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エロ.24
しおりを挟む「私からのささやかなクリスマスプレゼント」
美世が二人の前にショートケーキを差し出した。
「わぁ!!姉ちゃんありがとう。姉ちゃんも一緒に食わねえ?」
大声ではしゃぐ元貴とは対照的に、高広はボソッと「ありがとうございます」と言っただけだ。
「まだお客さんがいるから無理よ」
「ちぇっ、つまんねえの」
「じゃあ、ごゆっくり」
美世が調理場に入ると、元貴はさっそくケーキをほおばった。
「変な虫がつくのは嫌だけど、姉ちゃんも年頃なんだしさ、クリスマスを一緒に過ごす彼氏くらいいないとそれはそれで心配だなぁ」
「どっちなんだよ」
「そうだ、高広みたいにイケメンで頭がいい男だったら俺も文句はないんだけどなぁ」
「なに、バカなこと言ってるんだ。残ってるのもらっちゃうぞ」
元貴にお墨付きをもらった嬉しさを隠すために、高広は元貴にちょっかいを出した。
「あー、ダメ!!姉ちゃんからの大事なクリスマスプレゼント!」
元貴は大慌てで残っていたひとかけらを口に放り込んだ。
「おかえり」
「ただいま」
クリスマスの夜、年上の美世が喜ぶプレゼントが思いつかなくて、高広は花屋でブーケを作ってもらった。
こんなことするつもりじゃなかったのに、元貴があんなことを言うから、予定にないことをしてしまった。
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「あの、これ」
「え、私に?」
「うん」
「ありがとう、嬉しい」
本当に?
服部との関係をまだ疑っている高広は素直に美世の言葉を受け取れない。
「これ、私から」
「えっ・・・」
美世が手にしていたのは男物のマフラーだった。
「いいの?」
「うん、気に入ってもらえるか分かんないけど」
「ありがとう・・・」
俺のために、プレゼント用意してくれてた。
美世の中にちゃんと自分の存在があると思っていいのだろうか。
そんなことがあったせいで、高広はいつも以上に美世の身体を求めた。
明日も高広は学校で、美世は仕事だというのに。
たかがクリスマスプレゼントで浮かれるなんて、自分はどうしようもないくらい美世に惚れているんだと思い知らされて、嫌になる。
そんな浮ついた気分のまま翌日も美世のアパートに向かうつもりでいた。
しかし、美世の店から家に帰ると、美世から今日は都合が悪いとの連絡が入った。
昨日はクリスマスイブで今日はクリスマスだ。
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