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朝食を摂りジュードを見送った後、店舗スペース以外の部屋がどうなっているのか確認することにした。

ジュードを招くにしても彼からしたら異世界の部屋へ連れ込むわけにはいかない。
後々はちゃんと話そうと思っているけど。

昨日の掃除中にマンションへ通じるドアの隣にもう一つドアがあることに気付いていた。ドアの先にあるのは2階へ通じる階段。昨日は1階の掃除を優先しようとまだ昇っていなかった。

埃の積もった階段を上がると、2階は2部屋に分かれていた。
手前の一部屋はトイレとバスルーム。脱衣所の先に洋式トイレと陶器製の白い浴槽がある。
掃除はきちんとしていたらしく目立った汚れはない。少し掃除をすれば問題なく使えそうだ。

もう一部屋はワンルームのような作りで小さなキッチンと古びた棚だけぽつんと置かれている。

ーー大きめのベッドかマットレスが置けそうだな。

と考えて、固まった。
ジュードと寝ることを前提に考えてしまったことが恥ずかしい。
確かに昨日、帰りたくないとは言われたけど。

邪な思考を振り払うように頭を振り、空気を入れ替えようと窓を開けた。

柔らかな風が吹き込み、新鮮な空気が入ってくる。
ふと、下を見ると往来の先にジュードの姿が見えた。

遠目に見てもスタイルが良くかっこいい。
同僚と相談中らしく、同じ服を着た男の人たちに囲まれ真剣な顔をしている。
ぼんやり見守っていると、1人2人と離れていき、ジュードだけが残った。彼もどこかへ行くのかと思ったら。

目が合った。こちらに向かって手を振られ、

“ミヤ”

と口唇の動きで呼ばれた。
聞こえないはずの声に心臓を掴まれる。ドキドキとうるさい胸を抑え、手を振り返すと嬉しそうに微笑まれた。

時が止まったように見つめ合っていると、ジュードが誰かに呼ばれたらしく振り返る。
すると、隊服を着た2人組が駆け寄って来た。

ジュードは2人組と何か話した後、こちらを見て残念そうに笑って去って行く。

その後ろ姿は逞しく、きっと同僚にも街の人にも頼られてるんだろう。

「かっこいいなぁ……」

新しいジュードの一面を知って、さらに惹かれていく。

早く、会いたいな……。

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