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エロ.04
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本当のことを言えば高広はもっとベッドで美世に触れていたかった。
普通の恋人たちが愛し合ったあとにするように。
だけど、高広主導のセックスに余韻などない。
まだまだ自分の性欲を満たすことで精一杯だ。
「ねえ、もう一回したい」
シャワーを終えて出てきた美世にわがままを言ってみる。
「ええっ、今シャワー浴びたのに・・・」
「ダメ?」
「さっき言ってくれればよかったのに」
「待ってるうちに、したくなった」
嘘だ。
本当は美世のことを困らせたくてわざと言っているだけだ。
「仕方ないな・・・」
高広は余程のことじゃない限り、美世が断らないことは知っている。
それがどこまでなのか、そのギリギリをいつも試したくなる。
「さっきイッてないでしょ」
高広はそう言うと、美世の足を押し開き、そこに顔を埋めた。
「私はいいから・・・、あっ・・・」
美世はささやかな抵抗を口にしながらも、高広の行為を受け入れる。
舌を這わせると、美世の細い指が高広の髪をくしゃっとかき回した。
シャワーを浴びたばかりで体中からボディソープの香りが立ち昇っている。
だけど、そこは美世の香りで満ちていた。
いくら綺麗にシャワーで汗を流しても、その人の持つ香りは完全には消えてしまいはしない。
だから、これは交じりっけない美世の香りなのだと思うと、高広は興奮した。
タオルドライして乾いていたそこが、あっという間に濡れていく。
それはもう高広の唾液なのか美世のものなのか分からない。
たまに微かな吐息が美世の口から漏れてくる。
それはただの呼吸なのかもしれないし、もしかしたら喘ぎ声なのかもしれない。
美世がもし少しでも感じている様子を見せたり、声を漏らしたりしたなら、高広の興奮は最高潮に高まる。
ほとんど声らしい声を聞かないまま、美世は高広の愛撫でイッた。
ビクビクと揺れる身体だけが美世が感じたということを証明してくれる。
しかし、美世の態度や表情は、まるでそんなことなどなかったかのようにすましたものだ。
高広はそれがひどく不満だった。
いつかは思わず我慢できずに嬌声をもらし、美世の方から高広が欲しいと言わせてみたい。
「もう入れたい」
高広はねだる様に言った。
「・・・うん」
美世の身体を再びベッドに横たえると、一気に奥まで貫いた。
真夜中の澄み切った空気を吸いながら自転車を漕いで高広は自宅に向かった。
帰り際、高広は「朝までいたい」なんて甘えたことを言いたい衝動に駆られることがある。
だけど、きっと美世は困った顔で「だめ」と言うだろう。
そんなことを言えば、まるで自分だけが必死で美世を求めているように見えるだろう。
だから絶対に言わない。
そんな気持ちを押し殺したまま帰る日は、全速力で自転車を漕いだせいで苦しくなる胸が締め付けられたように痛くなる。
若い高広に付き合わされた美世は、今頃ホッとして布団に潜り込んでいるのだろうか。
そんなことを思ってしまう一方で、いつか高広に「今日は帰らないで」と言ってくれる日が来ないだろうかと、バカな幻想を抱かずにはいられなかった。
普通の恋人たちが愛し合ったあとにするように。
だけど、高広主導のセックスに余韻などない。
まだまだ自分の性欲を満たすことで精一杯だ。
「ねえ、もう一回したい」
シャワーを終えて出てきた美世にわがままを言ってみる。
「ええっ、今シャワー浴びたのに・・・」
「ダメ?」
「さっき言ってくれればよかったのに」
「待ってるうちに、したくなった」
嘘だ。
本当は美世のことを困らせたくてわざと言っているだけだ。
「仕方ないな・・・」
高広は余程のことじゃない限り、美世が断らないことは知っている。
それがどこまでなのか、そのギリギリをいつも試したくなる。
「さっきイッてないでしょ」
高広はそう言うと、美世の足を押し開き、そこに顔を埋めた。
「私はいいから・・・、あっ・・・」
美世はささやかな抵抗を口にしながらも、高広の行為を受け入れる。
舌を這わせると、美世の細い指が高広の髪をくしゃっとかき回した。
シャワーを浴びたばかりで体中からボディソープの香りが立ち昇っている。
だけど、そこは美世の香りで満ちていた。
いくら綺麗にシャワーで汗を流しても、その人の持つ香りは完全には消えてしまいはしない。
だから、これは交じりっけない美世の香りなのだと思うと、高広は興奮した。
タオルドライして乾いていたそこが、あっという間に濡れていく。
それはもう高広の唾液なのか美世のものなのか分からない。
たまに微かな吐息が美世の口から漏れてくる。
それはただの呼吸なのかもしれないし、もしかしたら喘ぎ声なのかもしれない。
美世がもし少しでも感じている様子を見せたり、声を漏らしたりしたなら、高広の興奮は最高潮に高まる。
ほとんど声らしい声を聞かないまま、美世は高広の愛撫でイッた。
ビクビクと揺れる身体だけが美世が感じたということを証明してくれる。
しかし、美世の態度や表情は、まるでそんなことなどなかったかのようにすましたものだ。
高広はそれがひどく不満だった。
いつかは思わず我慢できずに嬌声をもらし、美世の方から高広が欲しいと言わせてみたい。
「もう入れたい」
高広はねだる様に言った。
「・・・うん」
美世の身体を再びベッドに横たえると、一気に奥まで貫いた。
真夜中の澄み切った空気を吸いながら自転車を漕いで高広は自宅に向かった。
帰り際、高広は「朝までいたい」なんて甘えたことを言いたい衝動に駆られることがある。
だけど、きっと美世は困った顔で「だめ」と言うだろう。
そんなことを言えば、まるで自分だけが必死で美世を求めているように見えるだろう。
だから絶対に言わない。
そんな気持ちを押し殺したまま帰る日は、全速力で自転車を漕いだせいで苦しくなる胸が締め付けられたように痛くなる。
若い高広に付き合わされた美世は、今頃ホッとして布団に潜り込んでいるのだろうか。
そんなことを思ってしまう一方で、いつか高広に「今日は帰らないで」と言ってくれる日が来ないだろうかと、バカな幻想を抱かずにはいられなかった。
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