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もう君を絶対に離さない.32
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「あ、今笑ったでしょ。下手くそだからって、ひどい・・・」
「そんなんじゃないよ。真剣な笠原さんが可愛いなって思った」
「か、可愛いって・・・」
瑠璃子の顔がカーッと熱くなる。
胸の大きさや、容姿がいいことを嫌味混じりにからかわれることはあったけれど、可愛いというワードが使われたことはなかった。
「あ、ごめん・・・、可愛いなんて、失礼だよね。笠原さんはどっちかって言えば綺麗だもんね。でも外見がじゃなくて、内面の話だから」
野崎は言いたいことを言うと、「じゃあ、最初からもう一度」と言ってカメラを構えた。
カメラを向けられたら、余計なことを考えずに演技をしなければならない。
瑠璃子は、出来るだけ自然にと自分に言い聞かせ、セリフを言った。
野崎がカメラを構え、瑠璃子が演技に夢中になっていると、玄関の方からバタバタと音が聞こえてきた。
「瑠璃子~、お客さん?あらっ!男の子じゃない。瑠璃子がうちに男の子を連れてくるなんて久しぶりだわ~。確か高校二年の時以来じゃ・・・」
「お母さん!初対面の人に何べらべらしゃべってるの。ごめんなさい、野崎さん、うるさくて」
「うるさいって、失礼ね。野崎君っていうの?あら、パッと見地味かな~と思ったけど、よく見たらけっこうイケメンじゃない」
「失礼なのはお母さんでしょ!地味とか、イケメンとか勝手なこと言わないでよね」
野崎はさすが瑠璃子の母親だと、妙に納得してしまう。
「はじめまして、野崎と申します。笠原さんとは同じ大学の映画同好会で親しくさせてもらってました」
「ました?ん、もう辞めたの」
「はい、ちょっと色々ありまして、そっちは辞めたんですが・・・。僕は映像学科で、今作品作りで笠原さんに協力してもらってます」
「あら、すごい、瑠璃子!女優デビューじゃない」
「もう、女優なんて大げさな・・・」
野崎の手前、彼の作品のことを大した作品じゃないと言うわけにはいかないし、だからといって、女優なんてとんでもなくて、それは否定したいし・・・。
「すみません、僕の作ってるのはまだ作品と呼べるレベルのものじゃないんです。僕の実力じゃ、何かのコンテストに出品できるようになるのはまだまだ先ですから・・・」
「あら、えらく謙遜するタイプなのね。だけど、瑠璃子のこの顔とナイスバディを使うんなら、いい作品になるのはあなた次第よね」
「な、な、何を言ってるのお母さん!!失礼にもほどがある、もう黙って!それより、いったい何で帰ってきたのよ」
「あ、ああ、そうだった。試作品持ち帰って、今朝、段ボールごと忘れちゃって、慌てて取りに来たのよ」
「だったら、早く持って会社行きなよ」
「ねえ、瑠璃子のナイスバディはね、私がデザインした下着のおかげなのよ。どう、この胸、すごいでしょ?ただ大きいだけじゃなくて、形もすごく綺麗なんだから!」
「もう!!いい加減にしてってば!!」
瑠璃子は紗栄子の口をふさぐと、グイッとその背中を押した。
「そうですね、綺麗な形ですね」
野崎はあの日の瑠璃子の姿を思い出して、ついそんなことを口走ってしまった。
「えっ・・・」
「ええっ!なに、やっぱり彼氏なんじゃない。瑠璃子ったら、ちゃんと紹介しなさいよ」
違うと言ったらそれはそれで、どういうことだと問い詰められるに決まっている。
「そんなんじゃないよ。真剣な笠原さんが可愛いなって思った」
「か、可愛いって・・・」
瑠璃子の顔がカーッと熱くなる。
胸の大きさや、容姿がいいことを嫌味混じりにからかわれることはあったけれど、可愛いというワードが使われたことはなかった。
「あ、ごめん・・・、可愛いなんて、失礼だよね。笠原さんはどっちかって言えば綺麗だもんね。でも外見がじゃなくて、内面の話だから」
野崎は言いたいことを言うと、「じゃあ、最初からもう一度」と言ってカメラを構えた。
カメラを向けられたら、余計なことを考えずに演技をしなければならない。
瑠璃子は、出来るだけ自然にと自分に言い聞かせ、セリフを言った。
野崎がカメラを構え、瑠璃子が演技に夢中になっていると、玄関の方からバタバタと音が聞こえてきた。
「瑠璃子~、お客さん?あらっ!男の子じゃない。瑠璃子がうちに男の子を連れてくるなんて久しぶりだわ~。確か高校二年の時以来じゃ・・・」
「お母さん!初対面の人に何べらべらしゃべってるの。ごめんなさい、野崎さん、うるさくて」
「うるさいって、失礼ね。野崎君っていうの?あら、パッと見地味かな~と思ったけど、よく見たらけっこうイケメンじゃない」
「失礼なのはお母さんでしょ!地味とか、イケメンとか勝手なこと言わないでよね」
野崎はさすが瑠璃子の母親だと、妙に納得してしまう。
「はじめまして、野崎と申します。笠原さんとは同じ大学の映画同好会で親しくさせてもらってました」
「ました?ん、もう辞めたの」
「はい、ちょっと色々ありまして、そっちは辞めたんですが・・・。僕は映像学科で、今作品作りで笠原さんに協力してもらってます」
「あら、すごい、瑠璃子!女優デビューじゃない」
「もう、女優なんて大げさな・・・」
野崎の手前、彼の作品のことを大した作品じゃないと言うわけにはいかないし、だからといって、女優なんてとんでもなくて、それは否定したいし・・・。
「すみません、僕の作ってるのはまだ作品と呼べるレベルのものじゃないんです。僕の実力じゃ、何かのコンテストに出品できるようになるのはまだまだ先ですから・・・」
「あら、えらく謙遜するタイプなのね。だけど、瑠璃子のこの顔とナイスバディを使うんなら、いい作品になるのはあなた次第よね」
「な、な、何を言ってるのお母さん!!失礼にもほどがある、もう黙って!それより、いったい何で帰ってきたのよ」
「あ、ああ、そうだった。試作品持ち帰って、今朝、段ボールごと忘れちゃって、慌てて取りに来たのよ」
「だったら、早く持って会社行きなよ」
「ねえ、瑠璃子のナイスバディはね、私がデザインした下着のおかげなのよ。どう、この胸、すごいでしょ?ただ大きいだけじゃなくて、形もすごく綺麗なんだから!」
「もう!!いい加減にしてってば!!」
瑠璃子は紗栄子の口をふさぐと、グイッとその背中を押した。
「そうですね、綺麗な形ですね」
野崎はあの日の瑠璃子の姿を思い出して、ついそんなことを口走ってしまった。
「えっ・・・」
「ええっ!なに、やっぱり彼氏なんじゃない。瑠璃子ったら、ちゃんと紹介しなさいよ」
違うと言ったらそれはそれで、どういうことだと問い詰められるに決まっている。
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