それでも俺が好きだと言ってみろ

それでも俺が好きだと言ってみろ.04

　三階でエレベーターを降り、桜庭の部屋に入った。

　一人暮らしの男性の部屋にしては小奇麗にしてあるというのが最初の印象だ。

　廊下を入って右側にあるキッチンには一通り調味料が揃っていて、自炊をしているようで生活感はある。

　和香が部屋の様子を伺っているうちに、桜庭は部屋着に着替えていた。



「こっちへ来い」

　連れて行かれたのは、いきなり寝室だった。



「えっ・・・、ちょっと待ってください」

「待たないよ。服を脱げ」

「何を言ってるんですか！」



　当然の様に言われたが、桜庭の発言の意味が分からない。

　これが、今日会ったばかりの部下に言う言葉だろうか。



「何で？そんなの決まってるだろう。セックスするからだよ」

「っ！！」

「俺の言うことは聞くんだろう？」

「だけど・・・、こんなこと・・・」

「嫌ならクビ。出てけ」



　和香の頭の中は様々な思いが交錯する。

　今の仕事に就くのがどんなに大変だったか。

　そして、これを逃したら次にゲノム研究の会社に就ける保障などないこと。

　さらに和香には大学時代から付き合っている、小松真という彼氏がいるのだ。

　いったいどうすればいいのだろう・・・。

　自分の夢を取って、彼氏を裏切るのか・・・、それとも彼氏を取って夢を諦めるのか・・・。



「早くしろ！」

　そんな簡単に決められない・・・。

　だけど、この桜庭という男は今すぐ答えを出せと言う。



　和香はスーツのボタンを外した。

　ブラウスを脱ぎ、スカートを脱いだ。



「全部だ」

　和香はこれから一体どんな目に遭わされるのか分からない恐怖で震えていた。

　そんな震える指先でブラを外し、パンティも脱いだ。



「ベッドに寝ろ」

　言われるままに桜庭のベッドに横になった。

　桜庭はチューブを取り出すと、ゼリーを手に取り和香の大事な部分に塗りつけた。

　そして、自分のものを扱き始めた。



　ここまで言われるままに従ってしまったけれど、なぜ自分がこんな目に遭わなければいけないのか、その理由が分からない。

　だけど、和香は仕事を選んだ。

　「まあ君ごめんね」和香は心の中で真に詫びた。



　そんな和香の心の痛みなのおかまいなく、桜庭は和香の足を思い切り広げた。

「うぅっ！！」

　恥ずかしさと情けなさで、和香は思わず目を瞑って横をを向いた。



　桜庭は勃ち上がった自身の先端を和香のあそこに押し当てた。

「うっ！」

　ジェルのぬめりのおかげで挿入はスムーズに行われた。



　その間、桜庭は一言も言葉を発さない。

　そして、グッと奥まで押し入ると、ゆるりゆるりと腰を動かし始めた。

　まあ君、ごめんなさい、ごめんなさい・・・。

　和香は心の中で何度も何度も真に詫びた。