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一章 それから充実した環境を手に入れるまで
二食目 相棒は、、、
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どうしようか、と思ってもどうにもしようがない。
どこに行けば町なのか、どっちへ行ったらいいのかも、さっきから人が通った気配もしないので分からなさすぎる。
けれど、わたしには「料理」のスキルが有ることが分かった。前世の影響だろうか。
まあいい。
取り敢えずわたしがさっきから倒れていた場所から右へ歩くことにした。
幸い川もあるので、のどが渇いたとしても水は飲める。
食料は、森だから実とかでいいだろう。少しは持つはずだ。
すると突然、耳をつんざくような悲鳴が聞こえてきた。
何事だろうかと思ったわたしは声のする方へ向かっていった。
見ると、そこには大きな黒っぽい鳥がいてその口には赤色の鳥がいる。
地面には赤の羽がいくつも飛び散っていて、何が起こっていたのかよく分かる。
けれど、この鳥は今にも食べられてしまいそうだ。
どうしようか。
答えは一瞬で出た。
わたしは手早く地面に落ちていた石を拾い、渾身の力で鳥へ向かって投げつけた。
けれど、届かなかった。
石はカツンと木に当たって落ちていった。
その音で鳥はわたしに気づいたのだろう。
口に赤い鳥を加えたままこちらを向いた。
真正面から見ると大きな鳥は目がギョロッとしている。大きさで言えば、カラスより全然大きいだろう。
数秒、わたしと鳥は睨み合った。
だんだん、苛立ってきた。いい加減、放してあげればいいのに。
けれど、届かない。そんな虚しさがふっと一陣の風のように心の中を吹き抜けていった。
すると突然、黒い鳥は赤い鳥を放して去っていった。
ああ、食べられなくてよかった。
そう思った瞬間、赤い鳥はわたしの方へ飛んできた。
そして、手へ止まった。
ぴい。そう、一声高く鳴いた。
ああ、可愛い。そう思った。
けれど、野生の鳥は病原菌を持っていることも多い。
それに気づいたわたしは慌てて地面へ鳥を戻した。
しかし、あろうことかその鳥が喋った。
「はあ?何やってんねん。助けてもろたことはありがたいんけどな、もう少しいさせてもらうわ。」
うん、これは幻聴だ。幻聴。鳥が喋るなんてことありえないから。
が、鳥はそんなわたしの思いをぶった切っていくかのようによりによって関西弁で話し始めた。
「うちな、炎鳥の一族のもんなんや。そんでな、成人したからってオトンに言われてな、餌探しに来たんや。ま、けどあの鳥にな、捕まってしもたんや。ありゃ痛かったわ。黒鳥に会ったらさっさと逃げろっていうの、確かやって思ったわ。」
わたしは一度、頬を叩いた。けれど、痛かった。
ああ、ホントなんだ。
「炎鳥さん、これからどうするんですか?」
いい加減はなれてくれないと困る。
「ああ、うちか。ここ、うちの実家からめちゃめちゃ遠いねん。そやから、うちアンタと一緒に旅させてもらうから。よろしくな。」
勝手に決めるな!と言う思いが強いが、ぱっと見炎鳥は目がくりくりしていて可愛い。けど、駄目だ。
そう思っていたら、お母さんの声が蘇ってきた。
「いい、ミライ。人との縁は大事にするんだよ。一期一会って言うから。」
あの時、わたしはなんと答えたんだったろうか。
ああ、あれだ。
「うん。分かった、お母さん。」
お父さんと離婚して、シングルマザーでわたしを育ててくれたお母さん。
大人になったら親孝行しようとか考えてたけど、結局死んじゃった。
「孝行のしたい時分に親はなし」だ。
だったら、そのお母さんとの約束を大切にすることは親孝行になるんじゃないか。そう思った。
「、、、分かった。ついてきていいよ。でも、名前は?」
「ああ、うちね。アラージア言うねん。そやかて、アンタは?」
ちょっと困った。わたしはこっちでは名前がない。
じゃあ、これでいい。
「わたし、ミライ。」
「ふーん。ミライ、ね。初めて聞く名やわ。」
でも、「アラージア」では少し長い気がする。
「ねえ、アラージア。あなたの名前、長いから『ジア』って呼んでもいい?」
