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望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子
○ 表に載っている花言葉を全て覚えるまで出れない部屋
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「お次はどんな部屋かな」
「紙が置いてあるね」
紙といえば初めの方に何度も名前を書かせてくる部屋があった。
あれは嫌だな。
「この表に書いてある花言葉を全て覚えれば良いんだね」
アズサが紙を見ていった。
私も後ろから覗き込む。
「花は50種類あるね」
「じゃあ私が35種類覚えるから、望は残りの15種類覚えてね」
「やっぱりアズサは覚えるのが得意なんだね。かっこいい!」
アズサは暗記ができるならその能力を使わなければもったいないとばかりに小さな頭に知識を詰め込んでいる。
だから一緒にいると、私の知らない世界を見せてくれる。
「黒百合の花言葉は恋と呪い……」
「正反対で面白いよね」
「うん。なんでこんなおかしなことになってるの?」
「由来が違うからね」
今もまたこうやって新しい世界を見せようとしてくれている。
「恋は、恋した相手のそばに黒百合を置いて相手がそれを手に取ったら二人は結ばれるっていうアイヌ民族の言い伝えから来てるの。対して呪いは戦国時代に愛妾が別の男の子を身籠ったという噂を聞いて怒って殺しちゃったの。その時にクロユリが咲いたら家が滅亡すると言う呪いの言葉を残したんだって」
「花言葉って適当だね」
「確かにね。私は不器用な人が花にロマンを見出したんじゃないかなって思ってる」
「どういうこと?」
「伝えたい思いがあるけど、直接言うのは恥ずかしい。だから花に思いを込めて贈る。ご都合主義で、ちょっと素敵な文化だと思うな」
「確かにね」
私が詳しく知ろうとしなかった花言葉から素敵な考えを知れた。
アズサと過ごしているからこそできた経験だ。
この後も時々話を挟みながらもなんとか全て覚えて部屋をでた。
「紙が置いてあるね」
紙といえば初めの方に何度も名前を書かせてくる部屋があった。
あれは嫌だな。
「この表に書いてある花言葉を全て覚えれば良いんだね」
アズサが紙を見ていった。
私も後ろから覗き込む。
「花は50種類あるね」
「じゃあ私が35種類覚えるから、望は残りの15種類覚えてね」
「やっぱりアズサは覚えるのが得意なんだね。かっこいい!」
アズサは暗記ができるならその能力を使わなければもったいないとばかりに小さな頭に知識を詰め込んでいる。
だから一緒にいると、私の知らない世界を見せてくれる。
「黒百合の花言葉は恋と呪い……」
「正反対で面白いよね」
「うん。なんでこんなおかしなことになってるの?」
「由来が違うからね」
今もまたこうやって新しい世界を見せようとしてくれている。
「恋は、恋した相手のそばに黒百合を置いて相手がそれを手に取ったら二人は結ばれるっていうアイヌ民族の言い伝えから来てるの。対して呪いは戦国時代に愛妾が別の男の子を身籠ったという噂を聞いて怒って殺しちゃったの。その時にクロユリが咲いたら家が滅亡すると言う呪いの言葉を残したんだって」
「花言葉って適当だね」
「確かにね。私は不器用な人が花にロマンを見出したんじゃないかなって思ってる」
「どういうこと?」
「伝えたい思いがあるけど、直接言うのは恥ずかしい。だから花に思いを込めて贈る。ご都合主義で、ちょっと素敵な文化だと思うな」
「確かにね」
私が詳しく知ろうとしなかった花言葉から素敵な考えを知れた。
アズサと過ごしているからこそできた経験だ。
この後も時々話を挟みながらもなんとか全て覚えて部屋をでた。
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