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第13話 ふれあい
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「ふれあいコーナー行こう!」
「サメ……ネコザメとイヌザメが触れるらしいな」
「ネコとイヌ! 可愛い名前のサメだね」
愛は翔が手に持つパンフレットを覗き込んだ。
「ああ」
館内をしばらく歩くとふれあいコーナーに到着した。
中に入ると、腰あたりの高さに設置された水槽にはネコザメとイヌザメが展示されていた。
「そんなに混んでなくて良かったね」
「ちょうどお昼だから人が少ないんだな」
時刻は12時、本来なら行列の耐えないふれあいコーナーも、お昼時という事もあり、まばらに人がいる程度だ。
「次だね! 緊張する!」
「どんな触り心地なんだろうな」
水槽は3箇所の区画に別れており、全ての水槽でネコザメ、イヌザメが触れるようになっている。
列も進み、いよいよ愛と翔の順番だ。
「背中側を撫でるんだね……わっ! 柔らかい」
「腹を触ると餌と間違えて食われるらしいな。ほんとだ、柔けぇ」
ひとつひとつの区間に設置されている、ふれあいガイドに目を通した2人は柔らかい触り心地に感動していた。
「すっごい柔らかかったね。はい、ハンカチ……忘れたんでしょ」
「悪い、サンキューな」
ふれあいコーナーの出口付近には水道も設置されており、触り終わった後は手洗いと消毒が必須となっている。
「よし、飯でも食うか!」
「食べる! 何食べようかな?」
愛はパンフレットに載っている飲食店を見つめひたすら悩む。
「翔、どれにする?」
「じゃあ、ここにしようぜ」
結局決められず、翔に決定権を委ねるも即答される始末。
「すぐに決められるのいいな。どれも美味しそうで悩んじゃう」
「まあ、料理はどれも美味しそうだけど……ここのは他とはひと味もふた味も違う。なぜならペンギンを見ながらご飯を食べられる!」
「凄い! 食べたいものだけで選んでたから全然気づかなかった!」
館内にあるカフェは水槽の目の前にテーブルとイスが並べてあり、ペンギンを見ながら食事が出来るというペンギン好きには嬉しいカフェだ。
「お待たせー」
ここはカウンターで注文し、出来上がるとブザーがなり、料理を自分で取りに行くようになっている。
翔は2人分の料理をトレーに乗せ、愛が座るテーブルまで運んできた。
「ありがとう」
食事するスペースも同様に照明が落ちているため、海の中でご飯を食べているような雰囲気だ。
「可愛い! カレーのご飯がペンギン型になってる!」
「可愛いな。ハンバーグもペンギンぽいな」
愛はカレー、翔はハンバーグを注文した。
そのどちらもペンギン型になっており、食べるのが惜しくなるほどだ。
「楽しかったー! また来ようね!」
「ああ。絶対来ような!」
昼食を終えた2人はペンギンやカワウソ、その他の生き物たちを見て、存分に堪能したところで、帰路に着いた。
玄関先で手を振り合う2人。
隣同士、いつでも会える距離にいるのに、別れるのが惜しくなる。
「じゃあね」
「ああ」
愛が玄関に入るのを見届けると翔も中へ入って行った。
「サメ……ネコザメとイヌザメが触れるらしいな」
「ネコとイヌ! 可愛い名前のサメだね」
愛は翔が手に持つパンフレットを覗き込んだ。
「ああ」
館内をしばらく歩くとふれあいコーナーに到着した。
中に入ると、腰あたりの高さに設置された水槽にはネコザメとイヌザメが展示されていた。
「そんなに混んでなくて良かったね」
「ちょうどお昼だから人が少ないんだな」
時刻は12時、本来なら行列の耐えないふれあいコーナーも、お昼時という事もあり、まばらに人がいる程度だ。
「次だね! 緊張する!」
「どんな触り心地なんだろうな」
水槽は3箇所の区画に別れており、全ての水槽でネコザメ、イヌザメが触れるようになっている。
列も進み、いよいよ愛と翔の順番だ。
「背中側を撫でるんだね……わっ! 柔らかい」
「腹を触ると餌と間違えて食われるらしいな。ほんとだ、柔けぇ」
ひとつひとつの区間に設置されている、ふれあいガイドに目を通した2人は柔らかい触り心地に感動していた。
「すっごい柔らかかったね。はい、ハンカチ……忘れたんでしょ」
「悪い、サンキューな」
ふれあいコーナーの出口付近には水道も設置されており、触り終わった後は手洗いと消毒が必須となっている。
「よし、飯でも食うか!」
「食べる! 何食べようかな?」
愛はパンフレットに載っている飲食店を見つめひたすら悩む。
「翔、どれにする?」
「じゃあ、ここにしようぜ」
結局決められず、翔に決定権を委ねるも即答される始末。
「すぐに決められるのいいな。どれも美味しそうで悩んじゃう」
「まあ、料理はどれも美味しそうだけど……ここのは他とはひと味もふた味も違う。なぜならペンギンを見ながらご飯を食べられる!」
「凄い! 食べたいものだけで選んでたから全然気づかなかった!」
館内にあるカフェは水槽の目の前にテーブルとイスが並べてあり、ペンギンを見ながら食事が出来るというペンギン好きには嬉しいカフェだ。
「お待たせー」
ここはカウンターで注文し、出来上がるとブザーがなり、料理を自分で取りに行くようになっている。
翔は2人分の料理をトレーに乗せ、愛が座るテーブルまで運んできた。
「ありがとう」
食事するスペースも同様に照明が落ちているため、海の中でご飯を食べているような雰囲気だ。
「可愛い! カレーのご飯がペンギン型になってる!」
「可愛いな。ハンバーグもペンギンぽいな」
愛はカレー、翔はハンバーグを注文した。
そのどちらもペンギン型になっており、食べるのが惜しくなるほどだ。
「楽しかったー! また来ようね!」
「ああ。絶対来ような!」
昼食を終えた2人はペンギンやカワウソ、その他の生き物たちを見て、存分に堪能したところで、帰路に着いた。
玄関先で手を振り合う2人。
隣同士、いつでも会える距離にいるのに、別れるのが惜しくなる。
「じゃあね」
「ああ」
愛が玄関に入るのを見届けると翔も中へ入って行った。
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