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3 恋ぞつもりて… #12
しおりを挟む「……あ、あぁ……んぅ、っ」
全身を這い回る、優成の指と舌。もうずっと、頭の中は真っ白だ。
腰のラインから臍周りを撫でていた手が、そろりと下に滑っていく。
「んあっ」
熱い唇の感触とともに。
「やぁっ! そんな、とこっ……あっ、やっ……あぁっ」
嫌だ、恥ずかしい!
けれど、それ以上の快楽に全身が甘く粟立つ。
乳首への丹念な愛撫で、身体の中心はもうとっくに濡れそぼり、優成の指を今か今かと待ちかねていたんだから。
「ああぁ、っ……ぁんっ」
が、いきなり舐められて、口に含まれるとは思ってなかった。
「ゆう……せっ」
もう縋れるものは、ここしかない。艶のある黒髪に指を差し入れ、荒い呼吸と同じリズムで掻き乱してしまう。
性器の先端を覆う口腔の熱に震え、さらに固く勃ち上げられ。
「はぁ、っ……あっ、ああ、ぁ」
じゅるっ、ちゅるっという淫らな水音を聞きながら、はちきれんばかりに追い上げられた自身の熱の行き場を探してしまう。
「あ、駄目、だっ……俺、もぉっ……」
「ん? イっていいよ?」
「はっ、あぁ、っ……ぁっ」
唇を離さずに告げられ、その振動に、ぶるっと下腹が震えた瞬間。
「やぁっ! あっ、あっ……んぁっ」
ひと際強く、吸い上げられた。
「あっ……ゆう、せっ……はぁ、っ!」
止まらない。
波立つように、大きく腰が跳ねる。
「はっ、ぁぁっ……」
びくんびくんっと何度か震え、呼吸を忘れた口が思い出したように酸素を求めた時。
ゴクンッと、何かを飲み下した音が鼓膜に届いてきた。
「……っ! ゆ……せぃ?」
今の、まさか?
力の入らない身体に苛つきながらも首だけを起こし、その姿を求めれば。
「可愛い。ナルのこの表情、今まで誰も見たことないよね?」
相手のほうから俺の両脇に手をついて、顔を覗き込んできた。
「俺の手で、こんなに可愛くなったんだ。ふふっ。すげぇ嬉しい」
この上なく幸せそうに微笑み、目尻に溜まった涙を親指でそっと拭ってくれる。
「おまけに、普段の何万倍も色っぽいよ? 何でもない時でさえ、色気だだ漏れなのに。はあぁ……堪んないな」
切れ長の瞳が、『愛しい』と告げてくれている。
でも俺は、室内灯に照らされて光る、淫靡なその唇から目が離せない。
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