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エロ.33
しおりを挟む高広の方はもちろんそれでよかったが、美世もこんなことを望んでいたのだろうか。
そんな思いがよぎらないはずはなかった。
だけど、こんなチャンスを逃すつもりはない。
美世のことを一日中抱けるなんて。
何度そんなことを考えて悶々としたことだろう。
だけど今日は美世からお許しが出たのだ。
高広はそれこそ若い身体の体力の最後の一滴を使い果たすまで美世のことを抱いた。
気を失った様に眠ってしまったようだ。
目が覚めると外はもう暗かった。
美世は隣でまだ眠っている。
嘘みたいに幸せで、気が変になりそうだった。
その時、アパートの階段を誰かが足早に上ってくる音が聞こえた。
その足音は美世の部屋の前でとまり、外からカギが差し込まれた。
カギを持っているということは、まさか・・・、服部?
最悪のシナリオが高広の頭をよぎる。
「み、美世さん!誰か来た!!」
高広は美世の身体を揺らした。
「え、なに?」
「誰かがカギを開けてる!」
「え、ちょっと待って」
美世はまだ頭が働いていない様だ。
そうこうしているうちに玄関の扉が開いて部屋の電気がついた。
「あれ、姉ちゃんいないの?」
声の主はなんと元貴だった。
美世は高広に向かってシーッと人差し指を立てた。
「ちょっと待ってて今行く」
美世は大急ぎで部屋着を着ると寝室から出ていった。
「何だよ、姉ちゃん寝てたの?もしかして具合でも悪いんじゃ」
「そんなんじゃないよ。昨日の夜、知り合いと初詣に行ってその後ずっとカラオケしてたから、帰ってきたの朝なの」
「へえ、姉ちゃんでもたまには羽目を外すんだな」
「そうよ、お正月くらい楽しんだっていいでしょ」
「うん!全然いいよ。だけど、相手は男じゃないだろうな」
「違うよ。高校の時の友達」
「そっか、姉ちゃんは嘘つかないからな」
「で、どうしたの?急に家に来たりして」
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「そっか。なんだ、また持って帰らないといけないのか」
「いいわよ。私が車で持って行くから。元貴は自転車で来たんでしょ」
「うん。じゃあ俺帰るよ。また後でね」
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「うん!」
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