「もちろん、ええよ。『ミライ』はそのままでええと思うけどな。」
こうして、わたしには「ジア」ことアラージアと言う仲間ができた。
どこに行けば町なのか、どっちへ行ったらいいのかも、さっきから人が通った気配もしないので分からなさすぎる。
けれど、わたしには「料理」のスキルが有ることが分かった。前世の影響だろうか。
まあいい。
取り敢えずわたしがさっきから倒れていた場所から右へ歩くことにした。
幸い川もあるので、のどが渇いたとしても水は飲める。
食料は、森だから実とかでいいだろう。少しは持つはずだ。
すると突然、耳をつんざくような悲鳴が聞こえてきた。
何事だろうかと思ったわたしは声のする方へ向かっていった。
見ると、そこには大きな黒っぽい鳥がいてその口には赤色の鳥がいる。
地面には赤の羽がいくつも飛び散っていて、何が起こっていたのかよく分かる。
けれど、この鳥は今にも食べられてしまいそうだ。
どうしようか。
答えは一瞬で出た。
わたしは手早く地面に落ちていた石を拾い、渾身の力で鳥へ向かって投げつけた。
けれど、届かなかった。
石はカツンと木に当たって落ちていった。
その音で鳥はわたしに気づいたのだろう。
口に赤い鳥を加えたままこちらを向いた。
真正面から見ると大きな鳥は目がギョロッとしている。大きさで言えば、カラスより全然大きいだろう。
数秒、わたしと鳥は睨み合った。
だんだん、苛立ってきた。いい加減、放してあげればいいのに。
けれど、届かない。そんな虚しさがふっと一陣の風のように心の中を吹き抜けていった。
すると突然、黒い鳥は赤い鳥を放して去っていった。
ああ、食べられなくてよかった。
そう思った瞬間、赤い鳥はわたしの方へ飛んできた。
そして、手へ止まった。
ぴい。そう、一声高く鳴いた。
ああ、可愛い。そう思った。
けれど、野生の鳥は病原菌を持っていることも多い。
それに気づいたわたしは慌てて地面へ鳥を戻した。
しかし、あろうことかその鳥が喋った。
「はあ?何やってんねん。助けてもろたことはありがたいんけどな、もう少しいさせてもらうわ。」
うん、これは幻聴だ。幻聴。鳥が喋るなんてことありえないから。
が、鳥はそんなわたしの思いをぶった切っていくかのようによりによって関西弁で話し始めた。
「うちな、炎鳥の一族のもんなんや。そんでな、成人したからってオトンに言われてな、餌探しに来たんや。ま、けどあの鳥にな、捕まってしもたんや。ありゃ痛かったわ。黒鳥に会ったらさっさと逃げろっていうの、確かやって思ったわ。」
わたしは一度、頬を叩いた。けれど、痛かった。
ああ、ホントなんだ。
「炎鳥さん、これからどうするんですか?」
いい加減はなれてくれないと困る。
「ああ、うちか。ここ、うちの実家からめちゃめちゃ遠いねん。そやから、うちアンタと一緒に旅させてもらうから。よろしくな。」
勝手に決めるな!と言う思いが強いが、ぱっと見炎鳥は目がくりくりしていて可愛い。けど、駄目だ。
そう思っていたら、お母さんの声が蘇ってきた。
「いい、ミライ。人との縁は大事にするんだよ。一期一会って言うから。」
あの時、わたしはなんと答えたんだったろうか。
ああ、あれだ。
「うん。分かった、お母さん。」
お父さんと離婚して、シングルマザーでわたしを育ててくれたお母さん。
大人になったら親孝行しようとか考えてたけど、結局死んじゃった。
「孝行のしたい時分に親はなし」だ。
だったら、そのお母さんとの約束を大切にすることは親孝行になるんじゃないか。そう思った。
「、、、分かった。ついてきていいよ。でも、名前は?」
「ああ、うちね。アラージア言うねん。そやかて、アンタは?」
ちょっと困った。わたしはこっちでは名前がない。
じゃあ、これでいい。
「わたし、ミライ。」
「ふーん。ミライ、ね。初めて聞く名やわ。」
でも、「アラージア」では少し長い気がする。
「ねえ、アラージア。あなたの名前、長いから『ジア』って呼んでもいい?」
「もちろん、ええよ。『ミライ』はそのままでええと思うけどな。」
こうして、わたしには「ジア」ことアラージアと言う仲間ができた。
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