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レノアの章

備考・セイレーンの涙とその解毒薬について

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【セイレーンの涙】

海に生息する女怪の鱗を原料にした媚薬。

過去乱獲された為魔物の数が激減しており、またセイレーンが人間を酷く警戒するようになった為入手は困難になった。

鱗のみを粉にする方法や捕えたセイレーンの血肉も利用する方法など複数の調合方法がある。

使用するときは予め己の血を薬に混ぜて置く。チョコレートケーキや匂いの強いハーブティーに混ぜて飲ませると気づかれにくい。

服用させた薬の量と期間によるが効果が出た場合一方的に相手に命令することが出来る。相手はその命令を忠実にこなそうとする。

しかし意識を薬に縛られた状態の為繊細で複雑な作業は向いていない。

効き目が短い、または出ないと感じた場合は相手と己の距離を短くすることで改善する場合がある。


解毒について。

セイレーン涙の服用を中止する。もしくは薬を使ってきた相手との距離を放すのが有効である。

このことで数日後には明確な改善がされる。しかしその一か月辺りに重度の中毒発作がくる場合が多い。

この時点で自殺するもの、また薬で支配してきた相手を殺そうとする者も出てくる。

被験者が誇り高かったり、手酷い命令を受けていた人物の場合可能なら「解毒薬」を事前に用意しておくといい。

セイレーンの涙を利用した者の血が鍋にたっぷり二杯必要になる。これが一人分の患者に投与する量になる。

鍋で血を弱火で煮込み途中で岩塩とハーブを入れる。

水分が少なくなり粘度が濃くなってきたら火からおろし清潔な木の板に中身を出す。そのまま薄く伸ばし乾燥した場所で数日干す。

完全に乾いたら細かく折り砕き清潔な瓶で保管する。スープなどに混ぜて服用させると飲ませやすい。


セイレーン生息地域では、セイレーンの涙とその解毒剤の入手為血生臭い事件が絶えない。

その為ほぼどの地域もセイレーンの捕獲及びセイレーンの涙の所持を固く禁止している。
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