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第2章
7話 王太子対策会議(のようなもの)
しおりを挟むエスト出立2日目の朝。私はいつも通り、夜明けとほぼ同時に目を覚ました。
コテージの外では、あまり騒がしくはないけれど、複数人が歩き回っているような気配と物音がしている。糧食係の人が、朝ごはんの支度でもしてるのかな。
うーん、それにしてもよく寝た。頭スッキリだ。騎士団の皆さんの尽力のお陰で、野宿とは思えないほど快適にゆっくり眠れたよ。簡易とはいえ、コテージとベッドのある就寝、最高。
――と、言う訳で。まずは昨夜の事を、騎士団長さんへチクりに行くとしましょうかね。
まだ寝ぼけ眼をこすっているマグノリア様に、昨夜の件で騎士団長さんを訪ねに行く事だけを告げ、コテージを出た私が足を運んだ先では、既に身なりを整えた騎士団長さん(流石に鎧兜は身に着けてない)が、大きなテントの側で素振りをしていた。自主トレの最中みたいだ。
衛生面の観点からか、今日もヒゲは綺麗に剃られている。
まあ、伸ばしたら伸ばしたで、不潔にならんよう手入れするのが大変らしいからね、ヒゲって。
ほーん。昨日は鼻っ面までカバーするタイプの兜被ってたからよく分かんなかったけど、そういうお顔してるんですか。
年の頃は恐らく四十路。筋骨隆々の体躯を覆う浅黒い肌に赤銅色の短髪、そして、やや切れ長なモスグリーンの瞳が、なんだかワイルドな雰囲気を醸し出している。
言うまでもなくイケオジ属性だ。
つか、騎士団長さんだけでなく、この第1宮廷騎士団に所属してる人達は誰も彼もイケメン揃いで、イケメンインフレ状態なんだよねえ。
勿論、マグノリア様や私がいる事も鑑みて、女性騎士や戦闘の心得がある侍女さんも、何人か一緒に来てくれてるけど。
ティグリス王子から聞いた話によると、直接的に王族の護衛を務めてるだけあって、所属団員はほとんど貴族なんだそうな。そらイケメン揃いになるのもうなづける。
しかも、厳しい訓練やら何やらで精神も鍛えられてるからか、騎士団長さん含めて、みんな性格のいい人ばっかりときた。
王族であるマグノリア様だけでなく、聖女とはいえ平民の私の事まで丁重に扱い、常にレディファーストで行動してくれる。
昨日、馬車から乗り降りする時も、手を差し出して補助してくれたし。
よく分からんが、あれが噂のエスコートって奴なんだろうか。
確かに馬車って車高がだいぶあるから、タラップを昇り降りする時に手すり代わりをしてもらえるのは、地味ながらもありがたい。でも、慣れないとなんか恥ずかしいね。アレ。
右も左もイケメンだらけの環境で、上にも下にも置かぬ恭しい扱いをしてもらえるこの状況たるや、まさにリアルイケメンパラダイス。
もし私が3次元のイケメンにも目が向くタチだったら、そりゃもうさぞかしウハウハしていた事だろう。
って、いかん。話が脱線し過ぎた。
「おはようございます」
「おお、おはようございます聖女様。このような朝早い時間に、何用でございましょうか?」
自主トレの邪魔をするようでちょっと気が引けるが、ここでつっ立っててもしょうがない。思い切って挨拶すると、騎士団長さんは即座に素振りの手を止めて、こちらに向き直って挨拶を返してくれた。うん、やっぱいい人だ。
「訓練の最中、申し訳ありません。実は昨日と同じく、王太子殿下の件でまた……」
「……あー、そうでしたか……。では、あちらの天幕へどうぞ。女性騎士達の簡易詰め所となっておりますので、お互い話をするには都合がよいでしょう」
「分かりました。お気遣いありがとうございます」
「いえ。お気になさらず。当然の事です。……むしろこちらこそ、我が国の王太子殿下がご迷惑をおかけしているようで、大変申し訳なく……」
騎士団長さんはピンと伸ばしていた背中をわずかに丸め、ため息交じりに謝罪の言葉を口にした。
◆◆◆
女性騎士達の詰め所だという天幕の中には、武具の手入れをする係らしい女性騎士さんが3人、木箱の上に座って、抜き身の剣を手に取って見ていた。
刃こぼれがないかとか、ひびが入っていないかとかの、破損部の有無をチェックをしていたらしい。
彼女達は、3人揃って真面目かつ堅実な性格で、その気質を評価されてこういう役割を任されてるんだって。
そこで私は、彼女達も交えて昨日の夕方と夜の出来事を掻い摘んで話せるよう、騎士団長さんに頼んで了承を得てから、手元に残しておいた証拠品の巾着包みと、メッセージカードを併せて提出する事にした。状況を把握してる人は多い方がいいと判断した次第。
女性騎士さん達が手早く用意してくれた、折り畳み式の簡易テーブルと椅子に腰を落ち着け、メッセージカードに目を通した騎士団長さんは、はああぁ、という、それはそれは深い嘆息を吐き出して項垂れ、右手の親指と人差し指で目頭を押さえながら黙り込んだ。
よっぽど、情けない気分になったらしい。
「……。この筆跡……。ティグリス王子殿下のものではなく、トリキアス王太子殿下のもので間違いありませんな。……ああ、全く……。誤解を招く事を承知の上で申し上げるならば、いっそ何も見聞きしなかった事にしたいくらいです……」
「……そうでしょうね……」
項垂れた顔をノロノロと上げ、心底嫌そうな表情で仰る騎士団長さんのお言葉を、つい私も肯定してしまう。
うん、分かる。とてもよく分かるよ、その気持ち。
一国の王太子という重責を担う身分にありながら、こんな性根の腐った真似をしてるって事もそうだけど、なによりこんな、1から10まで穴ボコだらけのクッソ頭の悪い謀略を、ばれないと思い込んで実行に移してるって辺りが特に情けない。
あんなのに現在進行形で忠誠誓って仕えてる上、やがて国主と仰いで自分の身命と剣を捧げる日が来るんだと思うと、いっそ泣けてくるんじゃなかろうか。
つか、私だったら間違いなく膝から崩れ落ちて泣いてるよ。
あんなアホに仕えた挙句、いざとなったら命を捨てなきゃならんとか、なんの嫌がらせだ。この世の地獄としか言いようがないわ。
近くで一部始終を聞いていた、他の女騎士さん達も私と似たり寄ったりな心境のようで、騎士団長さんに心の底から哀れみの眼差しを向けている。
「元より王太子殿下が、幾分人格に問題がおありな方だという事は承知しておりましたが、まさかここまで堕ちてしまっておられたとは……。痛恨の極みであるとしか、言いようがありません……。
ああ……。なんという事だ……。そのような方が国主の座を継ぐとあっては、いずれ国そのものが傾きかねん……」
「団長……。ご心痛、お察しします……」
ついには頭を抱え、テーブルに突っ伏す勢いで嘆き始める騎士団長さん。
そんな騎士団長さんを、女騎士さんの1人が慰める。
きっとこの騎士団長さんも、上位貴族の中に名前を連ねてる人なんだろうな。だからこそ、尚更先々の事を想像するだけで、頭の中が悲愴感でいっぱいになってしまうんだろう。
そしてこの会話を皮切りに、女騎士さん達による、情報交換という名目でのお喋りが始まった。
「とは言っても……。我が国の継承制度は長子優先でございましょう? 第一、そう気安く王太子を換えていては、王家の威光が薄れてしまいます。よほどの事がない限り、現王太子殿下を廃太子になどできませんわ」
「それは、確かに……。そもそも陛下は、王太子殿下のご気質をきちんと把握しておられるのかしら……」
「十中八九、しておられないのではありませんか? 聞けば、先だって行われた夜会で王太子殿下が不祥事を起こされた際にも、陛下は取り立てて王太子殿下に罰をお与えにならなかった、と聞きますもの」
「不祥事? どのような事なのです? わたくし、最近夜会には顔を出しておりませんから、そう言った情報には疎くて……」
「聞くに堪えないお話ですわ。なんでも、王宮で働いていた男爵家出身の侍女がついた噓を鵜呑みにして、高貴な家のご令嬢を陥れようとしたとか」
「まあ! なんて事を……! まさか陛下は、ご子息がなさった事だからと、処罰もせずに放置しておられますの!?」
「正直申し上げて、陛下が何を思ってそのような対処をなさったのか……そのお心の裡までは分かりかねます。けれど、甘い顔をなされているのは確かですわ」
「本当に困った事ですわ。――ああそうそう、この話はご存じでして?これは2週間ほど前のお話なのですけど……」
「ああ、あのお話ですか。あの一件も、なかなかに酷い事でしたわね」
「えっ、どのようなお話ですの? 気になりますわ!」
女騎士さん達の話はとめどなく続き、どんどん盛り上がっていく。
日本のことわざに「女三人寄れば姦しい」なんてのがあるけど、確かにとっても賑やかだ。つーか、もうこれ情報交換っていうより、お茶会での世間話や愚痴に近くなってません?
「ん、ゴホン! お前達、聖女様の御前だぞ。話をするなとは言わんが、もう少し話題を選ばんか」
騎士団長さんも私と同じ事を思ったようで、わざとらしい咳払いをして彼女達の会話を遮りにかかる。
いや、どっちかと言うとこれは、話の内容がマズいと思ったのかな?
そうだね。聞いてるこっちはちょっと興味深かったりもするけど、よその国の人間に、自国の王族のゴシップやら醜態やらを聞かせるのは、騎士としてよろしくないよね。
「「「も、申し訳ございません!」」」
騎士団長さんに注意された女騎士さん達が揃って私に向き直り、頭を下げてきた。
「大変申し訳ございません……。この者達も若さゆえか、未だ配慮の足りぬ部分が多く……」
「いえ。どうかお気になさらず。……他言はしないとお約束しますので」
重ねて謝罪してくる騎士団長さんに、私も当たり障りなく答える。
「それより……今後、王都へ到着するまでの間、王太子殿下に対する処遇をどうなさるか、お聞かせ頂けませんか。
確かに、私のロゼは毒などものともしませんが、だからと言って私自身、大切な子に毒を盛られて、気分を害していない訳ではありません」
「……っ、はい……。返す言葉もございません……。此度の事で、聖女様がお受けになられた精神的苦痛は如何ばかりか……。月並みではございますが、ただただ臣下として猛省するばかりです……」
「私を気遣い、心を砕こうとして下さる事、嬉しく思います。ですが、そのお気遣いを差し引いても、やはり王太子殿下をこのまま無罪放免で放置、という事はできかねます。
ですので――皆さん、私のお芝居に乗って下さいませんか?」
「は……。芝居、でございますか……?」
私の言わんとしている事をイマイチ飲み込めていないのか、キョトン顔をする騎士団長さんと、困惑顔で首をかしげるばかりの女騎士さん達に、私はニッコリ笑ってひとつの提案を持ちかけた。
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