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妖怪の学校に転校って!?
妖怪の学校に転校って!?(3)
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みるみるスリムになっていく神城さん。もとどおりになったときはやっぱりクラス1の美少女だった。
「な、なにこれ!?」
「頑張っているご褒美みたいなものだよ」
お兄ちゃんがそう言うと、神城さんまで頬を赤く染めた。
「や、やせた!? な、なんで!?」
そんな時、背後から大人の女性に声をかけられた。
「若いのに頑張るわね。体力つくり? 学校でマラソン大会でもあるの?」
「え、えと……」
突然大人に声をかけられて、わたしは緊張して返事ができなくなってしまった。20代くらいのとても若くて綺麗なお姉さんだった。
「あたしはね、学校の先生をしているんだ。みんなやんちゃだからものすごく体力を使うの」
そう言うと、爽やかなお姉さんは颯爽とマラソン選手みたいに早いペースで駆け抜けて行った。
「はぁ、それにしても少し痩せたみたいだし、クラスの奴らを見返してやる!」
「神城さんだっけ? 見返すとか自慢するために努力するのも一つの方法かもしれないけれど、そういう生き方はとても疲れるよ」
お兄ちゃんはあろうことか神城さんの肩をポンと叩いた。
「ちょっ、お兄ちゃん、セクハラになるよ」
実はセクハラがなにかよくわかっていないのだが、男の人が女の人に無理やりスキンシップをする、みたいな風に思っている。神城さんはプライドが高いので、たいして親しくもない男の子に急に触られるなんていやだろうと思った。
「いいわよ。今は機嫌がいいから、それじゃあね。あと、あんたたちには負けないから」
なぜかそう言って剣士くんと雪姫ちゃんを睨みつけた。
そんな時、ぽつりと剣士くんがつぶやいた。
「洋怪王だ……」
「え?」
「さっきの若いお姉さんのことでありんす。すごい妖力を放っていたでありんす」
まさか、洋怪王が近所にいたなんて。そんな偶然ある!? まさか剣士くんたちを狙って?
これからどうなっちゃうんだろう。
そんなことを考えていると、不意に土手の下道路に黒塗りのリムジンが停まった。中から出てきたのは家保くんだ。高級そうな子ども用スーツを着てネクタイを締めている。
「神城さんを確保しにきた。きみはこれからしばらく僕の家で暮らさないといけない」
「は? あんた何言ってんの?」
「神城さんの両親からは許可をとっている」
神城さんの家は田舎では有名な大きな会社の社長さんだ。そんなお嬢様の神城さんがイケメンの家保くんと暮らすなんていいのだろうか?
「ほら」
家保くんはスマホを神城さんに差し出した。
「え? もしもし? パパ? どうしたの? ええっ? 会社のために家保くんと付き合え!? それってどういうこと?」
家保くんはすかさず答える。
「神城自動車は徳川グループの子会社になった。君のお父さんが神城自動車の社長を続けさせることを条件に、君をしばらく預かることにしたんだ。きみは俺と一緒に妖立妖怪学園に転校してもらう」
「は? はぁ? 妖怪学園ってなに!? な、なんであんたなんかと! あんたって腕がゴムみたいに伸びるばけものじゃない!」
「ふぅ、あまりそういうことは言ってほしくないな。これでも傷つくんだ。口が悪いのは治さないとね……」
漫画みたいな展開だ。少し強引だけれど。こんなことあるんだなと、わたしは呆然と立ち尽くしていた。
「俺は君にも興味があるんだけれど、剣士や雪姫さんを怒らせたら怖いからね」
そう言ってわたしにウィンクをした家保くん。神城さんは家保くんに言われるがまま、リムジンに乗っていった。
お兄ちゃんといい、神城さんといい、妖怪の恋人がいていいな。家保くんは妖怪とのハーフだけど。
ふと、剣士くんと目が合った。イケメンだけれど、わたしが恋愛とかするのは中学生みたいな大人になってからかなぁ。
「な、なにこれ!?」
「頑張っているご褒美みたいなものだよ」
お兄ちゃんがそう言うと、神城さんまで頬を赤く染めた。
「や、やせた!? な、なんで!?」
そんな時、背後から大人の女性に声をかけられた。
「若いのに頑張るわね。体力つくり? 学校でマラソン大会でもあるの?」
「え、えと……」
突然大人に声をかけられて、わたしは緊張して返事ができなくなってしまった。20代くらいのとても若くて綺麗なお姉さんだった。
「あたしはね、学校の先生をしているんだ。みんなやんちゃだからものすごく体力を使うの」
そう言うと、爽やかなお姉さんは颯爽とマラソン選手みたいに早いペースで駆け抜けて行った。
「はぁ、それにしても少し痩せたみたいだし、クラスの奴らを見返してやる!」
「神城さんだっけ? 見返すとか自慢するために努力するのも一つの方法かもしれないけれど、そういう生き方はとても疲れるよ」
お兄ちゃんはあろうことか神城さんの肩をポンと叩いた。
「ちょっ、お兄ちゃん、セクハラになるよ」
実はセクハラがなにかよくわかっていないのだが、男の人が女の人に無理やりスキンシップをする、みたいな風に思っている。神城さんはプライドが高いので、たいして親しくもない男の子に急に触られるなんていやだろうと思った。
「いいわよ。今は機嫌がいいから、それじゃあね。あと、あんたたちには負けないから」
なぜかそう言って剣士くんと雪姫ちゃんを睨みつけた。
そんな時、ぽつりと剣士くんがつぶやいた。
「洋怪王だ……」
「え?」
「さっきの若いお姉さんのことでありんす。すごい妖力を放っていたでありんす」
まさか、洋怪王が近所にいたなんて。そんな偶然ある!? まさか剣士くんたちを狙って?
これからどうなっちゃうんだろう。
そんなことを考えていると、不意に土手の下道路に黒塗りのリムジンが停まった。中から出てきたのは家保くんだ。高級そうな子ども用スーツを着てネクタイを締めている。
「神城さんを確保しにきた。きみはこれからしばらく僕の家で暮らさないといけない」
「は? あんた何言ってんの?」
「神城さんの両親からは許可をとっている」
神城さんの家は田舎では有名な大きな会社の社長さんだ。そんなお嬢様の神城さんがイケメンの家保くんと暮らすなんていいのだろうか?
「ほら」
家保くんはスマホを神城さんに差し出した。
「え? もしもし? パパ? どうしたの? ええっ? 会社のために家保くんと付き合え!? それってどういうこと?」
家保くんはすかさず答える。
「神城自動車は徳川グループの子会社になった。君のお父さんが神城自動車の社長を続けさせることを条件に、君をしばらく預かることにしたんだ。きみは俺と一緒に妖立妖怪学園に転校してもらう」
「は? はぁ? 妖怪学園ってなに!? な、なんであんたなんかと! あんたって腕がゴムみたいに伸びるばけものじゃない!」
「ふぅ、あまりそういうことは言ってほしくないな。これでも傷つくんだ。口が悪いのは治さないとね……」
漫画みたいな展開だ。少し強引だけれど。こんなことあるんだなと、わたしは呆然と立ち尽くしていた。
「俺は君にも興味があるんだけれど、剣士や雪姫さんを怒らせたら怖いからね」
そう言ってわたしにウィンクをした家保くん。神城さんは家保くんに言われるがまま、リムジンに乗っていった。
お兄ちゃんといい、神城さんといい、妖怪の恋人がいていいな。家保くんは妖怪とのハーフだけど。
ふと、剣士くんと目が合った。イケメンだけれど、わたしが恋愛とかするのは中学生みたいな大人になってからかなぁ。
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