上 下
42 / 54
4章。傾国の大魔族ジゼルとの決戦

42話。王女との結婚を断ったら、なぜか逆に国王から気に入られ、王女からますます好かれる

しおりを挟む
「まさか、我が妻イザベラが獅子身中の虫であったとは……ヴァイス・シルフィードよ。おぬしの働きはまさに値千金であったぞ!」

 2日後──夕日が差し込む謁見の間に現れた国王ヴィルヘルム陛下が、よく通る声で告げた。
 彼は国境を接する魔族の国と、常に先頭に立って戦争を繰り返す歴戦の猛者で、獅子王の異名を持つ。

 もしヴィルヘルム陛下が倒れたら、ローランド王国は魔族の攻勢に飲まれて、地上から消えることになるだろう。
 ゲームで良く知っていたが、リアルで会うと圧倒されるような覇者の貫禄があるな。

「お褒めに預かり、光栄でございます陛下」

 俺は跪いたまま頭を垂れる。
 この謁見の間は、ゲームの重大イベントで良く使われていたので、自分がこの場にやってこれるとは、感動ものだった。

 だが、喜んでばかりはいられない。俺はこれから大きな賭けをするつもりなのだ。

「うむ、おぬしには褒美を取らせようと思う。我が娘、セリカとの結婚はもはや当然として。他に何か望みがあれば、なんなりと申してみよ。余が叶えられるモノであれば、なんなりと叶えてやろうぞ!」

 ヴィルヘルムの陛下は豪快に笑った。
 その破格の申し出に、居並ぶ重臣や大貴族たちから感嘆の呟きが漏れる。

「王女殿下との結婚は、もはや決定事項か……!」
「今後は、シルフィード伯爵家が大きな権勢を振るうことに」

 国王陛下の背後に護衛として控えた父上が、自慢そうに胸を張った。

「それでは恐れながら……セリカ王女と結婚せよと命じられました件につきましては、謹んでお断りさせていただきたいと存じます」

 俺は思い切って告げた。

「なに……?」 

 国王陛下は意外そうに目を瞬く。

「えっ、ヴァイス君、どうして!?」

 俺の隣で、セリカが絶句していた。
 それは居並ぶ貴族たちも同じだった。

「ヴァイスよ、何を申すのだ。控えよ!」
「良い、許す」

 父上から叱責が飛ぶが、国王陛下はそれを手で制した。

「お、愚かな。これほどの名誉を……」

 父上はさらに何か言いたそうだったが、引き下がった。
 名誉を重んじる父上にとっては信じがたいことだろうが、俺もこればかりは譲れない。
 
 魔族イザベラの事件が明るみに出た後、セリカは後宮ではなく、再び国王と同じ棟で暮らすことになったのだが……

 国王陛下が、俺のことをいたく気に入って、トンデモナイことを言ってきたのだ。

『強き英雄の血を王家に取り込むことこそ、我が王国の繁栄に必要不可欠! セリカよ、ヴァイスを王配とし、今夜から世継ぎ作りに励むが良い。一刻も早く孫の顔を余に見せるのだぞ』

 よ、世継ぎ作りって、それってつまり、早々に結婚して子供を持てということかぁ!? 俺たちはまだ学生だぞ。
 しかも、セリカは完全に乗り気だった。

『やったぁああ! これで毎日、同じベッドで寝られるねヴァイス君!』
『それは結婚してからって、話だっただろ!?』
『大丈夫よ! お父様が今すぐ結婚しなさいって!』
『はぁあああっ!?』
 
 王命を持ち出されては、王国貴族である俺は従わざるを得ない。

 誰かに助けを乞おうにも、魔族イザベラの討伐によって、一夜にして俺とセリカの熱愛ぶりは王宮で有名になってしまい、反対意見を言う者はいなかった。

 セリカ王女を救うために何度も命を賭けたヴァイスは見事だ。
 さすがは【栄光なる騎士】グロリアスナイツアルバンの息子だと、王宮で評価がうなぎ登りになってしまっている。

 あまりのことに俺は血の気が引くのを感じた。

 ……俺はセリカのことが好きだと思う。

 だけど、いきなり結婚して、子作りしろというのは、あまりに性急過ぎだ。
 なにより、そんな大切なことは他人から強要されて行うことじゃないと思う。

「まさか余の命令に逆らうとは、なんとも、剛毅な男よ! おぬしはセリカと添い遂げたいのではなかったのか? 娘より、そう聞いていたが?」
 
 ヴィルヘルム陛下は愉快そうに笑った。
 しかし、目は笑っていない。俺を値踏みするような鋭い眼光を向けてくる。
 だが、ここで怯む訳にはいかない。

「はっ! 恐れながら、陛下のご命令によって、性急に結婚を強いられたとあっては、王女殿下があまりにも哀れではないでしょうか?」
「それが王家に生まれた娘の宿命よ。余が子宝に恵まれなかった以上、セリカに王族としての務めを果たしてもらわねばなるまい? 王族の少なさが、ローランド王国の弱点であるが故にな」

 どうやら国王陛下は今回、大魔族ジゼルが唯一の王位継承者のセリカを狙ってきたことで、早急に王族を増やさねばならないと考えたらしい。
 その考えは、無論、理解できるが……

「王女殿下が、フィアナ公爵令嬢に勝つ場面を見たくはありませんか?」
「なに?」
「陛下は、王女殿下に自らの運命を切り開く力があるかお試しになるために、グロリアス騎士学園への入学をご命令になったハズです。俺にお任せいただければ、セリカ王女を【栄光なる席次】グロリアス・ランキング2位にしてご覧に入れます。無論、1位は俺です」
「……なんと!?」

 謁見の間のざわめきが大きくなった。

「ヴァイスさん、あなたは……!」

 俺の後ろに控えていたフィアナが息を飲む。

「わたくしに勝つだけでなく、セリカさんをわたくしを超える戦士に育てるとおっしゃるの? いくら、あなたと言えど」
「その通りだ。俺ならできる」

 時間をかけてセリカを育てれば、やってやれないことはない。

 無理、できない。とか言われると、逆に燃えるのが、ゲーマー魂だ。負けイベントのボスを撃破したり、最弱キャラで最強キャラを打ち負かす快感は格別なのだ。

「不動のナンバー1と言われたフィアナ殿にそこまで言い切るとは……!」

 貴族たちは、呆気に取られていた。

「陛下、セリカ王女はこれから、まだまだ成長する可能性を秘めています。俺にお任せいただければ、セリカ王女を貴族たちの誰もが尊敬せざるを得ない、ヴィルヘルム陛下のような強い女王に育て上げてご覧に入れます」
「なに……!?」
「その上で、もしお互いに結婚したいという気持ちがあれば、俺は卒業後に王女殿下に結婚を申し込みたいと思います。しかし、そこに陛下からの強要はあってはならないと存じます」

 3年もあれば、俺の気持ちも固まるだろう。
 結婚どころか、いきなり父親になれと言われても、困る。

「故に王女殿下との結婚は、固辞させていただきたく存じます! これが俺が陛下に望む褒美です!」

 よし、言い切った。
 セリカと国王陛下は気を悪くするだろうが、仕方がない。

 だが、意外にも国王陛下は陽気に笑った。

「これはなんとも愉快な男よ! 確かに余は、セリカが強き女王となることを望んでおる。だが、もしこれからの3年間、おぬし意外の男が【栄光なる席次】グロリアス・ランキング1位の座に輝いたら、余はその者をセリカの婚約者と定めるが、それでも良いのか?」
「王女殿下は1位の生徒と、無理やり婚約させられることを厭っておられます。そのようなことが無いよう、俺は【栄光なる席次】グロリアス・ランキング1位となって、3年間その座を死守し続けるつもりです」

 望まない婚約をさせられるのは、セリカがかわいそうだからな。

「クハハハハッ! そうか、そうか、あい、わかった! どうやら、おぬしは余の想像を超えた傑物であったようだな!」

 国王陛下が、膝を叩いて王座から立ち上がった。

「それができるのであれば、余に異論は無い! 真の強者であるおぬしに率いられた王国の未来は、まさに安泰となろう。セリカよ、ヴァイスはこう申しておるがどうだ?」

 俺の隣に控えていたセリカが、ここぞとばかりに声を張り上げた。

「はい、お父様! 私は自分の運命をこの手で切り拓ける力を手に入れたいと思っています。だから、今はヴァイス君からもっと教えをこうて、成長して。卒業後に胸を張って彼と結婚式を挙げたいと思います!」
「うむ。考えてみれば、同年代の貴族たちと競い合う10代の3年間は貴重なもの。セリカが良き女王となるには、必要不可欠であったな。余は、ちと性急に事を進め過ぎたようだ。ヴァイスには礼を述べねばならん!」

