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勇者追放編
勇者パーティーのプライドはぼろぼろです
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――広場にて。
ドカッ! バキッ! カコーン!
直径5メートルはある巨大な体躯になすすべもなく打ちのめされている、「勇者パーティー」の皆さんである。
ドッカーン、ドスドスドス、バキッ、ボコッ、うわぁぁああああ!
泥人形《ゴーレム》 が放つ激しい攻撃をレベル40ではかわせるはずもない。
情けない悲鳴とともにミスリルゴーレムにボコボコにされるマルティネ達パーティー。
俺をさんざん馬鹿にしてこの様である。街の人たちも白い目で呆れ果てています。
ところで、マルティネ達パーティーがどんな構成なのか、確認していくとする。
全部ギルドのお姉さんから聞いた情報である。
まず、マルティネ。
大貴族カンドセの跡取り息子にして、王都のエント学園に在籍する、所謂エリートと呼ばれる人種である。
「ゴーレムに攻撃が通らねえぞ、くそがああ!」
カコーン、ポス、ポス、バキッ!
ゴーレムに1ダメージも与えられずに後方に飛ばされてばかりの茶髪の男はネッキードと呼ばれている。
こっちは貴族生まれで、マルティネと学園は同じだが、成績は芳しくないらしい。
ネッキードの趣味は自分より身分が下のものをとにかく攻撃することだけである。
反撃などしてこようものなら、マルティネの名前を使って粛清である。
逆らうものは許されないのだ。
後の二人については教えてくれなかった。まあ、それはいいとしよう。
「リュウ、助けてやらないのか」
金髪で碧眼のカナデがわかってるくせに、あえて聞いてきた。
「そうだな、そろそろ助けにいってやるか。あいつらだって困ってるしな」
「そうだな、今までのマルティネ達の蛮行は見て余るものがあったからな、これで懲りてくれればよいのだが」
やれやれとため息をつくカナデ。
俺ももうマルティネ達とは関わり会いたくないのだが、プライドが傷つくのかあいつらから噛みついてくるんだよなあ。
さっさとミスリルゴーレムを討伐しましょうかね。楽勝でしょう。
俺は棒切れをその辺で拾うと、
【魔力硬質!】
頑丈なゴーレムの防御力をいとも簡単に貫ける槍にした。さて、やっつけましょうかね。
▽
魔力暴走をしたミスリルゴーレムの攻撃は止まらない。マルティネは必死に跳躍して、何とかゴーレムの攻撃を回避する。
カコン、カツーン。
間隙を縫って刃を叩き込むが、一切きいていない。それでもマルティネは諦めない。
「くそ、僕がやるしかないんだっ!」
マルティネが玉砕覚悟で突っ込もうとした刹那――
「あ、ごめんマルティネ。もう倒しちゃったわ。なんか頑張ってたみたいだけど、ほんとごめんな」
あっさりと俺の一突きだけでゴーレムのコアを破壊してしまった。
ゴーレムはぼろぼろと泥を地面に落としていき、ただのガラクタとなってしまった。
俺は棒切れをポイっと捨てると、呆然としてる「勇者パーティー」を見た。
「あんまりにもゴーレムが弱かったから、一撃で終わってしまったよ」
何気なく俺がそういうと、ワナワナと拳を震わせているマルティネ。
もはや何も言い返せないのか、押し黙るネッキード君。
マイナ、アイリ、カエデの暖かい眼差し。街中に響きわたる大喝采。
翌日。
「お、覚えていろリュウ、いつか絶対に思い知らせてやるからなっ!」
逆に街を追い出されているマルティネが、遠くから俺に叫んできた。
「いつかじゃなくて、今思い知らせてほしいんだが?」
俺が近寄ると、「勇者パーティー」の皆さんは素早く馬車に乗って逃げていってしまった。
「これで一件落着ね、これからリュウと私のイチャラブ生活が始まるのね」
さっきまで真横にいたはずのマイナが、話終える頃には俺の目の前で微笑みながら笑った。
「ダメなのですー、リュウさんは私とイチャイチャするのですよー」
アイリが勢いよく俺の腹に抱きついてきた。すべすべのお肌だ。
「いやいや、リュウは私と用事があるのだよ、そうだろリュウ?」
カナデが照れくさそうにモジモジとしていた。
相変わらず俺はモテモテだなぁ。それでも誰か一人を選ぶなんてしないぞ。俺はみんなを愛するのだ。
次の目標としては、マイホームを買おう。パーティーみんなで仲良く暮らすのだ。
ドカッ! バキッ! カコーン!
