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Lovers -side Shingo-
愛が止まらない。【6】 #5
しおりを挟む「慎吾。名前、呼んで」
「はぁ……ぁ、かーくんっ」
唯一、俺の鼓膜を震わせることの出来る甘いテノールにねだられ、その身をかき抱いて名を呼ぶ。ゾクゾクする。名前を呼んで抱きしめるだけで、脳が痺れる。
「好き。大好きっ」
衝動的に叫んで、相手の腰に足も巻きつかせる。手も足も、全身で重みを受けとめて、体温を分かち合う。
「かーくん? 俺、そろそろ……かも。だからっ」
「ん。一緒に、だな」
一緒にイきたい。その日によって、口に出すことを求められるワードを、今日は恋人のほうから言ってくれた。
ついさっき、よじれるような複雑な動きで奥まで抉られた時、一瞬、耳が遠くなった。快楽の頂点がそこまで近づいてるんだ。
「うんっ。一緒が、いい……んあっ!」
抱きしめる手の力を強めた瞬間、片方の膝を高く掲げられ、抜き差しのスピードが上がった。
あぁ……深い。お前、そんなに奥まで突くの?
「……っ、激し……あ、かーくん……かーくんっ」
奥深く穿たれ、粘膜の中で嵩を増した熱塊の凶暴な動きに一気に持っていかれそうになって、堪えきれずにすがる。
でも、ただ、すがるんじゃない。淫らに蕩かされ、官能に染められた思考を必死で支えて、呼吸を合わせるんだ。
「慎吾っ」
「んっ! やぁっ、あっ……あぁっ」
とめどない快感の終幕を飾ったのは、悲鳴にも似た、甘い嬌声。それから、恋人が俺の上で零した恍惚の吐息。
一緒に頂まで駆け上がった達成感と甘い余韻が、冬の静寂の中に溶けていった。
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