11 / 96
それでも俺が好きだと言ってみろ.11
しおりを挟む
いったい何が言いたかったのだろう・・・。
まったく、この会社の人間は個性が強すぎるんじゃなだろうか。
ゲノム解析などに興味を持つ人間は変人なのかと思うと、自分はどうだろうという疑問が生まれる。
確かに、桜庭のめちゃくちゃな要求を受け入れてまでゲノム解析をやりたいと思う時点で、やっぱり少しおかしいのかもしれない。
しかし、だからと言って好きなものは好きなのだ。
和香は洗面所で歯磨きを済ますと、桜庭に叱られないよう、午後からの仕事に必死に取り組んだ。
「竹内」
「はいっ!」
桜庭に呼ばれると、緊張のあまり必要以上に大きな声が出てしまう。
「で、いくつ出来た?」
「はい、何とか五件終わりました」
朝言われた六件には届かなかった。
「はっ、クズめ・・・」
「っ・・・」
ひどい・・・。
桜庭さんが優秀なのは三村さんから聞いてよく分かっている。
しかし、この性格の悪さはどうしたものか・・・。
和香は悲しさと悔しさでいっぱいになる。
「おまえ、残りの一件早く終わらせろ。今夜は俺のうちだからな」
「えっ・・・」
「えっ、じゃないだろ。早く仕事にかかれ」
桜庭はまるで当然のことだと言わんばかりに言い放ち、別室へ引っ込んでしまった。
中一日で、その日はやって来た。
これはいったいいつまで続くのだろうか。
そんなことを考えても答えなどあるはずないのに。
最後の一件を終え、桜庭にチェックをしてもらい、仕事を終えた。
二人でオフィスを出た。
この間の定食屋で食事を済ませ、桜庭のマンションに向かった。
相変わらず会話はない。
この間と違って、これから何をするのか分かっている。
分からない恐怖とは別の怖さが和香に襲いかかる。
桜庭の冷酷なやり方がまた繰り返されると知っているという怖さだ。
直接暴力を振るわれたわけではないが、いわゆる性暴力であることに間違いないのだから。
部屋に入るとすぐ服を脱ぐよう指示された。
和香はもはや抵抗することなく、着ているものを脱ぎ去った。
「お、今日はやけに素直だな。さすがのクズも少しは学習したか」
ひどい・・・。
セックス依存症というものがどんなものか詳しくは知らない。
だけど、これから抱こうとする女性に向かって、こんな屈辱的な言葉を投げかけるなんて、その神経を疑う。
「お前、フェラは得意か?」
追い打ちをかけるように投げかけられた言葉に、和香は目の前が真っ暗になる。
真とはもちろんセックスの経験はあるが、いつも真に任せっきりで、和香が自分から何かをすることはほぼない。
まったく、この会社の人間は個性が強すぎるんじゃなだろうか。
ゲノム解析などに興味を持つ人間は変人なのかと思うと、自分はどうだろうという疑問が生まれる。
確かに、桜庭のめちゃくちゃな要求を受け入れてまでゲノム解析をやりたいと思う時点で、やっぱり少しおかしいのかもしれない。
しかし、だからと言って好きなものは好きなのだ。
和香は洗面所で歯磨きを済ますと、桜庭に叱られないよう、午後からの仕事に必死に取り組んだ。
「竹内」
「はいっ!」
桜庭に呼ばれると、緊張のあまり必要以上に大きな声が出てしまう。
「で、いくつ出来た?」
「はい、何とか五件終わりました」
朝言われた六件には届かなかった。
「はっ、クズめ・・・」
「っ・・・」
ひどい・・・。
桜庭さんが優秀なのは三村さんから聞いてよく分かっている。
しかし、この性格の悪さはどうしたものか・・・。
和香は悲しさと悔しさでいっぱいになる。
「おまえ、残りの一件早く終わらせろ。今夜は俺のうちだからな」
「えっ・・・」
「えっ、じゃないだろ。早く仕事にかかれ」
桜庭はまるで当然のことだと言わんばかりに言い放ち、別室へ引っ込んでしまった。
中一日で、その日はやって来た。
これはいったいいつまで続くのだろうか。
そんなことを考えても答えなどあるはずないのに。
最後の一件を終え、桜庭にチェックをしてもらい、仕事を終えた。
二人でオフィスを出た。
この間の定食屋で食事を済ませ、桜庭のマンションに向かった。
相変わらず会話はない。
この間と違って、これから何をするのか分かっている。
分からない恐怖とは別の怖さが和香に襲いかかる。
桜庭の冷酷なやり方がまた繰り返されると知っているという怖さだ。
直接暴力を振るわれたわけではないが、いわゆる性暴力であることに間違いないのだから。
部屋に入るとすぐ服を脱ぐよう指示された。
和香はもはや抵抗することなく、着ているものを脱ぎ去った。
「お、今日はやけに素直だな。さすがのクズも少しは学習したか」
ひどい・・・。
セックス依存症というものがどんなものか詳しくは知らない。
だけど、これから抱こうとする女性に向かって、こんな屈辱的な言葉を投げかけるなんて、その神経を疑う。
「お前、フェラは得意か?」
追い打ちをかけるように投げかけられた言葉に、和香は目の前が真っ暗になる。
真とはもちろんセックスの経験はあるが、いつも真に任せっきりで、和香が自分から何かをすることはほぼない。
0
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる