味不明な言葉が、嗚咽のせいでブツ切れになって余計意味不明になっている。
ってか、あんた化粧してたんだね。
ナチュラルと見せかけたガッツリメイクが涙で流れて、可愛らしいはずの彼女の顔面事情がえらい事になってます。
しまいには、へたり込んでる廊下の床を八つ当たりでバンバン叩き始めてるし。
もう収拾がつきそうにない。
周りの子達もドン引きしてるよ。
そうこうしているうちに、騒ぎを聞きつけたらしい先生数名が、警備の人と一緒に現場に駆けつけて来て、まるでイヤイヤ期の幼児みたいな状態になってるアディア嬢を、半ば引きずるようにしてどこかに連行して行った。
本当、突発的な嵐みたいな子だ。
はた迷惑な事この上ない。
女性の警備員に2人がかりで両脇を抱えられ、廊下の向こうへドナドナされていくアディア嬢は、未だしぶとくギャンギャン泣いて、ジタバタもがいている。
その気合いと根性としぶとさを、もう少し別の方向へ向けられなかったものか。
思わずボケッとアディア嬢連行の様子を見つめていると、現場に駆けつけた先生のうちの1人が、「申し訳ございません。この場は私共がどうにか致しますので、聖女様はどうぞご帰宅下さいませ」と、何とも気の毒そうな面持ちで言って下さったので、遠慮なくお言葉に甘えさせて頂く事にした。
今、ものっっすごく、甘い物を飲み食いしたい気分です……。
◆◆◆
まだ開店して間もない新しいカフェテラスには、どっさりお客さんが来てたけど、私達は運よく店内の片隅にある席に腰を落ち着ける事ができた。
早々に注文を済ませ、品物が来るまでの待ち時間に私が始めたのは、当然、さっきの出来事に対する報告と愚痴である。
「…って事があったんだよ……。もう精神的にヘトヘトだわ、私……」
「うっわあ。何それ最悪~~」
「ホントホント。災難だったね。お疲れ様、アル」
「ううっ、ありがとう2人共~~」
ティナもニーナも本当に優しいし、ついでに言うならノリもいい。
私が、可愛らしい淡いピンクのテーブルクロスが敷かれたテーブルの上に、よよよ、と泣き崩れる真似事をすると、2人揃って私の頭をちょっとわざとらしい手付きで、よしよし、と撫でてくれる。
運ばれてきたガトーショコラを一口頂き、暖かいキャラメルマキアートをちびりと飲むと、ようやく人心地ついた気分になった。
「ま、脳内お花畑なお貴族様の事なんてさ、もう横に置いとこうよ。そ・れ・よ・り! エドガー君の話が聞きたいにゃ~♪」
ニンマリ笑ったティナが、ふざけた口調で私の腕をつついてくる。
「あっ、そうそう! そうよ! エドガー君の事よ! ねえねえアル、エドガー君と付き合ってるの? 付き合ってるんでしょ?」
「はい?」
やたら目をキラキラさせながら、身を乗り出して問い質してくるニーナ。
なにゆえそうなりますか?
「いやいや。違うって。あいつは、だたの幼馴染の腐れ縁だってば。まあ……小さい頃からよく一緒に遊んでたせいで、ちょっと距離感おかしくなってる所はあるかも知れないけど……。なに、急にどうしたの、2人共」
「だって噂になってるもの。1学年の女子はみんな、その話で持ち切りなんだから! ねー、ニーナ」
「そうよねー、ティナ。……ねえ。ここだけの話、あれってホントの事なんでしょう?」
「えっ? ちょっと待ってよ。話とか噂とか、どういう事?」
「だからぁ、この間アル、正門の前であの妄想王子にまた絡まれたんでしょ? で、それをエドガー君が守ってくれたんだって話!」
「そうそう! それで、妄想王子に連れて行かれそうになったあなたを助ける為に、エドガー君が妄想王子を殴ったんだ、って!」
「きゃーー! エドガー君カッコいい! 好きな子の為なら、身分の差にも怯まず立ち向かえるのね!」
「そうよね! 愛よね、愛! 「俺のアルエットに近付くな!」って、怒ったんでしょ? ――で、そこんトコどうなの!?」
うわあ……話に尾ひれがつきまくっとる……。
なんなら背びれまでつきそうな勢いじゃん……。
いやあのね、落ち着いて?
