11 / 55
エロ.11
しおりを挟む「高広もいっつもうちの店の定食じゃ飽きるだろ。たまには昨日みたいにどっか違う店に行くのも気晴らしになっていいよな」
「別に、俺は毎日おまえんちの定食でも全然問題ないけど」
「そうか~?」
他愛もない話をしながら、ファミレスで昼食をとり、そのあとはいつも通り勉強をした。
コンビニに寄ってアイスを買ってかじりながら美世の店に向かう。
店の暖簾をくぐると、いつもと変わりない様子で美世は二人を迎えてくれた。
美世の顔を見た瞬間、昨日あいつと会っていたのはどういうことだと、問い詰めたい衝動に駆られた。
もちろんそんなことが出来るはずはない。
しかもそんなことをすれば高広が隠れて見張っていたことがバレてしまう。
元貴には悪いが、今日の自分はほとんど上の空だろう。
そしていつもの時間になると例のごとくあの男がやってきた。
二人は何食わぬ顔で世間話をし、ビールと定食を平らげ、男は帰っていった。
店での勉強を終え、元貴と別れた高広は家に帰った。
美世の店が終わるまではまだ時間があったが、家にいても落ち着かなくて、早々に美世のアパートへ行き美世の帰りを待った。
「ごめんね、待たせちゃった」
「ううん、別に。それより、早くしたい」
昨日あの男とそういうことがあったのなら、一刻も早く自分のものを美世の中にぶち込んで、あいつの痕跡を美世の身体から消し去ってしまいたかった。
「ごめんね、今日始まっちゃったの」
「別にかまわない」
「えっ・・・」
ドラマなどで男性に迫られた時「今日女の子の日なんだ」というセリフでセックスを免れるという場面をよく目にする。
だから、美世も同じように思っていたに違いない。
「・・・分かった」
それでも美世は断ることはなかった。
「汚れるから、風呂でしよう」
「うん・・・」
鮮血にまみれながらするセックスは野性的で高広はいつもより興奮した。
しかし、そんな感情も一瞬の後には消え去ることになった。
背中をおおっていた美世の長い髪が、挿入の律動で少しずつ前に落ちていった。
すると肩甲骨の辺りにキスマークらしきものが現れたのだ。
高広はキスマークなどつけない。
ほとんど毎日セックスをするのに、この女は自分のものだというしるしであるマークをつける必要などなかったから。
昨日あの男と美世の間でそういうことが行われたことにほぼ間違いない。
「やっぱやめた」
「えっ・・・」
高広は美世の中から自身を引き抜いた。
鮮血が床にポタポタと落ちた。
「俺、先に出るから、ゆっくり入って」
高広はざっとシャワーを浴びると風呂を出た。
高広が服を着てスマホをいじっていると美世が風呂から出てきた。
「じゃあ帰るわ」
「うん、気をつけて」
美世はホッとしたような、少し困った様な顔で言った。
あんなしるしを見つけたって、今の自分には何もできやしない。
美世があの男、もしくはそれ以外の男とセックスをしたという確たる証拠などない。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる