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エロ.30
しおりを挟む「今年はお願いすることが沢山あるから、お賽銭奮発しなきゃね」
美世は車内の鬱屈した空気を振り払うように颯爽と歩いた。
「そう・・・」
「元貴と高広君の合格祈願と、商売繁盛」
「ふうん」
「高広君は合格祈願しなくても合格できるだろうけどね」
「そんなことはないけど・・・」
「謙遜しなくてもいいの。いっつも元貴が今度のテストも高広君が学年一位だったって聞かされてるんだから」
「学年で一位くらいじゃ志望校に合格できるわけじゃないんだけど」
「あら、そうなの?」
美世は何事もなかったように軽やかに会話を進めていく。
こうしていると、本当に何もなかったような錯覚に陥りそうになる。
本当にそうだったらいいのに・・・。
お参りを終えて車に乗り込んだ。
二人で写真を撮りたかったけれど、言い出せないまま終わってしまった。
美世のアパートに着き、部屋に入ると、それまで何とか保っていた理性が一気に吹き飛んだ。
「ねえ、すぐしたい」
「待って、着物だから」
「嫌だ」
高広は、脱がせる手順など分からないまま、がむしゃらに美世の着物に手をかけた。
洋服の時とは違う不自由さが、高広の欲求をますます大きくした。
赤い肌帯と薄いピンクの肌襦袢だけになった美世はいつもに増して妖艶だった。
高広はそのままで美世のことを貫いた。
肌襦袢の襟をはだけ、胸を剥き出しにて愛撫した。
足袋をはいたままのつま先が揺れるのがひどくいやらしくて、高広はあっという間に追い詰められた。
「ごめん、乱暴にして」
「・・・ううん」
美世は今日も高広に文句のひとつも言わない。
それはやはり元貴がいるから?
その寛容さが、自分をそのくらい好きでいてくれるからじゃないと思うと複雑だった。
美世はそのまま浴室に行った。
「待って」
高広は美世の後を追った。
「一緒に入りたい」
「え、でも・・・」
「お年玉の代わり」
「仕方ないな・・・」
美世は激しく拒絶するわけでなく、かといって嬉しい素振りなど微塵も見せない。
美世は高広の目の前で肌襦袢を脱いで、その下のものも脱いでいく。
「脱がせてあげようか」
美世にそんなことを言われたのは初めてで、高広は思わずごくりと唾を飲み込んだ。
「うん」
裸になった美世が高広に触れ、着ているものを脱がせていく。
それだけで抑え切れない欲情が再燃する。
「高広君・・・」
勃ちあがってしまった自身は隠しようもなく、美世の前にさらされた。
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