そんな、めっちゃ目ぇキラッキラさせて詰め寄って来ても、君達がお望みの話なんてどっからも出てこないんだYO、お嬢さん方……。
つか、平民の子達にまで、『妄想王子』なんてしょうもねえあだ名付けられてたんだ、あいつ。
どんだけ自分で自分の立場と名前をサゲてんだか……。
まあ、そのナイスなネーミングに関してだけは、心から同意する。
「……お2人に、残念なお知らせがあります。その話は、半分以上尾ひれがついて盛られたお話です。
奴が妄想王子を殴ったのは、私共々、何日もストーカー紛いのつけ回しにあったからだよ。昔から気ぃ短いのよね、エドガーは」
「「ええ~~!? なにそれ、つまんな~い!」」
私がキャラメルマキアートを口に含んで飲み下し、悟ったような口調で言うと、ティナとニーナから不満の声が上がる。
ホント、恋バナ大好きだよね。あんた達は。
だが、許せ友よ。ない袖は振れぬ。
「声ハモらせても現実は変わんないわよー、お2人さん。それよりケーキ追加で注文しない?」
「も~。美人のくせに、そうやってすーぐ食い気に走るんだから」
「だよねえ。もうあなたも大人の仲間入りしたんだし、もうちょっと色気ってものを身につけてみたら?」
「はいはい、更に残念。色気なんていらないよ。食い気の方がよっぽど大事。人間色気がなくたって生きていけるけど、食い気がなくなったら命に係わるんだからね?」
「きょくろ~ん」
「残念びじ~ん」
「うっさいよ、2人共!」
ふざけた口調でブーイングを垂れてくる友人を尻目に、私は再びテーブルの隅に立てかけられている、メニュー表を手に取り、ウキウキ気分でページをめくるのだった。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
【完結】偽物の王女だけど私が本物です〜生贄の聖女はよみがえる〜
白崎りか
恋愛
私の婚約者は、妹に夢中だ。
二人は、恋人同士だった賢者と聖女の生まれ変わりだと言われている。
「俺たちは真実の愛で結ばれている。おまえのような偽物の王女とは結婚しない! 婚約を破棄する!」
お好きにどうぞ。
だって私は、偽物の王女だけど、本物だから。
賢者の婚約者だった聖女は、この私なのだから。
訳あり公爵と野性の令嬢~共犯戦線異状なし?
ねこたま本店
恋愛
かつて、とある国の王立学園に、王太子と平民の少女が織り成す、身分違いの恋の物語があった。
しかしその物語は、平民の少女が犯した罪によって打ち砕かれ、泡のように消えてなくなった。
それから7年後。
平民相手の『運命の恋』にうつつを抜かした事で王太子の地位を失い、臣籍降下ののち、公爵として静かに生きていた元王太子・アドラシオンの元に、現王家と王太子が抱える問題を押し付けられるような恰好で、1人の侯爵令嬢が嫁いでくる。
彼女の名はニアージュ・ラトレイア。好色なラトレイア侯爵が、屋敷の使用人に手を付けた末に生まれた婚外子であり、付け焼き刃の淑女教育を施された、田舎育ちのなんちゃって令嬢である。
婚約期間も交流もないまま、王家と侯爵の都合だけで取り交わされた婚姻。
当然、アドラシオンとニアージュの間には情などない。アドラシオン自身、ニアージュに歩み寄り、距離を縮めるつもりもなければ、愛するつもりも全くなかった。
それは、王侯貴族が存在する国においては、どこにでも転がっているありふれた話かと思われた。
しかし、アドラシオンの生活はこの日を境に、微塵もありふれたものではなくなっていく。
外弁慶のヘタレ侯爵&雑草魂で生き抜く野生の侯爵令嬢が繰り広げる、ユルユル共犯物語、開幕です。
しばらく前からこちらの話も、少し手直ししつつカクヨム様で投稿し始めました。話の内容は同じですが、気が向いた方がおられましたら、そちらの方もご笑覧のほどよろしくお願いします。
※こちらの話は今後、21~22時頃に投稿していく予定です。
※再考の結果、こちらの作品に「ざまぁ要素あり」のタグをつける事にしました。
※こちら、当初は短編として登録しておりましたが、総字数が10万字を越えたので、長編に変更しました。
真の聖女として覚醒したら、世界の命運ガチで背負わされました。~できれば早く問題解決したいけど無理ですか。そうですか。
ねこたま本店
ファンタジー
異世界で起きた事件の影響を受け、不慮の事故で命を落とし、聖女として転生した東京在住のアラフォーオタク女、佐倉雲雀(さくらひばり)ことアルエットは、並みいる問題児や問題、事件を跳ね飛ばしつつ、今日も元気に生きていた。
しかしある日、アルエットの住む世界に異常気象が起こり始め、アルエットもまた、その問題に否応なく巻き込まれていく事になる。
前作第1部、『暫定聖女とダメ王子』の続編となる話です。しばらく考えてみたけどいいタイトルを思い付けなかったので、第1部と違って長ったらしいタイトルになりました。
中身がちょっとやんちゃな聖女が女神に泣き付かれ、お供の使徒とその他諸々を引き連れたり引き連れなかったりしつつ、世界を救うべく奮闘する話です。
そして、時々バカ男とバカ女が出没し、アルエットの前に無駄に立ち塞がってぶっ飛ばされたり、ざまぁされたりする話でもあります。ちょろっとバトル要素が出てくるかも知れません。
完結まで、広いお心でお付き合い頂ければ幸いです。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
やっぱり貴族なんてのはクソだった。唯一の宝物を壊された平民は、彼等の真実を公にする。
下菊みこと
恋愛
理由があっても立場が己より上の人にであろうとも虐めはダメ絶対
とはいえ性悪にはそれなりの目にあってもらうお話。小説家になろう様でも投稿してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる