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第2章
8話 ゴリラとキツネの策謀会議・陥穽設置編
しおりを挟む「取り敢えず、だ。俺達が今やるべき事は、メルを罠に嵌めようとしてるあのバカをどうにかして止めるか、逆にこっちの仕掛けた罠に蹴り落とすか。そのどっちかって事になるんじゃねえの?」
はい。こちら、引き続きエドガーに仕切られてる現場です。
なんか、いつの間にか話の主導権持ってかれちゃってて、ちょっとムカつくんですが、言ってる事自体は全く間違ってないと思うので、ろくに口を挟めずにいます。くそぅ。
「とは言っても……止めるのは無理なのではありませんか?」
「そうですわね。何かしら言って止められるくらいなら、誰も頭や胃を痛めてはいないでしょうし……」
ヴィクトリア様が頬に手を当てて困り顔で言い、ユリウス様がそれに同意する。
「だよな。んじゃやっぱ、こっちが罠に嵌める感じで行こうぜ。いじめ冤罪の件を逆手にとって、逆陥穽大作戦発動って事で」
そして、お2人の発言を受けて、サラッと言い放つエドガー。
幾ら馬鹿でも双子の弟だってのに、欠片も気にかけるつもりねえのな。
蹴落とす気満々か。
「……あのな。弟だから、言ってんだぞ」
「……私、なんも言ってないけど」
「お前、結構ツラに出やすいんだよ。見りゃ分かるわ」
「むっ……」
そういや前世でも、よく大介に言われてたっけ。
思ってる事顔に出やすいって。
あぁ、今もそうなのか、私。
……はぁ。コイツと話してると、ホント昔を思い出すわ……。
「このままあいつを放っておいたら、そのうち取り返しのつかねえ事になる。……周りの人間だけじゃなく、あいつ自身にとってもな。
王族だからって、何でもかんでも甘い顔して許してもらえる訳じゃねえってのは、お前もよーく知ってんだろ?」
「……。そうね。そういやあんたも、あの時毒杯呷らされかけてたもんね。
この先、なんにも痛い目見ないまま突っ走らせ続けたら、そのうちあのバカ王子も、高確率で処される事になる、か……」
「ああ。考えなしの、猿山の大将気分なまま城の外に出たせいで、もう完全にメッキは剥げちまった。母上と父上の、あいつを見る目も変わってくるだろ。
そんな中で、王家と縁深い五大公爵家の血を継いでる婚約者を、身勝手な理由で殺そうとしたなんてバレてみろ。母上は、絶対にあいつを許さねえよ。
――母親だけど、女王だからな。あの人は。父上も立場上、母上の決定には逆らえないさ」
「でしょうね。今日まで数えるほどしか会った事ないけど、女王陛下は優しくて懐の広い人で……それでいて、物凄く厳しい人でもあるからね。自分にも他人にも、家族にも」
うん、知ってる。よーーく知ってますとも。
実の母親が、まだ10歳の息子に毒杯呷らせて処刑しようとするっていう、あのショッキングな出来事。
多分、あん時の事は死ぬまで忘れられないと思う。
あんだけ冷や汗掻くような経験、前世でもほとんどした事ないっつの。
勿論、そんな風に、どんな状況でも一切身内びいきをしない人だからこそ、封建制度全開なこの世界の中で、自国を荒れさせる事なくキッチリまとめて、民を守り導いていけてるんだろうけど。
でもやっぱり、見聞きしてて気分のいいもんじゃない。
「だろ。……母上は、いざとなったら身内の処刑も辞さねえ人だ。でも俺としては、弟が処刑されるのを見届けるなんてのは、流石に寝覚めが悪い。
そんな風に、行き着く所まで行っちまう前に引導渡して、表舞台から引きずり下ろしてやった方が、まだ人生ワンチャン残るだろ? だから――」
エドガーは一度、私から少しだけ視線を外し、軽く頭を掻いてから、もう一度私を正面から見つめてくる。
「俺達の手で、さんざコキ下ろして小馬鹿にして、母上の後を継ぐ目を、完全になくしてやった方がマシってなモンだぜ」
ニンマリ笑いながら、そう言い放った。
全く本当に、つくづく口の悪い王子様だな、こいつは。
ああうん、そうかい。分かったよ。
OK。あんたがそう決めたんなら、こっちも腹括るさ。全力で、あのバカ王子の足引っ張ってやんよ!
そもそも私も、あの野郎の事は非常に気に食わない。
もういっその事、ボコボコの堅い石コロ敷き詰めた、ガチモンの足ツボマットの上でタップダンス踊るような――本人は痛くて地獄だけど、傍から見てる分には面白い、そういう愉快な目に遭わせてやろうじゃねえか!
おし、決まりだ! 覚悟しやがれバカ王子!
死んで楽になんかさせてやらねぇからな!
行動方針さえ決まってしまえば、後は話を詰めるだけ。
ちょっと行儀が悪いけど、皿の上に残ったプチシュークリームを指で摘んで、口の中にぽいっと放り込んでから、私は改めてユリウス様、ヴィクトリア様の2人に向き直った。
「そうなるとやはり、当事者のメルローズ様の協力が必須になると思います。今度、メルローズ様も一緒に話し合いたいんですが――」
「ああ、その事でしたら遠慮は無用ですわ。既にメルから、「あのおバカさんをやり込めて再起不能にする為なら、どんなご協力も厭わない覚悟です」…との言葉を預かってきておりますから」
ユリウス様がにっこり笑う。
おおう、流石は権力争いが身近にある家で育ったお嬢様、覚悟の決まりっぷりが違うわ……。
でもそういう事なら話は早いぜ!
「分かりました。ではメル様に、こう伝えて頂けますか? もし新学期以降、いじめなどの言いがかりをつけられても、否定だけして後はどうにか黙って耐えて下さい、と」
「それだけ、ですか? 偽装工作の現場を押さえて、首根っこを掴まなくてもよろしいんですの? 場合によっては、わたくしやヴィーもお力添えできると思いますけど……」
「ええ。大丈夫です。あちらが、王子としての権力を悪用してメルローズ様を叩くつもりなら――こっちは数の暴力で対抗しようかな、と」
「うわ。悪ィ顔してんなぁ、お前……」
「エドガーうるさい。……お2人には、まず予防策として周囲の方々への根回しをお願いします。
できれば学園が再開する少し前くらいから、信用できる人達……できれば女子生徒に対して、「どうやらメルローズ様を陥れようとしている人間が、学園内にいるようだ」…と、お話ししておいて欲しいんです」
「ああ成程。先んじて陰謀論を流しておけば、実際に「メルがいじめに関与している」と言い出す人間が出てきても、話を真に受ける人の数はグッと減るでしょうね。そういう事ならヴィー。あなたの出番ですわね」
「分かりましたわ。今度のお茶会から、お招きしたお友達にそれとなく話しておきます。噂話がお好きな方が多いですから、あっという間にお話が広がると思いますわ。
……ああそうそう。最初に「ここだけのお話なのですけど」と、付け足しておけば、もっと早く、密かに広まる事でしょう」
「ふふっ。ええそうね、ヴィー。皆様、元から噂話がお好きだけれど、『秘密の噂話』はもっとお好きですものね。そして……ある程度双方の噂が出回った所で、今度はあのおバカさんの悪評を少しずつ流していけば……」
「簡単に立場が逆転するでしょうね。元々メルは評判のいい子ですし、それと逆にバカ王子は、ろくでもない言動のせいで、入学式から徐々に評価が下がってきていますもの。
けど、本当に上手くいくかしら……。もし万が一バカ王子が、こちらが先んじて流しておいた噂に気付いて、計画を中止したとしら……」
「いや、それはねえな」
不安げな顔をするヴィクトリア様に、エドガーがきっぱり断言する。
「あいつは基本、自分に都合のいい話しか聞かねえし、信じねえから。
周りの何もかもは王子の自分を信じて当然、やる事成す事忖度して当然、みてーに思ってる所があるんだよ。陰謀論とか聞こえて来ても、鼻で笑っておしまいだな」
流石はお兄ちゃん。弟の行動や心理をよく理解していらっしゃいます。
つーか、マジでいっそ清々しいほどのおバカさんだな。お前の弟。
「じゃあ、ひとまずこのまま作戦実行って事でOKね。もしかしたら、あんまりメルローズ様の評価が下がらなかった事を理由に、バカ王子がパーティーでの断罪を延期する可能性も、なくはないと思うけど……」
「それはまあ、そうなった時に考えようぜ。時間をかけようがかけまいが、どっちにしてもメルの評価は大して下げらんねえよ。メルの奴が正義感強い性格だってのも、同年代の上位貴族の間じゃ、よく知られてるはずだからな。
アーサーはいつもメルの粗探しばっかしてっから、そういう話にゃ全然気付かねえだろうし、気付いた所で信じねえだろうけど」
「ああ、そう……。そんなのが双子の弟とか、ちょっとどころかだいぶ同情するわ、あんたに。
だとしたらむしろ、メルローズ様の評価を下げようとして時間をかけて動くほど、逆にあんたの弟の評価の方がダダ下がってくんでしょうねえ。
そう考えたら、年末年始のパーティーで騒がれるより、もっと先のパーティーで騒いでくれた方が、止めを刺すには都合がいいような気もするけど……」
