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それでも俺が好きだと言ってみろ.39

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「おはよう和香ちゃん。驚かそうと思って来ちゃった」

「あ、うん・・・、おはよう」

 ああ、どうすれば・・・、神様・・・。



「あの、開けてくれない?やっぱり突然来ちゃまずかったかな・・・」

「う、ううん、そんなことはないんだけど・・・、ちょっと疲れてて・・・」

 いやいや、マズいです・・・、マズすぎて、もう死にそう・・・。



「だったら丁度よかった。そんなことだろうと思って、栄養のある食べ物持ってきたんだ。あと、家事も手伝ってあげるよ」

「・・・う、うん」

「にしても、いつまでここで話してればいいのかな・・・」

 そうだ・・・、これじゃあ近所迷惑だ・・・。

 しかし、それよりももっと困ったことが家の中にあるのだ。



「彼氏・・・?」

 いつの間に起きたのか、和香のすぐ後ろに桜庭が立っていた。

「さ、桜庭さん!!」

「入れてあげないの?」

「い、いやそれは・・・」

「彼氏をあんなところに立たせておくなんて、お前意外と冷たい奴だな」



 何でそうなるの?

 入れられない理由はあなたでしょ。

 本当ならそう言いたかった。



 起きたばかりの桜庭の格好は、今まさにベッドから出てきた以外の何ものでもない。

 言い訳なんて出来るはずもない。

 戸惑う和香を尻目に、スタスタと玄関に向かうと、桜庭は勝手に鍵を開けてしまった。



「え、あ、あなたは・・・」

「とりあえず中に入ったら」

 驚く真にかまうことなく、桜庭は当たり前の様にそう言った。

 真も、この状況を見てしまった今、そのまま帰るはずもなく、厳しい顔つきで部屋の中に入ってきた。



 もう、和香は生きた心地がしない。

 どこを見ていればいいのかも分からない。



 真を家に招き入れたくせに、桜庭は我関せずといった雰囲気を醸し出している。

 真も和香も会話のきっかけをつかめないまま、しばらく沈黙が続いた。

 しかし、ついにしびれを切らした真が口を開いた。



「和香ちゃん、この人は・・・、一体どういうことか説明してくれる?」

「えっと、あの・・・、会社の上司の桜庭さん・・・」

「で、その桜庭さんがどうして和香ちゃんのアパートにいるの?」

「そ、それは・・・」



「セックスしてたからだよ」

「な、な、何を言ってるんですか桜庭さん!!」

 和香が止めようとしたが遅かった。

 桜庭は悪びれることもなく、本当のことを言ってしまった。 



「和香ちゃん・・・、この人の言ってることは本当?まだ入社したばかりだよね・・・?いったいどうなってるのか説明してくれる?」

 真も桜庭の言うことを100%信じたわけではないはずだ。
 
 しかし、この状況をいったいどう説明すればいいのだろう。
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