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もう君を絶対に離さない.80
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野崎の質問に、何か言わなければと思うのに、いったいどこか何をはなせばいいのか、パニックに陥った頭では考えられない。
ただ、こんな偶然がもう二度と訪れることはないかもしれないと考えた時、やっぱりどうしても聞いておきたいことはあった。
「あの・・・、あの日、作品のDVDを持ってきてくれた日、どうして急に帰っちゃったんですか?」
「えっ・・・」
それは・・・、瑠璃子と守のイチャイチャを見せつけられるのに耐えられなくなって・・・、というのが本心だったが、それを打ち明ける理由がない。
「私、あの日・・・、野崎君に大切な話があったんです」
「そうだったんだ・・・、それはごめん」
まさか瑠璃子が告白するつもりでいたなどとは夢にも思っていない野崎はごく普通に謝った。
もう会えないのなら、あの時言えなかったことを今言うしかない・・・。
言ってしまえば、もちろん完全にフラれるという覚悟が必要だ。
だけど、言わないで、いつまでもあの時告白したらどうなっていただろうなどと、過去にすがりついて生きて行くのはもう嫌だった。
しかしその瞬間、瑠璃子の目にその勇気を揺るがすものが飛び込んできた。
DVDや専門書ばかりが詰め込まれている本棚の片隅に、使いかけの化粧水と乳液がそっと置かれていたのだ。
それは美子が忘れていったもので、野崎は捨てるに捨てられず、ついそのままにしていたのだ。
またしても黙り込んでしまった瑠璃子の目線の先を追った野崎は、その理由を理解した。
「こ、これはその・・・、友だちが忘れていったんだ」
「友達?」
ただの友達が化粧水と乳液をボトルごと持ってくるだろうか・・・。
いや・・・、もし仮に泊るとしても、別容器に入れてくるだろう。
この状態で置いてあるということは、一緒に住んでいると考えるのが普通だ。
瑠璃子の顔色がどんどん変化していくのに、野崎が気づかないはずはない。
これは完全に誤解している。
もう、言ってしまえ!
「少し前まで、前つき合ってた彼女が頻繁に来てた。僕が今所属してるインカレサークルで偶然出会ったんだ。彼女がまだ僕のことが好きだと言ったけど、僕はもうそういう気持ちはなかった。彼女はそれでもいいから、僕が作業に専念できるように家事をやりたいと言ってくれた。僕はそれを信じて彼女を自由にうちに入れていたんだ。でも、彼女はやっぱりそれじゃあ満足できないって、僕に交際を迫ってきた。だから、彼女には色々世話になったけど、もう来ないでくれと言って別れたんだ。いや、つきあってもないんだけど・・・」
一度にたくさんの情報が入って来て、更に頭が混乱する。
だけど、どうやら今の野崎がフリーであることは理解できた。
その前には色々あったようだが。
それに対して今嫉妬しても仕方ないのだけれど、野崎に会えなかった数カ月で、もう既にほかの女性の影が見え隠れするということは、本人はそう思っていなくても、やはり野崎はモテるのだということだ。
もう、ボヤボヤしてたら、すぐ次の女性が野崎を狙って迫ってくるかもしれない。
「私、実はあの日・・・、野崎君に告白するつもりだったんです」
「告白?」
告白という言葉まで言われても、瑠璃子が自分のことを好きなどということを考えたことがない野崎にはその意味が分からない。
ただ、こんな偶然がもう二度と訪れることはないかもしれないと考えた時、やっぱりどうしても聞いておきたいことはあった。
「あの・・・、あの日、作品のDVDを持ってきてくれた日、どうして急に帰っちゃったんですか?」
「えっ・・・」
それは・・・、瑠璃子と守のイチャイチャを見せつけられるのに耐えられなくなって・・・、というのが本心だったが、それを打ち明ける理由がない。
「私、あの日・・・、野崎君に大切な話があったんです」
「そうだったんだ・・・、それはごめん」
まさか瑠璃子が告白するつもりでいたなどとは夢にも思っていない野崎はごく普通に謝った。
もう会えないのなら、あの時言えなかったことを今言うしかない・・・。
言ってしまえば、もちろん完全にフラれるという覚悟が必要だ。
だけど、言わないで、いつまでもあの時告白したらどうなっていただろうなどと、過去にすがりついて生きて行くのはもう嫌だった。
しかしその瞬間、瑠璃子の目にその勇気を揺るがすものが飛び込んできた。
DVDや専門書ばかりが詰め込まれている本棚の片隅に、使いかけの化粧水と乳液がそっと置かれていたのだ。
それは美子が忘れていったもので、野崎は捨てるに捨てられず、ついそのままにしていたのだ。
またしても黙り込んでしまった瑠璃子の目線の先を追った野崎は、その理由を理解した。
「こ、これはその・・・、友だちが忘れていったんだ」
「友達?」
ただの友達が化粧水と乳液をボトルごと持ってくるだろうか・・・。
いや・・・、もし仮に泊るとしても、別容器に入れてくるだろう。
この状態で置いてあるということは、一緒に住んでいると考えるのが普通だ。
瑠璃子の顔色がどんどん変化していくのに、野崎が気づかないはずはない。
これは完全に誤解している。
もう、言ってしまえ!
「少し前まで、前つき合ってた彼女が頻繁に来てた。僕が今所属してるインカレサークルで偶然出会ったんだ。彼女がまだ僕のことが好きだと言ったけど、僕はもうそういう気持ちはなかった。彼女はそれでもいいから、僕が作業に専念できるように家事をやりたいと言ってくれた。僕はそれを信じて彼女を自由にうちに入れていたんだ。でも、彼女はやっぱりそれじゃあ満足できないって、僕に交際を迫ってきた。だから、彼女には色々世話になったけど、もう来ないでくれと言って別れたんだ。いや、つきあってもないんだけど・・・」
一度にたくさんの情報が入って来て、更に頭が混乱する。
だけど、どうやら今の野崎がフリーであることは理解できた。
その前には色々あったようだが。
それに対して今嫉妬しても仕方ないのだけれど、野崎に会えなかった数カ月で、もう既にほかの女性の影が見え隠れするということは、本人はそう思っていなくても、やはり野崎はモテるのだということだ。
もう、ボヤボヤしてたら、すぐ次の女性が野崎を狙って迫ってくるかもしれない。
「私、実はあの日・・・、野崎君に告白するつもりだったんです」
「告白?」
告白という言葉まで言われても、瑠璃子が自分のことを好きなどということを考えたことがない野崎にはその意味が分からない。
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