「そうですわね。でも、流石にそこまであのおバカさんの行動をコントロールできませんし、そこは臨機応変に対応していく、という事でよろしいかと思いますわ。ねえ? ヴィー」
「そうですわね。場合によっては、こちらがあちらに対して積極的に噂を流して、冤罪を被せてもいい訳ですから」
「あら。メルの件に関しては冤罪ではなくて事実でしょう? そこはむしろお話の中に、やってもいない所業を幾つか混ぜて、罪状を盛るくらいの事をしなくてはダメよ。どうせあの残念なオツムじゃ、まともな言い訳もできないでしょうしね」
「まあ、ユリったら。じゃあ折角ですし、もし年末年始のパーティーで事を起こさないようでしたら、少しずつ周りの方を取り込んでいって、断罪劇が起きた時、逆に皆様に、バカ王子を非難する側に回って頂くというのはいかが?」
「まあ! つまり、それまでは皆様に、おバカさんに当たり障りなく接しておくようお願いしておいて、いざという時になったらこぞって掌返して頂いて、あのおバカさんを公の場で孤立させるという訳ね! とっても素敵なアイディアだわ!」
「うふふっ、そうでしょう? これぞまさに、先程聖女様が仰られた『数の暴力』と言わしめるに相応しい作戦ですわ!」
ヴィクトリア様とユリウス様が、揃ってキャッキャウフフとはしゃぎながら、どす黒いアイディアをポンポン出していく。
まさしく、『腹黒キツネ夫婦』の二つ名に恥じぬ策謀っぷりです。
あーあ。こりゃあのバカ王子も、先は長くねえな……。
◆◆◆
エドガーと腹黒キツネ夫婦様達との会議から時は流れ、ついに休み明けの日がやってきた。
案の定、と言うか何と言うか、大聖堂にアポなし突撃をかましやがった、件のアーサーバカ殿下は、女王様から超ド級の雷を落とされたようで、休み明けまで離宮に軟禁されていたらしい。
4年前には長男がやらかしているせいか、女王様も相当慌てた模様です。
なんせ、騒ぎがあった翌日の朝には、女王様が直接したためた書状がこちらへ届いたくらいだから。
書状には、アーサーには聖女という存在と、その立場がどういうものであるのか、という話を、1から10までしっかりと話して聞かせ、反省させましたので、どうか此度の無礼をお許し下さい、という内容の謝罪文が、格調高い言葉遣いで綴られておりました。
あのバカ王子の事だ、どうせ本当の意味では反省なんざしてないだろうし、許す気になんて到底ならないけど、長男から引き続き、教育係ガチャにド外れしまくってる女王様が気の毒になったので、ディア様にお願いして、女王様の丁寧な謝罪に免じて今回は愚行に目をつぶります、という内容の手紙を代わりに書いて頂き、その日の昼には城へ送ってもらった。
後から聞いた話によると、数百年前、親子揃ってとんでもねえバカをやらかした王様と王子様がいて、そのせいでノイヤール王国は一度、聖女によって王家を叩き潰され、滅んでいるらしい。
今あるノイヤール王国は、言うなれば2代目の新生王国で、それ以前の国の事は、旧王国と呼んで区別しているのだとか。
なので、それ以降王族は、親の思想や主義の影響を受けないよう、生まれた王子や姫を生みの親ではなく、第三者が選んだ乳母と教育係の手で育てさせるようになったのだそうな。
ああ……。だから女王様はまともなのに、息子2人はあんな風に育っちまったんだね……。
納得の理由だけど、もうちょいまともな人材はいなかったのだろうか。
もし生まれた子供が全員教育係ガチャに外れたら、後継者がみんなろくでなしに育っちゃうだろーが。
専制君主制の国で、王様やってたバカ親がバカガキ育てちゃったせいで、国全体が痛い目見た訳だし、警戒する事情は分からなくもないけど、その辺もう少しどうにかしようぜ……。
教育係の選定にもノータッチでいなくちゃならなかった女王様、マジでお気の毒です。
なお上記の一件は、平民達の蜂起から始まり、しまいには隣にある帝国との戦争にまで発展した、歴史的な大騒動だったそうなので、この辺りの話も、いずれ授業で詳しく学ぶ事になるだろう。
ともあれ、今日からまた学園で学ぶ毎日が始まる。
しかし、学園の再開と共に、あのバカ王子のせいで頭を痛める日々も再開しそうな予感がバリバリしてて、何とも言えない複雑な気分になりつつも、私は学園へ登校すべく、シアと共に大聖堂を出たのだった。
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