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御曹司のやんごとなき恋愛事情.40

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 しかし、当然の様に言われては、返す言葉が見つからない。

「あ、ああ、おやすみ・・・」

 伊波はすごすごと寝室に向かった。



 あんなに期待して、緊張しまくったのに・・・。

 いくら優子が淡白だからって、ずっとこんなんじゃ、俺、気が変になりそう・・・。

 二人で眠るために買ったダブルベッドに一人潜り込む。

 諦めの深いため息を漏らし、伊波は眠る態勢に入った。



「冗談よ。拗ねてるの?」

 何と、優子がバスタオル姿のままベッドに入ってきたのだ。

「わあーっ!!」

 伊波は飛び上がる程驚いた。



「ごめんごめん、賢二の態度が余りにも面白かったから、つい意地悪しちゃった」

「な、なんだよ、それ~」

 冗談にも程がある・・・。

 俺はこんなに喜んだり悲しんだり、振り回されっぱなしなのに・・・。

 伊波は本気で泣きたくなった。



「ねえ、抱いてくれないの?」

「そ、そんなストレートに言うなよ」



 その気は満々なのに、いざ優子の方から言われると、ビビってしまう。

 しかし、そう言っている優子の方も内心は複雑なままだった。

 だけど、全ては俊介のためなのだ。

 伊波と結婚するなら、こんなことでへこたれていてはやっていけない。



 俊介と違って、セフレなどというものもいなかった優子は、セックスをあまりに神聖化しすぎているのかもしれない。

 世の中には好きあっていなくても、まさに今の自分と同じように、何かしらの目的のために夫婦生活を営んでいるカップルは大勢いるはずだ。

 それに、伊波は、こんな自分でもいいといってくれている貴重な存在だ。

 その言葉に目一杯甘えさせてもらおう。

 性生活は最低限・・・。

 伊波が浮気に走ったりしない程度にしておこう。



「賢二・・・」

 優子が伊波の方へグッと体を近づけた瞬間、巻き付けていただけのバスタオルがハラリと落ちた。

「あ、あっ、あの、優子・・・、その、俺は・・・どうすれば」

 賢二はもうほとんどパニック状態だ。



「賢二、抱いて・・・」

 優子が裸のまま伊波に抱きついた瞬間、「はあっ!」と声をあげ、伊波はブルっと身体を震わせた。

「もう~、優子がそんなエロい恰好してくるから、いっちゃったよ~」

「ええ~っ、私のせい?」

 本当は、自分が勝手に何度も勃起を繰り返していたせいで、もう限界だったのだけど。



「もう一回シャワー浴びてくるよ。その・・・、濡れちゃったから・・・」

「そのままでいいよ」

「えっ、何言ってるの・・・」

 優子は呆気に取られる賢二を尻目に、パジャマを脱がせ、下着の中でぐしょぐしょになっているあれをティッシュで綺麗に拭ってくれた。

 その間も、優子に触れられるたび、賢二の体はビクビクと震えてしまう。
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