直径5メートルはある巨大な体躯になすすべもなく打ちのめされている、「勇者パーティー」の皆さんである。
ドッカーン、ドスドスドス、バキッ、ボコッ、うわぁぁああああ!
泥人形《ゴーレム》 が放つ激しい攻撃をレベル40ではかわせるはずもない。
情けない悲鳴とともにミスリルゴーレムにボコボコにされるマルティネ達パーティー。
俺をさんざん馬鹿にしてこの様である。街の人たちも白い目で呆れ果てています。
ところで、マルティネ達パーティーがどんな構成なのか、確認していくとする。
全部ギルドのお姉さんから聞いた情報である。
まず、マルティネ。
大貴族カンドセの跡取り息子にして、王都のエント学園に在籍する、所謂エリートと呼ばれる人種である。
「ゴーレムに攻撃が通らねえぞ、くそがああ!」
カコーン、ポス、ポス、バキッ!
ゴーレムに1ダメージも与えられずに後方に飛ばされてばかりの茶髪の男はネッキードと呼ばれている。
こっちは貴族生まれで、マルティネと学園は同じだが、成績は芳しくないらしい。
ネッキードの趣味は自分より身分が下のものをとにかく攻撃することだけである。
反撃などしてこようものなら、マルティネの名前を使って粛清である。
逆らうものは許されないのだ。
後の二人については教えてくれなかった。まあ、それはいいとしよう。
「リュウ、助けてやらないのか」
金髪で碧眼のカナデがわかってるくせに、あえて聞いてきた。
「そうだな、そろそろ助けにいってやるか。あいつらだって困ってるしな」
「そうだな、今までのマルティネ達の蛮行は見て余るものがあったからな、これで懲りてくれればよいのだが」
やれやれとため息をつくカナデ。
俺ももうマルティネ達とは関わり会いたくないのだが、プライドが傷つくのかあいつらから噛みついてくるんだよなあ。
さっさとミスリルゴーレムを討伐しましょうかね。楽勝でしょう。
俺は棒切れをその辺で拾うと、
【魔力硬質!】
頑丈なゴーレムの防御力をいとも簡単に貫ける槍にした。さて、やっつけましょうかね。
▽
魔力暴走をしたミスリルゴーレムの攻撃は止まらない。マルティネは必死に跳躍して、何とかゴーレムの攻撃を回避する。
カコン、カツーン。
間隙を縫って刃を叩き込むが、一切きいていない。それでもマルティネは諦めない。
「くそ、僕がやるしかないんだっ!」
マルティネが玉砕覚悟で突っ込もうとした刹那――
「あ、ごめんマルティネ。もう倒しちゃったわ。なんか頑張ってたみたいだけど、ほんとごめんな」
あっさりと俺の一突きだけでゴーレムのコアを破壊してしまった。
ゴーレムはぼろぼろと泥を地面に落としていき、ただのガラクタとなってしまった。
俺は棒切れをポイっと捨てると、呆然としてる「勇者パーティー」を見た。
「あんまりにもゴーレムが弱かったから、一撃で終わってしまったよ」
何気なく俺がそういうと、ワナワナと拳を震わせているマルティネ。
もはや何も言い返せないのか、押し黙るネッキード君。
マイナ、アイリ、カエデの暖かい眼差し。街中に響きわたる大喝采。
翌日。
「お、覚えていろリュウ、いつか絶対に思い知らせてやるからなっ!」
逆に街を追い出されているマルティネが、遠くから俺に叫んできた。
「いつかじゃなくて、今思い知らせてほしいんだが?」
俺が近寄ると、「勇者パーティー」の皆さんは素早く馬車に乗って逃げていってしまった。
「これで一件落着ね、これからリュウと私のイチャラブ生活が始まるのね」
さっきまで真横にいたはずのマイナが、話終える頃には俺の目の前で微笑みながら笑った。
「ダメなのですー、リュウさんは私とイチャイチャするのですよー」
アイリが勢いよく俺の腹に抱きついてきた。すべすべのお肌だ。
「いやいや、リュウは私と用事があるのだよ、そうだろリュウ?」
カナデが照れくさそうにモジモジとしていた。
相変わらず俺はモテモテだなぁ。それでも誰か一人を選ぶなんてしないぞ。俺はみんなを愛するのだ。
次の目標としては、マイホームを買おう。パーティーみんなで仲良く暮らすのだ。
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