 謁見の間に居並ぶ貴族たちから、おおっと、どよめきが広がった。

「3年後のヴァイスとセリカの結婚式、余が盛大に祝ってやろうぞ!」

 その瞬間、貴族たちから割れんばかりの拍手と歓声が鳴り響いた。

「へ、陛下にここまで、気に入られるとは!」
「おおっ、やはりヴァイス殿こそ、次代の英雄! 王国を未来を担う人物だ!」
「ヴァイス殿、万歳!」
「ハハハハハッ! ヴァイスを王家に迎い入れ、余の息子と呼ぶことのできる日が楽しみだ!」

 あ、あれ? 不興を買うことを覚悟していたのに、逆に国王陛下にえらく気に入られてしまったぞ?

「そうでありましょう! これがワシの自慢の息子、ヴァイスです!」

 父上はすっかり得意満面になっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪行貴族のはずれ息子【第1部 魔法講師編】

白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
★作者個人でAmazonにて自費出版中。Kindle電子書籍有料ランキング「SF・ホラー・ファンタジー」「児童書>読み物」1位にWランクイン! ★第2部はこちら↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/162178383/450916603 「お前みたいな無能は分家がお似合いだ」 幼い頃から魔法を使う事ができた本家の息子リーヴは、そうして魔法の才能がない分家の息子アシックをいつも笑っていた。 東にある小さな街を領地としている悪名高き貴族『ユーグ家』―古くからその街を統治している彼らの実態は酷いものだった。 本家の当主がまともに管理せず、領地は放置状態。にもかかわらず、税の徴収だけ行うことから人々から嫌悪され、さらに近年はその長男であるリーヴ・ユーグの悪名高さもそれに拍車をかけていた。 容姿端麗、文武両道…というのは他の貴族への印象を良くする為の表向きの顔。その実態は父親の権力を駆使して悪ガキを集め、街の人々を困らせて楽しむガキ大将のような人間だった。 悪知恵が働き、魔法も使え、取り巻き達と好き放題するリーヴを誰も止めることができず、人々は『ユーグ家』をやっかんでいた。 さらにリーヴ達は街の人間だけではなく、自分達の分家も馬鹿にしており、中でも分家の長男として生まれたアシック・ユーグを『無能』と呼んで嘲笑うのが日課だった。だが、努力することなく才能に溺れていたリーヴは気付いていなかった。 自分が無能と嘲笑っていたアシックが努力し続けた結果、書庫に眠っていた魔法を全て習得し終えていたことを。そして、本家よりも街の人間達から感心を向けられ、分家の力が強まっていることを。 やがて、リーヴがその事実に気付いた時にはもう遅かった。 アシックに追い抜かれた焦りから魔法を再び学び始めたが、今さら才能が実ることもなく二人の差は徐々に広まっていくばかり。 そんな中、リーヴの妹で『忌み子』として幽閉されていたユミィを助けたのを機に、アシックは本家を変えていってしまい…? ◇過去最高ランキング ・アルファポリス 男性HOTランキング:10位 ・カクヨム 週間ランキング(総合):80位台 週間ランキング(異世界ファンタジー):43位

乙女ゲーのモブに転生した俺、なぜかヒロインの攻略対象になってしまう。えっ? 俺はモブだよ?

水間ノボル🐳
ファンタジー
↑ お気に入り登録をお願いします! ※ 5/15 男性向けホットランキング1位★  目覚めたら、妹に無理やりプレイさせられた乙女ゲーム、「ルーナ・クロニクル」のモブに転生した俺。    名前は、シド・フォン・グランディ。    準男爵の三男。典型的な底辺貴族だ。 「アリシア、平民のゴミはさっさと退学しなさい!」 「おいっ! 人をゴミ扱いするんじゃねぇ!」  ヒロインのアリシアを、悪役令嬢のファルネーゼがいじめていたシーンにちょうど転生する。    前日、会社の上司にパワハラされていた俺は、ついむしゃくしゃしてファルネーゼにブチキレてしまい…… 「助けてくれてありがとうございます。その……明日の午後、空いてますか?」 「えっ? 俺に言ってる?」  イケメンの攻略対象を差し置いて、ヒロインが俺に迫ってきて…… 「グランディ、決闘だ。俺たちが勝ったら、二度とアリシア近づくな……っ!」 「おいおい。なんでそうなるんだよ……」  攻略対象の王子殿下に、決闘を挑まれて。 「クソ……っ! 準男爵ごときに負けるわけにはいかない……」 「かなり手加減してるんだが……」  モブの俺が決闘に勝ってしまって——  ※2024/3/20 カクヨム様にて、異世界ファンタジーランキング2位!週間総合ランキング4位!

勇者がパーティーを追放されたので、冒険者の街で「助っ人冒険者」を始めたら……勇者だった頃よりも大忙しなのですが!?

シトラス=ライス
ファンタジー
 漆黒の勇者ノワールは、突然やってきた国の皇子ブランシュに力の証である聖剣を奪われ、追放を宣言される。 かなり不真面目なメンバーたちも、真面目なノワールが気に入らず、彼の追放に加担していたらしい。 結果ノワールは勇者にも関わらずパーティーを追い出されてしまう。 途方に暮れてたノワールは、放浪の最中にたまたまヨトンヘイム冒険者ギルドの受付嬢の「リゼ」を救出する。 すると彼女から……「とっても強いそこのあなた! 助っ人冒険者になりませんか!?」  特にやることも見つからなかったノワールは、名前を「ノルン」と変え、その誘いを受け、公僕の戦士である「助っ人冒険者」となった。  さすがは元勇者というべきか。 助っ人にも関わらず主役級の大活躍をしたり、久々に食事やお酒を楽しんだり、新人の冒険者の面倒を見たりなどなど…………あれ? 勇者だったころよりも、充実してないか?  一方その頃、勇者になりかわったブランシュは能力の代償と、その強大な力に振り回されているのだった…… *本作は以前連載をしておりました「勇者がパーティーをクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら(かつて助けた村娘と共に)、最初は地元民となんやかんやとあったけど……今は、勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?」のリブート作品になります。

序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜

水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ ★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位! ★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント) 「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」 『醜い豚』  『最低のゴミクズ』 『無能の恥晒し』  18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。  優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。  魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。    ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。  プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。  そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。  ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。 「主人公は俺なのに……」 「うん。キミが主人公だ」 「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」 「理不尽すぎません?」  原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。 ※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!

俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜

平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。 『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。 この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。 その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。 一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。

「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~

平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。 三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。 そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。 アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。 襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。 果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。

「おっさんはいらない」とパーティーを追放された魔導師は若返り、最強の大賢者となる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~

平山和人
ファンタジー
かつては伝説の魔法使いと謳われたアークは中年となり、衰えた存在になった。 ある日、所属していたパーティーのリーダーから「老いさらばえたおっさんは必要ない」とパーティーを追い出される。 身も心も疲弊したアークは、辺境の地と拠点を移し、自給自足のスローライフを送っていた。 そんなある日、森の中で呪いをかけられた瀕死のフェニックスを発見し、これを助ける。 フェニックスはお礼に、アークを若返らせてくれるのだった。若返ったおかげで、全盛期以上の力を手に入れたアークは、史上最強の大賢者となる。 一方アークを追放したパーティーはアークを失ったことで、没落の道を辿ることになる。

転生したら主人公を裏切ってパーティを離脱する味方ヅラ悪役貴族だった~破滅回避のために強くなりすぎた結果、シナリオが完全崩壊しました~

おさない
ファンタジー
 徹夜で新作のRPG『ラストファンタジア』をクリアした俺は、気づくと先程までプレイしていたゲームの世界に転生していた。  しかも転生先は、味方としてパーティに加わり、最後は主人公を裏切ってラスボスとなる悪役貴族のアラン・ディンロードの少年時代。  おまけに、とある事情により悪の道に進まなくても死亡確定である。  絶望的な状況に陥ってしまった俺は、破滅の運命に抗うために鍛錬を始めるのだが……ラスボスであるアランには俺の想像を遥かに超える才能が眠っていた! ※カクヨムにも掲載しています

処理中です...